D2Cビジネスは、これまでのよりもブランド立ち上げのハードルを低くしたと言われています。
そのため、従来では立ち上げが困難であったケースでも、D2Cブランドを立ち上げることが可能となり、日々多くのD2Cブランドが誕生しているのです。
しかし、ブランドが増えれば、競争が激化するのは必然です。
現在のD2C市場では、顧客を獲得する以前に、顧客に見つけてもらう事すら難しい状況となっているのです。
この中で、生き残っていくためには、これまでよりもさらにブランドの世界観が重要となるのです。
そこで今回の記事では、現在のD2Cにおける世界観の重要性について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
D2C市場は、ここ数年の間に急速に成長し、市場には多くのD2Cブランドが誕生しています。
しかし、競合が増えれば、競争が激しくなるのが当然であり、ほとんどのD2Cブランドが多くの競合の中に埋もれてしまっています。
このような状況の中で、存在感を示すためには、他のブランドとは一線を画す独自の世界観が重要となります。
この世界観は、D2Cビジネスが誕生した創成期のころから、重要と言われてきました。
しかし、D2Cビジネスが急激に成長するにつれ、世界観を重視するはずのD2Cの本質がないがしろにされているケースが増えていったのです。
D2Cビジネスは、これまでよりもブランドの立ち上げが容易となったために、手軽に始められると捉えられており、そのために安易にブランドを立ち上げるケースが増加したと考えられます。
しかし、立ち上げは従来よりも手軽になったかもしれませんが、事業として成立させるのは、それほど簡単なことではありません。
これは、D2Cビジネスに限らず、一般的なECにも言えることですが、事前に事業計画を立てず、単なる販売のチャネルの一つとしてECサイトを立ち上げても、数多くのECの中に埋もれてしまうだけなのです。
D2Cビジネスに必要となるのは、一般的なECサイトと同様に事前に事業計画を立て、どのような戦略をとるかを考えることです。
そして、その戦略の中で重要となるのが、ブランドの世界観を確立するということです。
市場には、既に数え切れないほどのブランドが存在し、ECサイトも乱立しています。
そこへ、何の武器も持たずに戦いを挑んでも、すぐに撤退することになるだけなのです。
戦うためには、武器が必要であり、D2Cにとってはその武器となるのが世界観なのです。
世界観と言う言葉には、様々なとらえ方がありますが、この場合の世界観とは、消費者の心を掴む独自性、ユニークさを表しています。
D2Cビジネスは、商品そのものやその機能性を訴求するのではなく、その商品を使用することで得られる体験や世界観に価値があると考えるビジネスです。
これを強く意識して商品を開発することにより、従来の企業やメーカーが一方的に商品を提案すると言う流れが、本当に消費者が求めている商品を共に作り出していくと言う流れに変わってきているのです。
そして、D2Cブランドが、この本当に消費者が求めている商品を作り出すことができれば、それが結果として競合との差別化に繋がるのです。
これが、D2Cブランドの基本的な考え方であり、本質なのです。
実際に、独自の世界観を貫いているD2Cブランドは、消費者の中から圧倒的なブランドのファンを生み出しています。
このファンとなった消費者は、ブランドに対し、強い愛着を持ち、それが購入率やリピート率を向上させてくれます。
そして、このファンはさらに、SNSなどを通じてブランドの魅力や世界観を伝え、ファンを拡げてくれるのです。
しかし、ブランドの世界観と言うのは、一朝一夕で確立できるものではありません。
SNSなどのデジタルを駆使して、地道にブランドの世界観を訴求し、ファンを作り出していくことが重要なのです。
そして、このブランドの世界観の訴求は、事業全体で一貫して行わなければなりません。
ブランドの世界観や価値と言うのは、過度な広告宣伝やPR活動、セールやバーゲンなどの実施によって、簡単に棄損されてしまうものなのです。
D2Cブランドに限らず、世界観を確立しているブランドは、安易に価格を下げたりすることはありませんし、やたらと広告を打つこともありません。
そのようなことをすれば反対にブランドのイメージを下げてしまうことにも成り兼ねませんし、それによって固定ファンが離れてしまうこともあるのです。
ブランドの世界観と言うのは、何があってもそれを貫くことが大切であり、それがブランドの価値を高めてくれるのです。
D2Cに限らず、ブランドには、独自のイメージや世界観の訴求が欠かせない要素となります。
特に、D2Cブランドは全く認知されていない状態からブランドを作り上げ、市場の多くのブランドの中で存在感を示さなくてはなりません。
そのためには、世界観を確立することが重要であり、これができないD2Cブランドが成功できるはずがないのです。