2000年後半頃より、D2Cというビジネスモデルが徐々に注目を集めています。
D2Cビジネスとは、インターネットとスマートフォンの普及に伴って、ECコマースが拡大したことで国内外で需要が伸びているビジネスモデルです。
ブランドやメーカーなどが自社内で商品の企画や製造を行い、消費者へ直接商品を販売する仕組みです。
もうすでにIT企業では、自社内で開発した商品をオンライン上で販売することは一般的であるのですが、D2Cビジネスは生活用品やアパレル用品、コスメ用品というように、実用性のあるものを取り扱っていることが特徴でしょう。
今特に注目されているD2Cブランドが、犬用のおもちゃやおやつなどを集め、顧客に提供する「BarkBox(バークボックス)」です。
一般的にペットショップで販売されているものよりも、少し贅沢に、そしてペットショップでは販売されていないような面白いおもちゃが届けられますので、愛犬家に非常に人気があるのです。
そこで今回は、ペットD2Cブランド「BarkBox」から学ぶ、ペットD2Cビジネスの成功法について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後ペットD2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Bark社が提供するD2CサービスBarkBoxは、魅力的な犬のおもちゃやおやつが詰め込まれたボックスです。
BarkBoxの価格は、月23ドルから35ドルで提供されており、2012年に設立されて以降、200万匹以上の犬と飼い主にボックスが郵送されているのです。
犬が飽きないような工夫が多くされており、たとえばボックスのパッケージひとつを見ても、毎月のテーマが設定されており、6月は恐竜をテーマに、12月にはホリデーをテーマにされており、天然素材でつくられたおやつ、2つのおもちゃ、噛むおもちゃなどが同梱されており、その月のテーマに合わせた特別なアイテムが用意されているのです。
おもちゃ自体もBarkBoxのデザイナーが制作し、独自で製造し、しっかり安全性を確認された上で顧客の元に届けられますので、顧客も安心して犬に与えることができます。
さらに、初回登録時に顧客が愛犬に関するいくつかの質問に答えだけで、それぞれの顧客の愛犬の食事やサイズに合わせてパケージがカスタマイズされています。
そして、BarkBoxで得た利益は、その一部を無料、もしくは獣医サービスを提供する団体に寄付しているので、これも顧客から支持され続ける理由のひとつになるでしょう。
Bark社会は、D2Cビジネスを行う上での最優先事項として、「犬をさらに幸せにする」ということを掲げています。
他のペットフードサービスとは大きく異なり、毎月違う固有のテーマにより、愛犬をさらに楽しませてあげる、ということに焦点を当てています。
顧客とブランドが近い距離にいるため、顧客からのフィードバックをすぐに商品に反映させることができますので、より魅力的な商品を製造し、人気がどんどん高まっているのです。
店舗ともしっかりパートナーシップを通すことで、物理的にもオンラインと店舗の両方で小売販売を行うことができるのです。
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BarkBoxは、常にまず第一に犬の気持ちをしっかり反映したクリエイティブなコンテンツを作り続けており、SNSで自社ブランドを売り込むというよりは、エンターテイメント性を重視したアプローチでどんどんファンを増やしているのです。
BarkBoxのマーケティング施策は、行動喚起が無いということが特徴でしょう。
顧客が次に何をするべきか、ということを伝えるよりも、顧客にどうすれば話題に上がるかというクリエイティブな方法に重点を置いているのです。
つまり、プロモーションなどのコピーを用いるのではなく、面白いコンテンツを作ってそれをシェアしてもらう、ということで成功を収めているのです。
BarkBoxのコンテンツ責任者によると、BarkBoxが世の中に出しているコンテンツ全体の約80%がBarkBoxと全く関係のないコンテンツであると言われており、この戦略こそ、顧客の購入に対する障壁を大きく下げ、理想的なターゲット市場を作り、エンターテイメントを使って強力なコミュニティを作ることに成功したのです。
また、SNS上でもBarkBoxは、「#BarkBoxDay」というハッシュタグを一貫して使用しており、多くのBarkBoxDayのみの使用にしたことで、さらに多くのエンゲージメントを得ることができたのです。
まとめ
以上、ペットD2Cブランド「BarkBox」から学ぶ、ペットD2Cビジネスの成功法について、詳しくお話させていただきました。
より顧客満足度の向上を追求し、ペットだけでなく飼い主までも、箱を開けたその瞬間の楽しさや喜び、興奮をペットと共有する機会を作ったことこそ、BarkBoxが成功したカギであると言えるでしょう。