2022年8月22日
成功したD2Cブランドに見る世界観構築のポイント
D2Cビジネスには、従来のビジネスと異なる特徴がありますが、その中でも、最も重要な特徴がブランドの世界観を重要視するという点です。
これは、以前より言われ続けていることですが、現在の市場では、これができていないD2Cブランドが増えています。
しかし、そのようなビジネスでは、従来のビジネスと変わりがなく、D2Cビジネスとして成功することはできません。
D2Cビジネスを成功させるためには、まず、世界観の構築が重要であり、そのためには、既に成功しているD2Cブランドを参考にすることも必要となるのです。
そこで今回の記事では、成功したD2Cブランドに見る世界観構築のポイントについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
D2Cビジネスに求められる世界観
D2Cビジネスは、商品を企画する段階から販売に至るまでのすべての工程を自社で内製し、消費者に直接販売する仕組みのビジネスモデルです。
しかし、これはあくまでもこのビジネスモデルの仕組みにすぎません。
このビジネスモデルの最も特徴的であるのは、ブランドの世界観の構築を最重要事項と考える点です。
従来では、まず商品が重要視される傾向がありましたが、このビジネスでは、商品よりも、まず、ブランドの世界観を作り出し、それを消費者に伝えていくことを重要と考えるのです。
これは、D2Cビジネスが、日本に普及した創成期のころから言われ続けている事です。
そして、実際に、世界観を構築することができたブランドは、消費者からの支持を得ることに成功しています。
しかし、D2C市場は、コロナ禍においてのECの需要拡大の影響を受け、急激に市場を拡げています。
市場には、現在も続々と新たなD2Cブランドが誕生しており、ブランドの間の競争も激しくなっているのです。
そして、そのような急激な成長の中で、この世界観の構築と言う、D2Cビジネスにとって要とも言うべき重要な要素が蔑ろにされてしまっているのです。
現在のD2C市場では、激しい競争の中で生き残るために、あらゆる施策が行われています。
それは、例えば過剰な広告や宣伝であったり、商品の値下げと言った、従来の小売ビジネスでは一般的であった施策です。
しかし、これは、世界観を重要と考えるD2Cビジネスにおいては、ご法度とも言える行為です。
例え、このような施策によって、売り上げを上げることができたとしても、それは一時的なものにすぎませんし、これでは、従来の小売ビジネスと何ら変わりなく、単に、利益だけを追求したビジネスになっているのです。
そもそも、D2Cビジネスは、従来の小売ビジネスでは消費者の支持を得られなくなったために、誕生したビジネスです。
それにもかかわらず、多くのD2Cブランドが、D2Cと言う名だけを冠した、従来と変わらないビジネスを行っています。
これは、D2C市場全体にとって大きな問題であり、何よりも、そのような方法ではD2Cビジネスで成功することはできないのです。
D2Cビジネスにおける世界観構築のポイント
D2Cビジネスで成功するためには、以前から言われているように、何よりもまずブランドの世界観を構築する必要があります。
実際に、成功しているD2Cブランドは、独自の世界感を構築することにより、多くの顧客の心を掴んでいるのです。
特に、D2Cが誕生した国であるアメリカで成功しているD2Cブランドは、皆ブランド独自の世界観を作り出しています。
そして、D2Cビジネスで成功したいのであれば、これらの既に成功しているブランドを徹底的に分析し、参考にすべきなのです。
その中でも、特に注目するべきであるのが、ストーリーを重要視することです。
このストーリーとは、ブランド誕生のきっかけとなった経験や商品が生み出されるまでの過程、商品を使用することでどんな体験ができるのかと言った事です。
D2Cブランドは、そのほとんどが新しく立ち上げられたブランドであり、歴史はありません。
また、高級ブランドのように、有名なデザイナーがいるわけでもないため、このようなストーリーで、ブランドの独自性を確立していかなければならないのです。
例えば、マットレスブランドであるCasperと言うD2Cブランドは、マットレスと言う自社の目玉とも言える商品よりも、上質な睡眠体験を提供することを重要視しています。
睡眠の質を高めるためにはどうしたら良いか、睡眠の質を高めることでどんな効果があるのか、質の高い睡眠によって顧客の生活がどのように変化するかと言ったことをストーリーとして顧客に伝え、多くの顧客の共感を得ているのです。
まとめ
D2Cビジネスは、以前から言われているように、ブランドの世界観を構築することが最も重要とされるビジネスです。
しかし、現在の日本のD2Cでは、これができているブランドはそう多くありません。
そして、そのような世界観の構築できていないブランドは、D2Cブランドとして成功することは考えられないのです。
D2Cブランドとして成功するためには、今回説明したように、既に成功しているD2Cブランドを参考にし、まず、独自の世界観を構築することが何よりも大切なのです。
