中小ビジネスのための生存戦略

企業や個人が、商品の企画や製造、販売を一貫して行うD2Cというビジネスモデルが今多くのブランドから注目されています。

D2Cビジネスモデルは主にECサイトを中心としたビジネスであり、自社内で企画や製造した商品を、自社独自のチャネルを通じて、消費者に直接商品を販売するビジネスモデルであり、コロナ禍によって通信販売の需要も高まっていくなか、このD2Cビジネスがどんどん注目を集めているのです。

EC市場そのものがどんどん拡大していく中で、大手メーカーをはじめさまざまな企業やブランドがECへと参入し、EC市場は今後もさらに激化することが予想されています。

大手企業と競合となってしまった場合、EC市場で生き残るための方法を考えることは非常に重要なのですが、それは自社の重要な何かを犠牲にしてまでビジネスを行うべきなのでしょうか。

スタートアップが多いD2Cビジネス、そして中小企業での展開が多いD2Cビジネスであるからこそ、計画的で確実な生存戦略を考えなければなりません。

そこで今回は、中小ビジネスのための生存戦略について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今まさに、D2Cビジネスへの挑戦を考えている、という方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ビジネスを4つの成長ステージで考える

他の企業との競争を避けて、上手くビジネスを進めるためには、成長段階ごとのステージを意識しなければなりません。

まず「収益ステージ」としてショップがオープンしてまだ売れない状態から売れるようになる段階、そしてある程度受注が入るようになり、システムや人材を配置して効率よく回すための「収益+効率ステージ」、そしてある程度の売り上げになり、ビジネスとしても順調に軌道に乗り出したところで少し先を見据えた「収益+効率+戦略ステージ」で、自社商品の市場や競合を見て、独自性を持つことができる領域を模索していきましょう。

最後のステージは、自社スタッフの働く環境、そして自社が本来目的としていた状況と合っているか、ということを考えるための「収益+効率+戦略+調和ステージ」です。

最初から業績だけを目指すだけでは、ビジネスは長続きしませんので、この成長ステージをしっかり意識してください。

価格競争に巻き込まれない

ECビジネスの大前提としては、商品が「比較されやすい」ということでしょう。

EC市場の拡大は、消費者にとって選びやすい時代になっているからこそ、事業者は徹底的に比較されています。

もちろん、商品の本質が重要でありますが、従来と比較してもより圧倒的な比較にさらされていると言えるでしょう。

今後も更に参入ブランドが多くなるからこそ、早い、安い、人気というライバルブランドが多くなってきます。

そうなると、価格を安くすれば良いのではないか、と思う方がいらっしゃるかと思いますが、価格以外にも比較軸は多くあります。

特にD2Cビジネスの場合は、そのブランド独自の世界観が最重要視されますので、その世界観をより魅力的に、そしてターゲット層の求めているものを的確に表現することで、価格を安くしなくてもファンはどんどん増えていくでしょう。

その他にも、利便性が高い、長持ちする、対応は丁寧など、人それぞれによって比較基準はまったく違ってきますので、色々な角度から見てみましょう。

これを知らずに、ただ価格競争に飛び込んでしまえば非常に危ない状況になってしまいます。

中小企業が消費者に選ばれるためには、競合となる大手とは異なる比較基準が重要なのです。

大手企業のように、分かりやすく合理的な比較基準ではなく、一部の人が特別重視する比較基準に注目することで、上手く競争を避けることができるでしょう。

自社の強みをしっかり理解し、訴求ポイントを絞っていきましょう。

選ばれた理由を知る

自社の強みを理解するためには、なぜ消費者に自社が選ばれたのか、という理由を自覚することが重要です。

たとえば競合ブランドがいくつかある中で、なぜ自社を選んでくれたのか、その理由こそ単純比較されないための、差別化要素になるのです。

「〇〇だからここで買う」という消費者の理由こそ、競争力の源になるでしょう。

大手企業がメインとなる道を走る中、中小企業はそのメインではない道を狙うことこそ、効率よくD2Cビジネスを進める方法なのです。

「専門特化」と「新提案」

自社の強みを主軸にするための「専門特化」を考えることも重要です。

比較される側ではなく、顧客に新たな提案として「この商品を買うべきだと教える側」に回ることができれば、圧倒的強者です。

中小企業だからこそ、比較されにくい商品を作り、専門的な接客を目指すべきなのです。

今は商品の存在が当たり前になりつつあり、市場そのものが飽和状態であるからこそ、消費者に対し、類似商品の他社との比較をどれだけアピールしたとしても、顧客は目新しさを感じることはありません。

ですので、その当たり前をまったく覆すような、新しい提案、そして売り方を見直していきましょう。

「こんな店舗にしたい」という理想を持っている方も多くいらっしゃるかと思いますが、この競争を回避して、D2Cビジネスとして成功させるためには、消費者に何を求められているのか、ということを自覚し、それに対して投資することが重要です。

このようにして専門特化を行い、ニッチな市場でビジネスを進めることで、SNSでの口コミが発生しやすいのです。

まとめ

以上、中小D2Cビジネスのための生存戦略についてお話させていただきました。

今どんどんD2Cビジネスを展開する企業やブランドが多くなり、今後もさらにD2C市場が拡大すると予想されているからこそ、中小ビジネスとしての戦略をしっかり確立することが重要です。

中小企業であっても、十分D2Cビジネスで成功する可能性がありますので、ぜひこれらの戦略を参考にしてくださいね。