地方創生とは、2014年に取り決められた地方活性化の政策であり、国と地方自治体が連携して、地方を活性化するために様々な取り組みを行っていくものです。
しかし、具体的に、どのような取り組みが行われているのかを知る人は少なく、地方創生の意味を問われて、明確な答えが出せる人も多くありません。
それほど、関心を持つ消費者は少ないと考えられますが、この政策は、これからの日本にとって非常に重要なものであるのです。
この地方創生が必要とされている背景には、地方経済が年々縮小していると言う問題があります。
この大きな原因は、人口の減少であり、少子高齢化と東京の一極集中によって生じたものです。
日本では、出生数、出生率は年々低下しており、その状況が何十年も続いています。
それにもかかわらず、高齢化は進み、老年人口も年々減少しているのです。
この少子高齢化による人口の減少は、日本全体で見られる事ですが、東京や大都市圏では、老年人口は増加の傾向にあるのです。
この要因となるのは、人口の移動です。
1990年代以降、東京圏以外の地域は、一律に転出が増え続けています。
特に、15歳から29歳の若い世代において、年々東京圏に移住する人が増えており、これに伴い、地方の人口は減少し続けているのです。
つまり、地方では、出生数や老年人口が減少していることに加えて、労働力となる若年世代が東京圏へ流出し続けているということになります。そして、これにより、地方の経済が縮小しているのです。
この地方経済の縮小がどんな問題を招くかと言うと、まず挙げられるのが、
日常生活に必要なサービスが縮小することです。
人が生活していくためには、小売業、飲食業、医療機関、娯楽業などが必要です。
しかし、これらのサービスは、一定の人口がいなければ成り立たず、人口が減少すれば、サービス産業も減少してしまうのです。
また、行政のサービスの水準も低下してしまいます。
行政のサービスは、税収で賄われています。
人口が減少すればその税収も減少する上、高齢化によって社会保障費は増え続けるのです。
その結果として、地方の公共団体はサービスを縮小せざるを得なくなるのです。
さらに、交通手段も減少してしまいます。
地域の公共の交通は、民間の事業者が支えています。
しかし、人口が減少すれば、採算が取れなくなってしまうのです。
次に挙げられるのが、空き家や空き店舗、耕作放置地、などが増える事です。
人口が減少すれば、それまであった家屋や店舗、耕作地、など建物や土地が余ってしまうことになります。
手入れがされていれば問題はないですが、高齢化や税収の減少により手入れをできる人もいないのです。
完全に放置されてしまえば、環境は悪化し、衛生面でも問題が発生しますし、治安の悪化にも繋がってしまうのです。
また、これにより地域のコミュニティも機能しなくなってしまいます。
町内会や自治会などの共助システムが機能しなくなるだけでなく、消防団の団員も減少し、防災面で問題が生じるのです。さらに、地域活動が減少することにより、人同士の交流も減少し、活気がなくなってしまうのです。
このような理由から、地域経済を活性化させる必要があり、地方創生が必要とされているのです。
そして、この地方創生は、国や自治体だけが取り組めば良いと言うものではありません。
その地方の住民や企業、事業者が、積極的に取り組んでいくことが求められているのです。
その中で、注目されているのが、D2Cビジネスです。
D2Cビジネスは、自社ECにおいて消費者に直接商品を販売するビジネスモデルです。
デジタルで完結できるため、地方と東京に垣根を設けることなく商品を販売することが可能となるのです。
これまで地方の企業は、そこでモノを売るよりも、全国に展開できるように、卸売りに注力することが一般的でした。
これは、先ほども述べたように、地方の人口が減少している以上、仕方のないことです。
しかし、現在のように地方だけでなく、日本全体の人口が減っている中では、そのような卸売りだけでは成り立たなくなってきているのです。
卸売りの場合、どれだけ多くの商品を卸すことが出来るかが問題となりますが、現代は既に大量生産大量消費の時代ではありません。
従来では、企業は、その企業の方針や企業が作りたいと考えるもの、その企業が作ることができるものを基準として、商品の開発を行ってきました。
そして、それが決定してから、どのように販売するかを考えていたのです。
しかし、現代は人口が減り、消費者のニーズも多様化してきています。
そのため、このような形で企業が商品を販売しても、消費者の支持を得ることができないのです。
現代は、消費者それぞれが自身の嗜好や関心を優先する時代です。
その世の中の流れや消費者の実際の声を重視して、商品の企画や開発を行っていくことが求められているのです。
そして、それを実現できるのがD2Cビジネスなのです。
自社ECを軸として、消費者に直接商品を販売することができるD2Cであれば、地方と言う枠に捉われることもなく、消費者が求める商品を提供することができるのです。
これからの日本経済にとって、地方経済の活性化は欠かせないものです。
しかし、今回説明したように、地方の人口の減少を食い止めるのは難しく、人口減少によりもたらされた弊害により、さらに人口が流出すると言う悪循環に陥ってしまっています。
これらの問題は、すぐに解決できるものではありません。
国や自治体だけでなく、住民や企業も危機感を持って取り組みを行っていくことが求められているのです。
そして、その取り組みに有効と考えられているのがD2Cビジネスなのです。
D2Cビジネスの特性をうまく生かすことができれば、地方創生を実現できるのです。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。