D2Cビジネスは、消費者に直接販売をするビジネスモデルでありますが、その販売チャネルはECサイトに限られています。
そのため、D2Cビジネスでは、商品の包装や梱包、発送に至るまで、十分に配慮する必要があるのです。
そして、その中でも重要となるのが、商品と一緒に発送される同梱物です。
この同梱物は、消費者が必ず目にするものであり、D2Cビジネスにとって重要な役割を持つものなのです。
そこで今回の記事では、D2Cビジネスにおける同梱物の役割について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
同梱物とは、ECサイトや通信販売で商品を購入した際に、商品と一緒に送られている商品のパンフレットやカタログ、広告チラシなどのことを指します。
また、納品書や伝票、領収書、お礼状といったものも同梱物の中に含まれます。
現在のECサイトや通信販売では、このような同梱物は、量は違えど、必ずと言ってよいほど商品と一緒に送られてきます。
昨今の、世界的な地球の環境問題への関心の高まりから、ごみや配送エネルギーを削減するためにこの同梱物を減らす取り組みも見られるようになっていますが、それでも商品のみを送ってくるケースは少なく、必ず何らかの同梱物が送られてくるのです。
D2Cブランドは、前述の地球の環境問題への関心が高く、その問題の解決のために何らかの取り組みを行っているブランドが多くあります。
その取り組みは、そのブランドによって様々ですが、共通しているのは、すぐにできることから取り組みを始めているということです。
そして、そのすぐにできることと言うのが、ごみや配送エネルギーの削減なのです。
そのため、ほとんどのD2Cブランドでは、過剰な梱包を避け、適切な包装、梱包を心がけており、同梱物も必要最低限のものだけを送るようにしています。
そもそも消費者は、商品に対して大きすぎる段ボール箱の使用や緩衝材の大量使用、多すぎる梱包物などに不快感を持っていました。
いくら、商品の破損を防ぐためとはいえ、それらのものは受け取った消費者が処分しなくてはならないのです。
過剰な梱包によって、不要なごみが大量に出るだけではなく、それらのごみを処分するためには、手間や時間もかかるのです。
このことに対し、多くの消費者が不満を感じていたのです。
そしてそれに加え、前述の通り、昨今では地球の環境問題に対して高い関心を持つ消費者が増え、企業もその流れに対応し、様々な取り組みを行っています。
この世界的な流れによって、過剰な梱包をするケースは減り、同梱物の量も減ってきているのです。
D2Cは、この流れの先頭を走るビジネスであり、どのビジネスよりも早く、この問題に取り組んでいるのです。
このような状況から、同梱物はできる限り減らすことが最善と考えられています。
しかし、同梱物にも重要な役割がありますので、全てをなくす必要はありません。
適切な量の同梱物であれば、消費者に負担をかけることもありませんし、ごみを最小限の量に収めることができるのです。
D2Cに限らず、ECサイトや通信販売において同梱物は消費者が直接目にし、触れる重要なものです。
メールは消費者にアプローチするために欠かせないツールではありますが、開封すらされないということも多く、読んでもらえる可能性は低くなっています。
その一方で、同梱物はメールとは異なり、必ず消費者の目に留まり、読んでもらえる可能性は高くなるのです。
さらに、購入した商品が届いた時というのは、ブランドに対し好意的な感情を持っていることが多く、アプローチがしやすく、効果が得やすい状況でもあるのです。
このように同梱物には大きな利点があり、重要な役割を持っているのです。
ただし、先ほども述べたように、多すぎる同梱物は消費者に不快感を与えます。
そのため、必須となるものだけを、選択することが必要となります。
そして、その必須となる同梱物というのが、納品書もしくは領収書、商品の証明書、商品の保証書といった商品購入の証明となる類の書類です。
ペーパーレス化に伴い、これらも電子化されるケースが増えていますが、どちらにしても商品の購入を証明することは必須となります。
また、商品の購入に対するお礼状も、消費者の心を掴むために必須となる同梱物です。
多くの商品がある中で、自社の商品を購入してくれたことに対して、消費者に直接お礼の言葉を伝えることは非常に重要な事となります。
さらに、商品の正しい使用方法や使用量など明記した説明書の同梱も必須となります。
商材にもよりますが、使用方法や使用量が間違っていると、商品の効果にも影響がありますし、クレームに繋がることも考えられます。
そのため、適切な使用方法や使用量を伝えることは必須となるのです。
これらは商品の発送の際に、必須となる同梱物です。
多すぎる同梱物は消費者に不快感を与えますが、必要なものが入っていない場合には、先ほども述べたように、クレームに繋がることもあるのです。
また、D2Cブランドでは、これらにプラスして、商品パンフレットを送ることも重要です。
商品パンフレットは、商品の説明だけでなく、ブランドの理念やストーリーなど、商品に対する思いを伝えることができる重要なツールです。
D2Cは、ブランドの世界観やストーリーなどを重要と考え、それらに共感してもらうことで、消費者を取り込んで行くビジネスです。
それらの訴求は、主に、SNSや自社ECを利用して行われますが、じっくりと読むことのできるパンフレットであれば、効果的に消費者に訴求することが可能となります。
ただし、ページ数の多い分厚いパンフレットや何度も同じパンフレットを送ることは、消費者の負担となるだけでなく、不快感を与える可能性がありますので注意が必要です。
従来の通信販売などでは、商品を購入すると分厚いカタログや大量の広告チラシなどが一緒に送られてくるのが一般的となっていましたが、現在では、ごみの削減のため、最低限の同梱物で済ませるケースが多くなっています。
しかし、同梱物というのは、ECサイトや通販のように消費者と直接接する機会のない販売チャネルにおいて、非常に重要な役割を持っています。
そのため、今回説明したように、最低限の同梱物の中で、効果的に消費者を取り込むことが重要となるのです。