近年、D2Cというビジネスモデルを耳にする機会が多くなったことでしょう。
D2Cとは、商品を直接消費者に届けるビジネスモデルであり、商品の企画や製造、商品を販売するアプリ、Webサイトの運営までのすべてを自社内で行います。
D2Cビジネスは、商品だけでなく、商品を販売するために用いるWebコンテンツなどの全てを自社内で用意し、消費者に対してアプローチを行っていきます。
そしてSNSの活用も、商品だけでなく自社ブランドそのもののファンを獲得するためには非常に有効な手法でしょう。
インフルエンサーから発信された情報を、消費者が知り、それをきっかけにアプリやECサイトにて商品を購入します。
消費者に直接情報が届けられますので、自社ブランドの立ち上げ、マーケティング、商品購入、商品購入後のアフターフォローもデジタルで完結していることが特徴です。
D2Cビジネスを行う上で、PLGの成長戦略が今注目を集めていますね。
そこで今回は、D2CビジネスでPLGを実行する時のポイントについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。
今後D2Cビジネスを行おうと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
PLGを実践するには、まずは試して利用し始めてもらわなければなりません。
PLGを使うことに対しての摩擦やハードルを、出来る限り無くすことが重要です。
「社内稟議を通さなければならない」「無料期間が過ぎると自動的に有料になってしまう」「操作が難しい」「一度担当者の話を聞かなければならない」などの手間は、出来るだけ避けるべきでしょう。
より多く利用してもらわなければ、有料プランへ切り替える機会損失だけでなく、顧客データを十分に収集できませんので、商品の改善にも繋がりません。
使用頻度が多い商品であればあるほど、改善を繰り返すことができ、より良い商品を作ることができ、有料プランに切り替える顧客が多くなるのです。
導入のハードルを下げるため、無料でのお試し期間は必須ではありますが、その無料お試し期間を経て、有料顧客になってもらわなければ、売上として成り立ちません。
また、その有料のプランをあまりに高額に設定し過ぎてしまえば、結局顧客の手間を増やしてしまいます。
だからこそ、顧客にとって使いやすい細かなプランを設定し、自然な流れで有料顧客を獲得する、という価格戦略が重要なのです。
何かがきっかけで爆発的に広がることをバイラル性と言い、商品主導によってこの性質を創り出す、ということが重要です。
たとえば、顧客が顧客を呼ぶという構造を作ると、成長曲線は直線ではなく、曲線を描く形になるでしょう。
商品が商品を売るということは、商品の利用者が他の人をどんどん巻き込み、利用者を増やしていく、ということですので、バイラル性を商品内に組み込み、営業とマーケティングとしての機能を持たせることを意識していきましょう。
PLGをより確実に成功させるためには、カスタマーサクセスを意識して、まずはオペレーターによるサポートを強化しましょう。
事前に決められていたイベントが発生する際に、オペレーターに通知する仕掛けを用意することで、タイミングを逃すことなく、最適な対応を行うことができるので、顧客のストレスを軽減させ、より多くの顧客データを収集することができるでしょう。
また、PLGでは、より顧客ニーズに寄り添うために、パーソナライズな提案も重視します。
たとえば、特定の機能を多く使っている顧客の場合であれば、その機能をさらに拡張させるオプションを勧めるとより有効であり、その逆として同じ機能ばかりを使っている顧客に対しては、それ以外の機能をリコメンドするようなことも必要なのかもしれません。
顧客それぞれによって、利用状況は傾向は異なりますので、そのデータを取り続けることができる仕組みと、その仕組みに応じた提案を行うことができる仕組みを作り、それに伴った商品を作ることができていれば、より顧客が求めるものに進化し、さらにPLGが機能する商品にすることができるでしょう。
以上、D2CビジネスでPLGを実行する時のポイントについて、詳しくお話させて頂きました。
PLGを成功させるためには、顧客ニーズをしっかり理解し、より使いやすいような商品を作り上げ、そして改善を続けることが非常に重要です。
またさらに、商品を作り込むだけでなく、より速く顧客が感じるストレスを解消するための体制を整えることも重要です。
PLGを実現するためのハードルは高いかもしれませんが、PLG戦略は今の日本にとっても非常に有効な手段ですので、商品の適正をしっかり捉え、自社D2Cビジネスに活かしてみてくださいね。