D2Cブランド「Care/of」から学ぶ、より良いパーソナライズ体験を提供する4つのポイント

2000年代後半頃より徐々に注目を集めている「D2C」というビジネスモデル。

D2Cは、インターネットやスマートフォンの普及により、国内外で需要が増していビジネスモデルです。

D2Cは、Direct to Consumerの略称であり、企業やブランドが自社内で商品の企画と製造を行い、その商品を直接消費者に販売する仕組みです。

このような直販型のビジネスモデルは、IT企業などにおいては既に一般的になっていたのですが、D2Cに関しては生活用品やアパレル商材、化粧品などの実体のある商品を取り扱っていることが特徴でしょう。

年々、D2Cビジネスを展開する企業が多くなっているのですが、中でも特に注目を集めているものが、パーソナライズD2Cです。

顧客ひとりひとりにとって、最適な商品を提供するパーソナライズD2Cは、今消費者ニーズが高まっていますので、パーソナライズD2Cの展開を検討されている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、パーソナライズ型サプリメントを提供している海外ブランド「Care/of」から学ぶ、より良いパーソナライズ体験を提供する4つのポイントについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後パーソナライズD2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ポイント1:モノ作りとブランドイメージ

Care/ofは、パーソナライズでサプリメントを提供しているブランドです。

日本国内においても、パーソナライズでサプリメントを提供しているD2Cブランドと言えば「FUJIMI」がありますが、Care/ofのような海外D2Cブランドは、社会課題や背景、創業者ストーリーと言った、感情的で情緒的な要素を使い、商品自体のイメージだけでなく、ブランドイメージを作る場合が多いのです。

パーソナライズとは言っても、顧客ひとりひとりに最適化したサービスを提供するだけでは、ファンを増やすことはできません。

モノを含めた良質な体験があってこそ、パーソナライズD2Cビジネスは成り立つのです

そして日本では、「モノ自体」「モノ作り」に注力した創り方が強いので、今後の成長に大きな期待が寄せられているのです。

ポイント2:顧客が楽しみながら進めることができるアンケート

一般的なWebアンケートのイメージは、堅苦しいものが多いのですが、Care/ofでのアンケートはクイズ形式になっており、ゲーム感覚で楽しみながら進めることができるのです。

多くの質問を用意することで、より詳細な顧客データを得ることができるのですが、どうしても設問が多くなってくると、離脱する人の数も多くなってしまいます。

だからこそ、このアンケートを工夫することで、顧客が楽しみながらアンケートを得ることができるようになるでしょう。

ポイント3:顧客の名前を印刷する

Care/ofでは、パッケージに顧客の名前を印刷しています。

パーソナライズ(personalize)は本来「モノに名前を付ける」という意味がありますので、これこそまさにパーソナライズサービスと言えるでしょう。

「顧客の名前を印刷する」ということに対しては、それだけを見ると一見なんともないようにも思えますが、おそらく相当のコストがかかっていますし、製造コストも工夫されていることでしょう。

画一的なプロダクトに関しては、それほどコストがかかりませんし、かつ作りやすいと言えますが、パーソナライズサービスは画一性とは正反対の志向です。

オンラインのみで行う場合には、数が増えたとしてもそれほど原価は変わりませんが、オフラインでのパーソナライズサービスは数が増えれば増えるほど原価も高くなってしまうという課題があるでしょう。

顧客満足度の向上か、コストか、それぞれの企業によって重視する方は異なりますが、Care/ofの場合は名前を印刷することで、顧客満足度を向上させる方を選択しました。

これはパーソナライズD2Cビジネスの先行事例として、非常に参考になることでしょう。

ポイント4:ユーザーのリテンション続ける

Care/ofでは、クイズ形式のアンケートによって顧客情報を収集し、そしてその情報を元にパーソナライズをしていきます。

ですが、このアンケート自体はあくまでも入口でありますので、それだけでは顧客に対し、継続利用を促すことはできません。

そこでCare/ofは、独自アプリを開発し、顧客に対して継続利用を促しています。

Care/ofのアプリでは、
サプリメントのオーダー、飲む習慣を忘れないようにリマインダーのセット、
サプリメントを飲んだ記録、届くサプリメントの種類変更、定期購入時期の変更などを行うことができます。

これらを提案することで、顧客がサプリメントを習慣化することができるのです。

特に「パーソナライズ」と謳ってしまうことで、顧客は本当に自分を見てくれているのか、ということに対して敏感になりますので、ユーザーのリテンションを続けることができるか、ということが重要になります。

まとめ

以上、D2Cブランド「Care/of」から学ぶ、パーソナライズ体験を向上させる4つのポイントについてお話させていただきました。

Care/ofを紐解いていくと、D2Cならではのマーケティングフレームワークをしっかり活かすことが重要で、一筋縄ではいかない領域であることがわかります。

パーソナライズD2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひCare/ofの事例も参考にしてみてはいかがでしょうか。