D2Cビジネスで発送業務を外注化するメリットとデメリット

顧客と直接取り引きを行う、新しいビジネスモデルとして、今「D2C」が注目を集めています。

D2Cは、顧客とコミュニケーションを取り合い、商品の企画や製造、販売までを一貫して行うことが特徴であり、2010年頃からアメリカを中心として始められています。

特にアパレルや化粧品などの業界で、独自の世界観を持つさまざまなD2Cブランドが誕生しており、今では日本でもSNSの普及率と顧客ニーズの多様化に伴い、D2Cビジネスをスタートするブランドも多くなってきました。

D2Cビジネスをはじめ、ECの受注数が伸びていく中で、今まで自社内で商品を梱包し、発送していても、人員リソースが逼迫してしまった場合、物流の外注化を検討することがあるでしょう。

そこで今回は、D2Cビジネスで発送業務を外注化するメリットとデメリットについてお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスでの発送業務外注化を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cビジネスでの発送業務

今日本でECビジネスを行っている企業の約60%は、一般的に配送サービスの品質が高いと言われている「ヤマト運輸」を利用しており、約40%は「佐川急便」、そして約30%が「日本郵便」を利用しています。

合計で100%を超えているのは、複数の配送会社を利用しているブランドが多いからであり、全体的にはおよそ2社を使い分けている店舗が多いのです。

なぜ複数の配送会社を利用しているのか、それは商品のサイズや配送先に理由があります。

どれくらいの梱包サイズになるのか、配送先はどこなのか、ということによって配送料金が大きく異なりますので、複数の配送会社を使い分けることで、コストダウンをはかることができるのです。

また、購入者によっては、特定の配送会社やドライバーを気に入っている場合もありますので、複数の配送会社を選択することができる状態にすると、顧客満足度向上にも繋がります。

発送業務を外部委託する事例が年々増しており、企業によっては外部委託をしたほうが効率良く業務を行うことが出来る場合もあるのです。

発送業務外注化のメリット

発送業務を外注化することによって得られるメリットは、発送作業の効率化発送品質の向上作業工数の削減在庫場所の確保でしょう。

また、社内で出荷量の増減での人材不足や過剰を心配する必要がありませんので、出荷作業が増加するタイミングであっても、それ以外の業務に注力することができます。

また、物流に関わる人員が内製であった場合、もしくは自社内で倉庫を管理する場合は、物流コストは人件費や家賃という形になりますので、簡単に増減できない固定費になるのですが、外注化することで、ある程度売り上げに比例する変動費化が可能になり、効率的な経営を行いやすい環境になります。

もちろん、外注化しても月額固定という項目はあるのですが、全体を占める割合はかなり少ないでしょう。

そして、自社から送るよりも発送運賃が安価であることもメリットの一つです。

自社からの発送であっても安価の発送運賃であるという状況が作れていないブランドは、外注化することで大きくコストを下げることができます。

それだけでなく、物流の外注化は、委託する倉庫によっては土日祝日や長期連休期間であっても出荷対応がされている場合がありますので、このような倉庫を選定すると、より早く顧客のもとに届けることができ、顧客満足度の向上、そして他社との差別化を図ることもできるでしょう。

発送業務外注化のデメリット

発送業務を外注化することで生まれる最大のデメリットは、商品が手元にないからこそ、商品撮影や商品選定、問い合わせ対応に影響があることでしょう。

また、チラシやノベルティなどの同梱物によって、販売向上を行ったり、で顧客に対する柔軟な対応をし辛いこともデメリットです。

全ての商品に同梱するのであれば、対応してもらえる可能性は高いのですが、一定の条件下のみの場合は外注先の倉庫によって、対応できない場合があるのです。

同梱物に対してはどのような対応がされるのか、ということを事前に確認しなければなりません。

そして、商品の検品の際、B品を判別するとなっても、どうしても人が介在しますので、検品品質にばらつきが生じてしまい、B品を顧客のもとへ発送してしまいクレームになってしまう場合もあるのです。

倉庫側で検品作業を行えない場合もあり、倉庫によっては提示される検品単価も異なりますので、検品基準を含めたオペレーションはどのように行うのか、ということを確認しましょう。

また、配送業界の急速な成長に伴い、業界構造的な人員不足により、どうしてもコストが上昇してしまうのですが、そもそも倉庫スイッチングコストが高いので、一度契約すると、乗換えるのが難しいことがありますので、同業他社の評判もしっかり調査し、検討していくと良いでしょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスで発送業務を外注化するメリットとデメリットについてお話させていただきました。

今D2C市場が拡大する中で、発送業務を外注化し、より効率良くビジネスを進めたいと思われている方も多いかと思いますが、ブランドによっては外注すべきであるか、ないかは異なりますので、自社にとって外注化はメリットとデメリットどちらの方が大きいのかということをしっかり考え、適切な選択をしてくださいね。