D2Cは、その特徴から、世界観やストーリーを強く訴求し、顧客を取り込んでいくことを重要視しています。
しかし、D2C市場が急速に成長し、ブランドが激増している現在では、この世界観やストーリーを打ち出していないブランドも増えているのです。
これは、その重要性を理解していないと言うケースもありますが、多くは、作り出したくても、作り出すことができないと言う問題を抱えているのです。
そこで今回の記事では、D2Cの抱える問題について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
D2Cは、これまでの小売りのように、中間業者を介することなく、商品の企画段階から販売に至るまで、すべての工程を自社で内製するビジネスモデルです。
基本的には、マーケティングにはSNSを活用し、自社ECで消費者に直接販売を行います。中間業者を介さず、実店舗を持つ必要がないことから、コストを大幅に削減できるため、これまでよりもブランドが立ち上げやすいと言われています。
しかし、全く知名度のない状態からスタートするため、消費者に認知されるまでに時間がかかります。
このD2Cは、2000年代後半からアメリカを中心として、主にスタートアップ企業がブランドを展開するビジネスモデルとして普及してきました。
現在では、日本国内にも多くのD2Cブランドが誕生しています。
このD2Cが、これほど広く普及した背景には、SNSの利用が日常的となり、効率よく顧客を獲得できるようになったこと、商品を製造するツールや小口に対応する製造業が増えてきたことなどが挙げられます。
そして、最大の特徴は、消費者に直接アプローチすることが可能になったという点です。
このようなビジネスでは、顧客と関係を築いていくことが必要であり、そのため、D2Cでは顧客を起点としてビジネスを展開します。
さらに、ブランドの価値を高めるため、ブランドの世界観やストーリーを重要視し、それを徹底的に追求することにより、顧客を取り込んでいくのです。
D2Cビジネスには、上記のような特徴があり、実際に、多くのD2Cブランドがこれらの特徴を活かすことにより、ビジネスを拡大しています。
しかし、D2Cブランドがこれだけ増えれば、苦戦するブランドや、撤退するブランドが増えるのは必然です。
そして、それらのブランドの問題と言うのが、ブランドの世界観やストーリーを作り出せていないことにあるのです。
先ほども述べたように、D2Cはブランドの世界観やストーリーを最も重要と考えるビジネスです。
しかし、多くのD2Cブランドがこの重要な要素を生み出せずにいるのです。
これは、D2Cビジネス全体が抱える問題であり、これからの課題でもあるのです。
このブランドの世界観とは、ブランドの価値を高め、効果を大きくするために欠かせないものです。
現在のように、数えきれないほどのブランドが存在する中では、独自の世界観を追求し、他のブランドとの差別化を図ることが必須とも言えます。
そして、この世界観は、頻繁に変えるものではありません。
世界観を打ちだしたら、それを統一することが重要となるのです。
現在市場に在るブランドの中には、既に世界観を確立し、多くのファンを生み出しているブランドがいくつも存在しています。
ブランドの世界観が生み出せない場合には、それらのブランドを参考にすることも必要ですし、第三者の客観的な意見やターゲットのリサーチも大切になります。
しかし、多くのD2Cブランドが、これらを実行したうえでも、独自の世界観を生み出せていないと感じているのです。
これらのブランドは、自社内での顧客分析、他社に依頼しての顧客分析、自社内でのワークショップの実施、他社に依頼してのワークショップの実施などを実際に行っています。
その上で、世界観を作り出すことができず、その理由として、顧客分析を活用できていないこと、社内での見解や解釈が一致しないことを挙げています。
また、スタートアップ企業が多いことから、社内に経験のある人材がいないことも問題としています。
さらに、中には、既に立ち上げたブランドであるにもかかわらず、世界観の作り方が分からない、何をすれば良いのか分からないと言う段階で止まっているブランドもあるのです。
そして、ブランドの世界観を作り出すことができていないブランドは、同様にストーリーも上手く打ち出せていないのです。
ブランドのストーリーとは、そのブランドがどのようにして生み出されたか、商品がどのように作られているか、と言った、ブランドや商品が出来上がるまでの過程のことです。
これを消費者に向けて詳細に語ることにより、ブランドや商品に共感してもらい、ファンとなってもらうのです。このブランドのストーリーは、D2Cに限らず、多くのビジネスが取り入れ始めています。
しかし、多くのD2Cブランドが、世界観だけでなく、このストーリーも打ち出すことができずにいるのです。
この2つの要素は、D2Cビジネスには欠かせないと言っても良いほど重要なものです。
これが創り出せていないのであれば、ただ商品を作って販売している一般的なECと変わりがないのです。
これは、D2Cビジネスにとって大きな問題であり、早急に改善していかなければならない課題でもあるのです。
顧客とのコミュニケーションを大切にし、ブランドのファンを作ることを重要と考えるD2Cブランドにとって、世界観やストーリーは欠かせない要素となります。
実際に、多くのD2Cブランドが、独自の世界観やストーリーを打ち出すことにより、ファンを生み出しているのです。
しかし、D2Cブランドが急増している現在では、この世界観やストーリーを作り出すことができずにいるブランドも存在しているのです。
そしてこれは、D2Cビジネスにとって、これから解決しなければならない重要な課題となっているのです。