D2Cに求められる消費者の心を掴むブランド体験

現代の消費者は、商品の機能的な価値に関心がなくなっていると言われています。

これらの消費者が関心を持つのは、情緒的な価値であり、商品やブランドが与えてくれる体験を非常に重要と考えているのです。

そのため、多くのD2Cブランドもこの体験を提供することに注力しているのです。

そこで今回の記事では、D2Cに求められる消費者の心を掴むブランド体験について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ブランド体験とは何か?

ブランド体験とは、ブランドエクスペリエンスとも呼ばれる、ブランドの世界観をターゲットとなる消費者に感じてもらうことを指しています。

例えば、ブランドのストーリーを伝え、ブランドに関心を持ってもらう、実際に、商品を試してもらい価値を理解してもらうなどによって、ブランドの情緒的な価値を体感してもらうことです。

このブランド体験は、近年ブランドビジネスにおいて、最も重要な要素として捉えられるようになっています。

特に、D2Cビジネスにおいては、良質なブランド体験を提供することによって、ブランドのファンを生み出すことが強く求められているのです。

D2Cビジネスは、当初は、SNSや自社ECなどのデジタルを駆使して、このブランドの世界観を消費者に訴求していくのが一般的でした。

しかし、D2Cは、ここ数年の間に大きく成長し、市場は拡大化しています。

似たようなブランドが続々と誕生しており、ブランド間の競争が激しくなっているのです。

それらのブランドが、こぞってSNSを活用するわけですから、その中で、多くの消費者を惹きつけると言うのは、現在では非常に難しい事となっているのです。

そのため、多くのブランドが、デジタル以外の方法で、消費者にアプローチできる方法を模索しています。

そして、その中で、注目されているのが、オフラインでのアプローチであり、そこで消費者に良質なブランド体験を提供することなのです。

オフラインでの体験を重視するD2Cブランド

オフラインとは、言葉の通り、オンラインではない状態、つまり、インターネットに接続してない状態を指す言葉です。

マーケティングにおいては、そこから転じて、インターネットの環境を利用せずに行う手法全般を指します。

例えば、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ダイレクトメール、電話などもオフラインであり、さらには、実際に消費者を集めて行うイベントやセミナーなどもマーケティングにおけるオフラインとなります。

また、基本的に実店舗を持たないD2Cビジネスの場合、実店舗の出店や催事での物販などもオフラインとして考えられています。

このオフラインが、D2Cビジネスにおいて、高い注目を集めるようになったのは、先ほども述べたように、競争が激しくなったことも理由の一つですが、オフラインのメリットの大きさに多くのブランドが気付いたことも大きな理由です。

現代はデジタル化が急速に進み、あらゆることがデジタルで完結できるようになってきています。

そのため、ビジネスにおいても、D2Cビジネスのような、デジタルで完結できるビジネスが求められるようになっているのです。

しかし、いくらデジタル化が進んでも、オンライン上で行うコミュニケーションは、直接顔を合わせて話をすることができる、オフラインでのコミュニケーションには適わない面があります。

これは、ブランドの世界観についても同様です。

自社ECやSNSでもブランドの世界観を体験してもらうことは可能ですが、実際に、店舗やイベントを訪れ、商品に触れたり、試したりと言った、実際にブランドを体験してもらうことには適わないのです。

そして、オンライン上でのアプローチが手詰まりとなったD2Cブランドが、このオフラインでの大きなメリットに気付き、続々と取り入れようとしているのです。

先ほども述べたように、オフラインでの大きなメリットは、実際にブランドを体験してもらえることです。

この実際のブランド体験は、これまでのデジタルでのブランド体験とは比べ物にならないほどの価値を消費者に提供することができます。

例えば、アメリカのコスメD2Cブランドは、実際に自社のコスメを試してもらうために、期間限定のポップアップストアを開催し、多くの消費者から支持を得ています。

このブランドのポップアップストアは、店舗全体にブランドの世界観を徹底しており、店舗に入っただけで世界観を体感することができるようになっています。

さらに、オンラインでは見るだけであったコスメを自由に試すことができ、スタッフから直接アドバイスを受けることもできるのです。

また、このようなイベントの場合、顧客ではない消費者も多く集めることができます。

オンラインでは、購入に踏み切れなかった消費者が、実際にブランドを体験することで、商品やブランドに高い関心を持つようになってくれるのです。

このようなブランド体験を提供することで、このブランドはさらに多くの支持を集めることに成功したのです。

まとめ

現代は、消費者の価値観が大きく変化し、商品の機能的な価値よりも、情緒的な価値を重要と考えるようになっています。

その消費者のニーズに応えるため、D2Cではデジタルを活用して、体験を提供してきました。

しかし、市場が成長し、D2Cブランドの数が急増したために、デジタルだけで消費者の関心を引くことが難しくなってしまったのです。

そして、求められるようになったのが、オフラインでのアプローチであり、実際にブランドを体験してもらうことなのです。

これにより、消費者は、より深いブランド体験をすることが可能となり、それがさらに消費者を引き付ける事となるのです。