D2Cビジネスに取り組むべき「セールスイネーブルメント」

今注目を集めているD2Cビジネスは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、生存者が消費者に対し、直接商品を販売するビジネスモデルのことを言います。

従来までのビジネスモデルであれば、仲介業者を介して消費者に商品を販売していたのですが、D2Cビジネスを導入することで、中間コストを削減することができ、顧客の詳細なパーソナルデータを手に入れることができますし、消費者と直接つながることができますので、コアなファンを獲得することができるでしょう。

このようなメリットから、今スタートアップ企業がD2Cブランドを立ち上げる事例が非常に多くなっているのですが、D2Cブランドを立ち上げ当初は営業活動に注力しなければなりません。

そして、営業活動において、継続的に成果を挙げていくことを目的とする場合、セールスイネーブルメントを用い、営業チームの強化と改善のために、総括的な取り組みを行っていかなければなりません。

そこで今回は、D2Cビジネスに取り組むべき「セールスイネーブルメント」について、詳しくお話させていただきたいと思います。

これからD2Cブランドを立ち上げようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

セールスイネーブルメント

セールスイネーブルメントを簡単に言うと、もっと売れるようになるための仕組み作りです。

営業を経験したことがある方であればより売上を向上させるために、「もっと情報があれば」「もっと自分のスキルがあれば」「こんなツールがあれば」と思ったことがあるのではないでしょうか。

セールスイネーブルメントはこのような営業担当者の思いを企業全体でバックアップするものなのです。

なぜセールスイネーブルメントが注目されるようになったのか、それはマーケティングオートメーションの進化にあるでしょう。

見込み顧客への継続的なフォローから、確度の高い見込み顧客を選別に、営業にパスをする、というマーケティングオートメーションの考え方や活動が広がりつつあり、それに併せてマーケティング部から提供されるリードは増加傾向にあります。

そしてその結果、マーケティング部からはどんどんリードが提供されているのに、営業部ではそれをうまく受注には繋げることができないという状況になってしまうのです。

そしてもう一つは、属人化でしょう。

営業スタッフの多くは、担当ごとにタスクを割り振りされていますので、実際に何を行っているのかは不明確なところがあるでしょう。

ですので、もし急な人事異動や退職があった場合には、成果を継続することができない事態にも陥ってしまいます。

このような課題を、セールスイネーブルメントは改善施策を目標達成までの状況や成果への貢献度などを考慮した上でトータル設計し、数値化する取り組みであるため、売上向上への筋道を論理的に導き、再現性のある成果に繋げることができるのです。

部門ごとのセールスイネーブルメント

・マーケティング

営業の売り上げを効率よく上げるためには、リードの質を向上させることが重要です。

リードの質を向上させるためには、流入チャネルごとにどのチャネルが受注に繋がりやすいのか、そして繋がりにくいのか、ということを分析し、その結果に対してリソースの配分を変更し、改善しなければなりません。

そして、顧客向けのコンテンツ運用と管理においては、営業担当者が即座に、今必要なコンテンツを取り出すことが出来る環境が必要ですので、営業記録や顧客情報、リード情報などをトータルで管理と整理をし、それらの情報を基に適切なコンテンツを作成し続けなければなりません。

・採用と教育

企業として営業成績を向上させるための方法の一つは、企業のトップセールスと同等の人材を増やすことでしょう。

そのためには、まずトップセールスの分析を行い、自社の営業のために必要なスキルやノウハウを定義しましょう。

分析結果をできるだけ数値化することが重要ですので、日頃の取り組みを計測するためのCRMやSFAツールをしっかり活用することが大切です。

目標とすべき像が出来上がれば、それを基に研修と実施を行い、その成果を定量化し、分析することを繰り返すことで、高品質な営業チームを作ることができます。

また、採用段階で自社のセールス像に基づいて採用活動を行うことで、即戦力のある人材を獲得することにも繋がるでしょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスに取り組むべき「セールスイネーブルメント」についてお話させていただきました。

今、セールスイネーブルメントはアメリカの法人営業でも数多く取り組まれており、日本のビジネスにおいてもセールスイネーブルメントの流れは確実にきています。

企業の利益向上に直結するものは営業力であるからこそ、営業力を最大化するために、セールスイネーブルメントの取り組みを実行し、D2Cビジネスでの営業の最大効率化を目指しましょう。