近年、D2Cと言うビジネスモデルが市場を席捲していますが、最近では、このD2Cに似たP2Cと言うビジネスモデルが話題を集めています。
このP2Cは、D2Cから派生したモデルであり、D2Cと似たような特徴を持ちながら、さらに進化したモデルなのです。
そこで今回の記事では、P2Cについて説明したいと思います。
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P2Cとは、Person to Consumerの略称で、D2Cと同じように消費者に直接販売をするビジネスモデルです。
このビジネスモデルは、D2Cから派生したビジネスモデルとされており、似た部分も多いですが、大きく異なるのは、販売するのがだれかという点です。
P2Cは、Person to Consumerと言う名前の通り、販売するのがPerson 、つまり個人が販売する立場にあるビジネスモデルなのです。
個人がブランドを立ち上げ、商品やサービスを提供し、SNSなどのデジタルを活用して、消費者にアプローチを行い、オンライン上で商品を販売していきます。
P2Cは、最近になり、よく耳にするようになったビジネスモデルですが、消費者からの注目度は高く、今後はD2Cよりも注目されていくと考えられています。
その背景には、一個人の発信力が強くなっていることがあります。
これまでは、テレビや新聞など情報を発信する場所が限定されていたうえに、発信できる人も限られていました。
しかし、インターネット環境が整備され、SNSが広く普及したことによって、情報を発信することが容易となり、消費者個人であっても自由に情報を発信できるようになったのです。
そして、さらに、現代の消費者は、情報の発信者が誰であるかと言うことにこだわらなくなっているのです。
芸能人などの一般に名の知れた人や企業のトップなどの力のある人が発信している情報であっても、一個人が発信している情報であっても、同じように受け取り、自身でその情報が正しいのか、必要な情報なのかということを判断するようになっているのです。
また、あからさまな広告や宣伝を嫌悪する消費者が増えていると言うのも、理由の一つです。
インターネット上には、企業やブランドの広告や宣伝が溢れており、それは近年ではSNSにも及んでいます。
SNSは、現代の消費者にとって、情報収集の場となってはいますすが、コミュニケーションをとる場でもあります。
そのため、一方的な宣伝行為は避けられてしまうのです。
SNSにおいて、このような広告宣伝が増えているため、消費者は露骨な宣伝行為を行う企業やブランドの情報よりも、一個人の情報のほうを求めるようになっているのです。
実際に、アパレルブランドがインフルエンサーとコラボレーションで商品を販売した事例では、アパレルブランド側の広告や宣伝は反応が少なかったのに対し、インフルエンサーがその情報を発信した際には多くの反応があり、インフルエンサーが販売した分の商品は即完売しているのです。
このケースでは、双方が扱う商品は全く同じものであり、販売価格も変わりありません。
それにもかかわらず、ブランド側の発信は見向きもされず、インフルエンサーの発信には、多くの人が敏感に反応しているのです。
これは、現代では、アパレルブランドよりも、インフルエンサーのほうにブランド力あると言うことを示していると言っても良い事例なのです。
P2Cは、現在D2Cをも凌ぐ勢いで成長しています。
このモデルが、これほど注目を集めるのは、多くのメリットがあるからです。
そのメリットとしてまず挙げられるのが、広告費がかからないということです。
P2Cは、インフルエンサーなど、SNS上で影響力の強い個人が立ち上げるブランドです。
本人が、SNSにおいて宣伝を行うため、広告費が不要なのです。
また、既にフォロワーと呼ばれるファンを数多く抱えているため、見込み客が確保しやすいと言うメリットもあります。
フォロワーの数が多ければ多いほど、見込み客の数も多くなり、一からファンを育成する必要もないのです。
さらに、フォロワーの数から、実際の販売数を予測しやすいと言うのもメリットの一つです。
販売数を予測できることにより、その後のマーケティングの展開やさらなる商品開発が容易となるのです。
このように、P2Cには、D2Cとは異なる多くのメリットがあり、その点においても高い注目を集めているのです。
しかし、メリットがあれば、デメリットももちろん存在します。
先ほど述べたように、P2Cには、既に多くのファンを抱えていることから得られるメリットが多々ありますが、これが裏を返せばデメリットにもなるのです。
既に抱えているファンが顧客となると言うことは、必然的に限定された層にしかマーケティングは行われず、それ以上に広がることが少ないのです。
つまり、常に限られたファンだけにアプローチが行われ、新たな顧客を獲得することが難しいのです。
現在、市場には、P2Cブランドが続々と誕生しています。
しかし、D2Cブランドを個人が立ち上げるケースや、P2Cと思われるブランドがD2Cブランドとされているケースなどもあり、現在のところ、この2つのモデルは明確に分けられているわけではありません。
今後、P2Cがさらに成長するに伴い、この点も明確にされ、D2Cを追い抜くことも考えられると言われています。
しかし、今回説明したように、P2Cには、新規顧客の獲得が難しいという問題点もあり、それを解決できなければ、大きく成長することは難しいとも言われています。