大手企業が新たにD2Cブランドを立ち上げる際のポイント

近年、EC業界は右肩上がりの成長を続けており、新しいビジネスモデルがどんどん登場している状況です。

さまざまなビジネスモデルが生まれる中で、製造者と消費者を直接結ぶ「D2C」というビジネスモデルがあります。

D2Cはアメリカで発祥し、主にアパレルやコスメ、嗜好品などの分野で用いられてきましたが、今後は小売業界全体に普及していく可能性を秘めていることをご存知でしょうか。

D2Cビジネスでは、主にデジタルネイティブ世代をターゲットとしており、モノ消費よりも「コト消費」や「イミ消費」を重視していることが特徴です。

そして今、インターネットの普及により、市場がグローバル化し、海外企業も競合となってしまい、さらに急速なテクノロジーの発展により、新興企業による新規参入や産業構造を変えてしまう商品やサービスが多くなる中で、高度経済成長期から日本を支えてきた大手企業が大きな危機を感じるようになっています。

だからこそ、大手企業がD2Cブランドを展開する事例も多くなってきているのですが、時代が進むにつれて、課題は競合の増加だけでなく、業界での枠すらも無くなっていると言われています。

このような環境の中で生き残るためにはどうすれば良いのでしょうか。

そこで今回は、大手企業が新たにD2Cブランドを立ち上げる際のポイントについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。

大手企業から新規事業としてD2Cブランドを立ち上げたいとお考えの方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

大手企業がD2Cブランドを立ち上げるポイント

・既存ビジネスとのしがらみをなくし社長がコミットする

収益の軸となるビジネスがある中で、新規事業としてD2Cブランドを立ち上げるとなると、当然のことながら既存ビジネスとのしがらみがありそうなビジネスは避け、全く別の分野でビジネスを開発するでしょう。

そうなると知見がない状態から始まりますので、成功するか分からないプロジェクトに対しコストを割き続けると、無駄と感じてしまい成果が出る前にストップしてしまいます。

だからこそ、社長を直結としたプロジェクトチームを組み、他の部署と連携しやすくすることで、社長の本気度も伝わりやすく、D2Cビジネスに携わる従業員も遠慮することなく推進することができるでしょう。

・外部人材を積極的に活用する

新規事業を行う場合、人材不足がよく課題に上がります。

だからこそ、新しいことを始めるときは、誰もが初心者である、という意識を持つことが大切です。

そして、初心者だけのチームが機能するためには、知見の豊富なスタッフが最低でも1人はリーダーとして必要でしょう。

今は、コンサルティング会社以外にも外部人材紹介サービスがありますし、世間としても副業解禁の流れにより、各業界で有能な人材が機会を求めています。

このようなサービスや人材を十分に活用し、プロジェクトの推進とノウハウの習得を同時に行っていきましょう。

・企業内に新しいマインドセットを構築する

大手企業の多くは、もうすでにビジネスモデルができあがっているという場合があります。

だからこそ、そのプロジェクトを正確に実行し、責任をもって行うことが重視される傾向にあります。

新規ビジネスとしてD2Cブランドを立ち上げる際には、企画から手続き、準備、実践などに関わるさまざまなスキルや経験が必要になるのですが、大手企業の従業員の多くはそのための十分な知識や経験を持ち合わせていることが少なく、新規ビジネスとしての立ち上げに相応しい人材を見つけることも難しいということもあり、新規ビジネスを行いにくいということがあるでしょう。

そしてもちろん、企業内には新規ビジネスとしてD2Cブランドを立ち上げることに消極的なメンバーももちろんいらっしゃるでしょう。

ですが、全従業員が同じ方向を向いてビジネスを進めていかなければ、優秀な新規ビジネスが生まれることはありません。

そのため、企業のトップ、もしくはマネージャーなどが新規ビジネスを行うことの重要性や、その企業の未来に与える影響についてしっかり伝え、個々の従業員の中に新しいマインドセットを構築することが大切なのです。

まとめ

以上、大手企業が新たにD2Cブランドを立ち上げる際のポイントについてお話させていただきました。

新しいことに挑戦する際は、どのような場合でも多くの壁がありますし、すぐに結果が出るというわけではありません。

ですが今の時代に合ったビジネスを行い、会社を存続させるためには、時代に合った価値を提供し続けることが重要なのです。

そのための最善策はなんなのか、社内外で使うことができるリソースは何か、ということをしっかり考え、知識とノウハウが十分なリーダーを配置し、D2Cビジネスに挑戦してくださいね。