なぜD2Cブランドはロゴを必要としないのか?

これまでは、ブランド商品と言うと、分かりやすくロゴの入った商品を思い浮かべるのが一般的でした。

しかし、多くのブランドが最新の商品において、そのロゴをなくし始めています。

特にD2Cブランドでは、そもそも初めからブロンドロゴが強調された商品を生産していません。

これは、現代の消費者がブランドのイメージによって商品を選択するのではなくなっているからなのです。

そこで今回の記事では、D2Cブランドがロゴを必要としない理由について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ロゴとは何か?

一般には、ブランドと言うと、高級ブランドや誰もが知るような有名ブランドを思い浮かべることが多いと思います。

そして、その時同時に思い浮かべるのが、それらのブランドのロゴです。

ロゴとは、そもそもはロゴタイプの略称であり、社名や団体名、商品名、商標名などの文字を図案にしたものです。

しかし、現在では、企業やブランドのイメージを図案化したロゴマーク、会社や団体、家系、個人などを象徴する図案であるシンボルマークなども合わせた総称としてロゴと言う言葉が使用されることが多くなっています。

つまり、ブランドのロゴとは、ブランド全体を象徴する図案であり、一般に広く名の知られているブランドの多くは、このロゴを持っているのです。

変わるロゴの役割

従来では、このブランドのロゴが強調された商品が多くみられました。

従来の消費者は、ブランド品を購入する際には、そのブランドであることを示すロゴにこだわり、それが強調されている商品を好んで購入していたのです。

そのような消費者にとって、ブランド品を持つことは一種のステイタスであり、それ故に、ブランド側もロゴを強調していたのです。

しかし、現在は、この流れが変わりつつあります。

そして、この消費者の変化を受けて、ブランド側にも変化が見え始めているのです。

実際に、ロゴを見れば、誰もがそのブランドだと分かるほど広く認知されているにもかかわらず、そのロゴを控えるブランドが増えてきています。

例えば、apple社は、その社名からリンゴを図案化したロゴを採用し、製品には、必ず目立つところにロゴがデザインされていました。

しかし、apple社の最新の製品にはそのロゴが見当たらないのです。

この流れは、有名アパレルブランドやスポーツブランドにも見られ始めており、ロゴのない商品が増えてきています。

そして、D2Cビジネスにおいても、多くのブランドがロゴを表記していないか、もしくはごく控えめな表記となっているのです。

D2Cは、新しいビジネスモデルであり、ターゲットはもともと現在の消費の中心となっている若い世代です。

そのため、その世代に合わせたマーケティング施策が必要です。

そして、その若い世代のブランドに対する捉え方やニーズは、従来とは大きく変化しています。

この若い世代は、先ほど述べたような、高級ブランドや有名ブランドなどのブランドにステイタスを感じると言うことがなくなっています。

彼らは、それよりも個人それぞれの趣味や嗜好、関心を大切だと考えているのです。

この世代に対して、多くの人が持っているから、多くの人が知っているブランドだからなどと言う理由では、関心を引くことはできないのです。

これまでのブランドは、ブランドのイメージを最も重要と考えていました。

そして、そのイメージを作るために、ロゴを活用していたのです。

しかし、現代の消費者にはそのような表面上のイメージは通用しません。

彼らが求めるのは、そのブランドが自身の嗜好に合っているかどうかであり、その中には、信頼できるブランドかどうかと言うことも含まれているのです。

求められる企業の透明性

この信頼できるブランドかどうかと言うのは、簡単に言うと、過度な宣伝活動を行わず、自社に不利な事実であっても隠すことなく消費者に全てを伝えているかどうかと言うことです。

現代は、インターネットが広く普及し、あらゆる情報が簡単に得られるようになっています。

企業やブランドに関しても、これまでは一般の消費者が知ることの無かったような、企業やブランドにとって都合の悪い問題も、容易に知られてしまうのです。

また、現代の若い世代は、環境問題や社会問題に対する関心が他の世代よりも高く、自身もそれらの問題の解決のために行動をしたいと考えています。

そして、彼らは、このような問題に対する企業やブランドの姿勢に対して強い関心を示しています。

商品やブランドイメージよりも、その企業やブランドがどのような姿勢でそれらの問題に対峙しているかどうかを見ているのです。

そして、自身が共感できる企業やブランドを選択し、支持するのです。

このような消費者の変化に対し、企業やブランド側ができるのは、企業やブランドの透明性を高め、消費者の信頼を得ることなのです。

そのために、多くの企業やブランドが、ロゴによって自社のイメージを作るよりも、情報を提示し、企業やブランドとしての透明性を高めようとしているのです。

まとめ

一昔前には、名の知れたブランドと言えば、良く知られたロゴを持っており、そのロゴが強調された商品を持つことが、消費者にとってステイタスとなっていました。

しかし、現在の若い世代は、そのような考えを持っておらず、それよりも、そのブランドが信頼できるかどうかを重要と考えているのです。

そして、その消費者に変化に対応し、多くのブランドがロゴでのイメージ作りよりも、ブランドとしての透明性を高めることに注力しているのです。