D2C飲食店「筋肉食堂」から学ぶ、飲食D2Cビジネスの成功法

「こんな商品があれば良いのにな」というアイデアから自身でブランドを立ち上げて商品を販売する企業家が、どんどん多くなっています。

このように、自社自ら商品を企画し、製造、そして販売までを一貫して行うビジネスモデルは、D2Cビジネスモデルと呼ばれており、今小規模事業主から大手メーカまで注目を集めているのです。

D2Cビジネスの特徴は、化粧品や美容品といったように、実体のあるものを取り扱っているということなのですが、D2Cビジネスの利点が多いため、さまざまな業種がD2C市場への参入が始まっています。

中でも特に注目されている業種が、飲食業界でしょう。

特に今、コロナウイルス感染の影響により、外出の自粛が求められている中窮地に陥っている飲食店は多数あることでしょう。

実店舗での営業が厳しくなっている中、D2Cビジネスを活用し、ECサイトに注力しているD2C飲食店があることをご存知でしょうか。

そこで今回は、D2C飲食店「筋肉食堂」から学ぶ、D2Cビジネスの成功法について、詳しくご説明させ頂きたいと思います。

今後飲食D2Cビジネスに挑戦したいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「筋肉食堂」とは

筋肉食堂とは、TANPA株式会社が運営している、高品質で低カロリーな食事を提供するレストランです。

筋肉食堂も実店舗を営業していたのですが、コロナ禍により実店舗の営業が厳しくなってしまい、来店数が激減したと同時にECサイトを立ち上げたのです。

テスト販売がスタートすると、ほんの一ヶ月の間に数千食が売れ、大きな話題になったのです。

なぜ筋肉食堂は、コロナ禍という飲食業界にとって危機的状況をスピーディに逆転させ、成功させることができたのか、それこそD2Cが鍵を握っているのです

そもそも、筋肉食堂は、身体を変えることを目的とするのであれば、トレーニング以上に食事管理が重要だと考えています。

ですが、実際に指導しながら食事の意識を変えるということは非常に難しく、世間でも高たんぱくで低カロリーな食事を提供している飲食店が少ない現状がありました。

また、糖尿病や脳卒中、心臓病などの生活習慣病が非常に多く、多くの現代人の食事内容が問題視されています。

そこで筋肉食堂は、家庭では実現できない調理法によってメニューを作り、顧客の現状と目的に合わせた「価値」を提供するよう意識しているのです。

D2C×飲食店

そもそもコロナ禍において、実店舗への来店数が急激に落ち込み、当然売り上げも低迷してしまいました。

筋肉食堂の場合、自社内でお弁当製造工場を立ち上げていたので、周辺エリアや商業施設、法人企業へのお弁当販売を検討したのですが、それでもコストを補うことはできません。

そのための別の手法を考え、迅速に動かなければなら何状況において、店舗へ来られなくなった顧客の自宅にお弁当を届けるということを目的とし、ECサイトを立ち上げました。

「筋肉食堂」という世界観を構築することを第一に考え、ECプロジェクトに向き合い、商品そのものの品質改良に打ち込んだ結果、すぐさまECサイトをオープンさせることができたのです。

これにより、コロナ禍によって落ちた売り上げをリカバリーすることができ、さらに自社を利用している顧客はどのような人なのか、という情報を自社内で把握し得ることができたのです。

実店舗のみでは、なかなか個人情報などをデータ化にすることは難しいのですが、ECであれば把握することができ、そしてその集まったデータをもとに新たな施策を打ち出すこともできます。

また、Instagramを顧客とのコミュニケーションツールとして積極的に活用することで、集客の導線を作ることができました。

これも売り上げ向上には非常に良い影響を与えたのです。

Webサイトの管理もしやすく、顧客がスムーズに購入することができるよう促せますので、非常に良い流れを作ることができたと言えるでしょう。

お弁当そのものの感想、味付けや容器の意見などの声を聞き、これを素早く商品に反映させることも、顧客満足度に繋がっているのです。

D2Cブランドの世界観を守る

筋肉食堂は、今後さらにビジネスを拡大していき、顧客自身で商品到着日を指定したり、ニーズに応じたメニューやラインナップを豊富に展開したり、定期便の販売スキームを作るなどの計画があります。

飲食関係であっても、ECとしてD2Cビジネスを行うことで、そのブランドの可能性はかなり広がったと考えられるでしょう。

ですが、どのような計画であっても、

ブランドの世界観を一貫して守ること

「美味しい」という感動体験を提供すること

が重要です。

より多くの数を売ることよりも、どのようにすればビジネスを成長させることができるのか、本当に利益は上がっているのか、機会損失をしていないか、ということをしっかり考え、ブランドを傷つけないようにしなければなりません。

まとめ

以上、D2C飲食店「筋肉食堂」から学ぶ、飲食D2Cビジネスの成功法について、詳しくお話させていただきました。

ただプラットフォームに乗るというだけでなく、自社で直接商品を顧客に届ける、というD2Cビジネスの仕組みをしっかり活かすことで、コロナ禍においてダメージを受けている飲食店も十分に利益を取り戻すことができるのです。

飲食D2Cを検討されている方は、ぜひこの事例を参考にしてみてくださいね。