今注目のビジネスモデルDNVBとは何か?D2Cとの違いは?

D2Cビジネスが、新たなビジネスモデルとして市場を席巻するようになり、しばらくたちますが、最近では、さらに新しいビジネスモデルが話題を集めています。

そのビジネスモデルと言うのが、DNVBモデルです。

このモデルは、D2Cの中の一つのモデルであり、D2Cが進化したモデルと言われているのです。

そこで今回の記事では、話題のビジネスモデルDNVBについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

DNVBモデルとは何か?

DNVBは、Digitally NativeVertical Brandの略称で、ミレニアル世代やX世代などのデジタルネイティブと呼ばれる世代をターゲットとし、その世代に向けて特化した商品やサービスを提供するブランドのことを指しています。

このモデルは、D2Cモデルの中の一つの形態であり、商品を売ることだけを目的とするのではなく、ブランドの世界観やストーリー、理念などを訴求してターゲットから共感を獲得し、商品を通して良質な体験を提供していく事を目的とします。

そのために、ターゲットとなるデジタルネイティブ世代が日常的に利用するSNSをマーケティングに活用し、それによって取り込んだターゲットにより、コンテンツを広く拡散させ、ブランドの認知度を上げ、その価値を高めていくのです。

この説明を聞くとDNVBモデルは、D2Cモデルと違いがないようにも思われますが、両者には決定的な違いがあるのです。

本来、D2Cモデルが求める理想はDNVBモデルであったはずですが、現在の国内のD2Cモデルの多くは、DNVBの概念とは異なるモデルとなっているのです。

D2Cモデルとの違い

D2Cとは、DirecttoCnsumerの略称で、商品の企画から販売までを自社で内製し、自社ECサイトにおいて消費者に直接商品を販売する仕組みのビジネスモデルです。

基本的には、DNVBと同様に、デジタルネイティブ世代をターゲットとし、SNSを活用して、ブランドの世界観やストーリーを訴求してファンを獲得していきます。

しかし、日本におけるD2Cは、商品を売ることを目的として、商品の認知度を上げていくマーケティングが主流となっています。

DNVBでは、主にSNSは消費者とのコミュニケーションをとるために利用されますが、現在の日本のD2Cでは、SNSを広告宣伝のために利用しているケースが多いのです。

さらに、従来のような、大多数の消費者に向けて画一的な広告を発信するマーケティングを行うD2Cブランドも多くあります。

このような形であっても、ターゲットの支持を得ているブランドもありますが、DNVBモデルのように熱狂的なファンを得るところまでは至っていません。

もちろん、中には、DNVBモデルを実現しているブランドもありますが、その数はそれほど多くないのです。

先ほども述べたように、D2Cの概念は、本来は、DNVBと同じであったはずなのです。

しかし、D2Cが高い注目を集め、市場が急速に成長していくに伴い、本来の概念は押しやられ、デジタルを活用した単なる直販モデルになってしまったのです。

そこで誕生したのが、DNVBモデルであり、いわばこのモデルは、D2Cの進化した形態と言えるのです。

現在のD2C市場は、似たようなブランドが乱立し、顧客の獲得が難しい状況となっています。

その中で、存在感を示し、消費者の支持を得るためには、このDNVBモデルの実現が必須となり、強く求められるようになったのです。

今の時代では、商品自体を強く訴求しても、消費者の関心を引くことができなくなっています。

現代では、似たような商品は市場にあふれるように存在しており、一つの商品にこだわらなくても、代わりとなる商品をいくらでも手に入れることができるのです。

多くの消費者はこの状況に疲弊し、モノに執着することが無くなり、モノが売れなくなってしまたのです。

それらの消費者が、代わりに求めるようになったのが、モノを通して得られる体験です。

そこのブランドの商品そのものではなく、そこでしか得られない体験、商品を通して得られる体験に価値を見出すようになっているのです。

この価値のある体験を提供することができなければ、消費者の関心を引くことはできません。

つまり、現代では、商品にこのような付加価値に与えることができなければ、その商品を買ってもらうことが難しいのです。

その中で、求められるようになったのがD2Cモデルであったのですが、D2Cではそれを実現することができず、DNVBと言うモデルがそれを引き継ぐ形となったのです。

まとめ

DNVBモデルは、今回説明したように、D2Cモデルの中の一つの種類です。

この両者は基本的な仕組みは同じではありますが、何を目的としているかが異なります。

D2Cモデルは、本来はこのDNVBモデルと同じ目的であったはずですが、現在の日本におけるD2Cモデルは、商品を売ることを目的としたビジネスとなっています。

しかし、現代の消費者は、商品自体ではなく、その商品を通じて得られる体験にこそ価値があると考えるのです。

これに対応するためには、DNVBの考え方が重要となり、これからの主流となっていくと考えられているのです。