今やD2Cは一般にも広く認知され、多くのブランドが誕生しています。
取り扱う商品も様々で、あらゆるジャンルの商品をD2Cにおいて手に入れることが可能となってきています。
そして、現在では、さらに先進的な取り組みを試みるブランドも増えてきており、その中で、高い注目を集めているのがパーソナライズD2Cです。
しかし、このパーソナライズと言う言葉はあまり馴染みがないため、良く知られているカスタマイズと言う言葉と間違われることがあるようです。
そこで今回の記事では、カスタマイズとパーソナライズの違いについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
パーソナライズとは、全ての顧客に同じ商品やサービスを提供するのではなく、顧客一人一人の属性や購買履歴、行動履歴、趣味、嗜好、関心など、顧客の詳細なデータに基づいて、顧客に最適な商品やサービスを提供する手法のことを指しています。
そして、D2Cにおいてこのパーソナライズを主軸としたブランドが増えているのです。
このパーソナライズD2Cは、様々なジャンルから誕生しており、ヘルスケアやヘアケアブランド、食品ブランドなどが、独自のサービスを提供しています。
このパーソナライズは、カスタマイズと混同されることが多くあります。
この両者は、似た意味を持つ言葉ではありますが、本質的に大きな違いがあるのです。
その違いとは、顧客に合わせるものか、顧客が合わせるのかと言うことになります。
パーソナライズは、前述のように、商品やサービスを、顧客一人一人に合わせるものです。
一方カスタマイズは、複数ある商品やサービスの中から、顧客自身が選択するものとなります。
カスタマイズサービスも、顧客に合わせたサービスのように見えますが、単に、企業が用意した商品やサービスの中から選んでいるに過ぎないのです。
つまり、カスタマイズとは、選択肢が多い中から選ぶことのできるサービスであり、一人一人に合わせていくパーソナライズとは大きく異なるのです。
国内のパーソナライズD2Cの代表的なブランドとして、真っ先に名前が挙がるのが、サプリメントを取り扱うD2Cブランド「FUJIMI(フジミ)」です。
FUJIMIは、肌診断から最適なサプリメントを処方するという画期的な仕組みで話題を集めており、これにより生み出されるサプリメントの組合せは、2.000億通り以上と言われています。
サプリメントは、人気の商材であり、オンラインだけでなく、ドラッグストアやコンビニなどでも手軽に購入できるようになっています。
しかし、本当に自分に合ったサプリメントと言うのは、自身でも分からないものであり、売れているからと言った理由でサプリメントを選ぶ消費者が多いのです。
実際に、サプリメントを専門に取り扱うブランドでも、どのサプリメントが自分に合っているのかを教えてくれるようなサービスはなかなかありません。
そのような状況の中で登場したのがこのブランドであり、サプリメント選びに悩んでいる消費者の手助けをし、問題を解決しようとしているのです。
このFUJIMIは、パーソナライズの見本となるようなブランドであり、パーソナライズD2Cを立ち上げる際に参考にすべき好事例となっています。
現在のD2C市場には、このFUJIMIに代表される、パーソナライズD2Cが続々と誕生し、人気を集めています。
これらのブランドが支持されるのは、顧客が自身に合う最適な商品が届けられることを期待しているからです。
しかし、いくらパーソナライズが顧客にとって魅力的なサービスであっても、D2Cに多くのパーソナライズサービスが誕生している以上、それだけで顧客を惹きつけることは難しくなってきます。
また、パーソナライズサービスは、D2Cに限られたものではありません。
D2Cビジネスだけでなく、多くの企業がパーソナライズに注目し、新たなサービスを展開しているのです。
そのため、今後のパーソナライズD2Cにおいては、他のサービスとの明確な差別化が必要となってくると考えられます。
さらに忘れてはならないのは、パーソナライズD2Cは、あくまでもD2Cビジネスだということです。
パーソナライズサービスは、商品を購入する前から、アンケートなどにより顧客とコミュニケーションをとり、最適な商品を提供する仕組みです。
しかし、D2Cでは、それ以上の商品体験を顧客に提供する必要があります。
商品購入後も続く良質な体験を提供するということは、D2Cでなくてはできないことであり、D2Cを名乗るのであれば、その点を忘れてはいけないのです。
パーソナライズは、最近話題となっているサービスであり、聞き慣れない言葉のため、意味を理解していない消費者も多いようです。
そのため、カスタマイズと良く間違われるようですが、今回説明したように、この2つの言葉は全く異なる意味を持っています。
そしてこのパーソナライズは、D2Cにおいて、今後続々と誕生していくことが予想されるため、その意味を正しく理解していくことが重要となります。