買いたいものがない世代を動かすD2Cブランド

現在の消費の中心となっている若い世代は、これまでのようには消費に積極的ではないと言われています。

しかし、この世代が全く消費活動を行わないわけではありません。

この世代には独自の価値観があり、それに合ったものであれば、積極的に商品を購入することもあるのです。

つまり、現在の市場には、この世代の欲しいもの、買いたいものがないだけなのです。

そこで今回の記事では、買いたいものがない世代を動かす方法について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

買いたいモノがない若い世代

現代はモノが売れない時代と言われ、市場には、膨大な商品が溢れているにもかかわらず、消費者は積極的にそれらを購入しようとはしません。

これは、現在消費の中心となっている世代が、安易にモノを購入しなくなっていることが要因です。

それ以前の世代では、積極的にモノを購入し、所有することが豊かさの象徴であると考えられていました。

しかし、現代の若い世代は、モノを所有することが豊かさであるとは捉えておらず、モノを所有することを避ける傾向さえあるのです。

彼らは、例え臨時に収入があったとしても、それを積極的に消費活動に充てることはありません。

その理由は、この若い世代には、所有したいモノがない、つまり買いたいモノがないからなのです。

この消費者の意識の変化は、あらゆる場面で確認することができます。

例えば、とある消費意識調査では、年末年始に購入、消費する予定の商品やサービスは何かと言う問いかけを行ったところ、1番多かった答えが日常生活に必要な食品であり、2番目に多かったのがお取り寄せなどの特別な食品、3番目に多かったのが外食と言う結果がでました。

これから分かるのは、年末年始と言う特別なイベントであるにもかかわらず、消費者の多くは飲食にしかお金を使わないということです。

このような問いかけに対し、従来では、1番目の普段から行っているような内容の消費のことを答えるケースはほとんどありませんでした。

しかし、現代の消費者は、特別なイベントだからと言う理由で、モノを購入するようなことはなく、普段と同じような消費活動しか行わないのです。

若い世代が求めるのは情緒的な価値

このような意識を持つ世代に対し、これまでと同じようにモノを提供し続けても、モノが売れるわけはありません。

この世代を動かすには、そのモノがその世代にとって価値があることを示さなくてはならないのです。

この価値とは、高級ブランドなどのような金銭的な価値が高いということではありません。

金銭的に価値のある商品や機能的に価値のある商品は、現在の日本では既に市場にあふれています。

そして、この世代は、それらのモノに価値があるとは考えていません。

彼らが求めるのは、その商品を購入することで自身の生活が楽しくなる自身の生活の質が上がると言ったような情緒的な面での価値なのです。

現代の消費者は、このように情緒的な面で価値があると考えれば、積極的にモノを購入してくれます。

そして、このような考えの消費者のニーズを満たすことができるのが、D2Cブランドなのです。

D2Cビジネスでは、これまでのように商品を売ることだけを目的とはしていません。

商品を企画する段階から、消費者とコミュニケーションをとり、消費者が本当に求めているモノを作り出し、それを販売した後も、その商品を通して消費者と繋がり続けることを重要と考えるのです。

例えば、家電商品の場合、これまではどれだけ機能が優れているかと言う機能面での価値ばかりがクローズアップされてきました。

しかし、日本の家電業界では、既に、次々と高機能な商品が開発されており、機能面だけでの差別化は困難となっています。

そこで、求められているのが、その商品を使用することで生活が楽しくなると言った情緒的な価値なのです。

例えば、家電の場合、これまでの商品では、機能面だけを重視しているため、インテリアの中で浮いてしまうことが多くありました。

それを、デザイン性の高い製品を購入することにより、インテリアとマッチさせ気持ちよく生活が送れることをアピールするのです。

日常の生活の中で、インテリアを目にすることは多く、家電製品がインテリアにそぐわずに気になってしまうと言う消費者は多いものです。

そして、その悩みが解消されるのであれば、その商品を購入する価値があると考えるのです。

まとめ

消費者の意識は、これまでとは大きく変化していると言われています。

そのため、これまでのようにモノを作りだしても、同じように売れることはなくなっているのです。

この時代にモノを買ってもらうためには、消費者の変化に対応することが必要です。

そして、その変化と言うのが、今回説明したように、情緒的な価値のあるモノを提供する事であり、それができるのがD2Cビジネスなのです。

D2Cビジネスは、そもそも消費者とコミュニケーションを取りながら、消費者の求めているモノを提供し、それを通して繋がりを強くしていくことを重視するビジネスです。

これは、現代の消費者のニーズに合致しており、そのため、消費者からの支持を得安くなるのです。