こんな商品があれば良いな、というアイデアのもと、自らブランドを立ち上げて商品を販売する企業家が多くなっています。
自らで、商品の企画と製造、販売までを一貫して行うビジネスモデルをD2Cビジネスと呼び、小規模事業主や大手企業から注目を集めています。
D2Cビジネスが注目されている背景には、インターネットの普及に伴い、EC市場が年々拡大していることがあるでしょう。
ですがそうなると、D2Cビジネス初心者の方は特に、D2CビジネスとECビジネスって何が違うのか、という疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新しく登場したビジネスモデルでありながらも、通販のようなECビジネスとはまったく異なるというわけではありませんので、関係性が難しいと感じることも事実でしょう。
そこで今回は、ECビジネスとD2Cビジネスの違いを知り、D2Cビジネスを成功させるポイントについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスを運営しようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
ECサイトを経由して商品を販売する、ということだけを見ると、D2CビジネスとECビジネスは同じものだと感じる方が多いかもしれませんが、実際この二つは似て非なるものです。
通販は、通信手段を用いて商品を販売することであり、テレビやインターネット、ラジオ、カタログなどの通信手段を活用します。
ここ数年でインターネットを経由したECビジネスが多くなってきたので、通販=インターネットという考えになっているかもしれませんが、通販自体はインターネットが普及する以前から存在していました。
ですが一方でD2Cビジネスは、個々ブランドの世界観を最重要視し、顧客と直接コミュニケーションを取り、直接消費者に商品を販売します。
商品を販売する段階で、必要に応じてインターネットやカタログ、テレビなどを活用しますので、この点がECビジネスと重複しているため、混乱を生んでいるのでしょう。
D2Cビジネスが、ブランドの世界観を最重要視するという点こそ、大きな違いなのです。
何度も説明しますが、D2Cビジネスでは、そのブランド独自の世界観を構築することが何よりも重要です。
成功している多くのD2Cブランドは、絶対的に分かりやすく、統一された世界観の中で商品を提案しているのです。
より長くD2Cビジネスを続けるとなると、やはり顧客に選ばれ続けるブランドでなければなりません。
自社のターゲットとなる顧客層はどこなのか、その顧客層はどのような世界観を求めているのか、自社が提供したい世界観はどのようなものなのか、ということをビジネス開始時には明確にしておかなければなりません。
ビジネスを開始し、この世界観がブレてしまえばぶれるほど、顧客が離れてしまいやすいのです。
ブランドの世界観を的確に顧客にアピールするためには、SNSを有効活用していきましょう。
今はSNSが大きく普及している時代で、SNSユーザー数は非常に多くなっています。
だからこそ、ブランドの世界観を届ける主な方法はSNSであると考えられているのです。
消費者にとって、SNSが生活の一部となっているからこそ、ただ情報を発信するだけでは、世の中の多くの情報に埋もれてしまい、消費者の目に止まりにくいのです。
自社がターゲットとするユーザーに対し、必要な情報を用意し、積極的に発信していかなければならないのです。
自社が製造した商品のみの情報だけではなく、それにまつわる情報、新しいライフスタイルの提案などを発信し、そしてSNSだからこそ、顧客の実際の声を聞くことができますので、それをしっかり拾い、商品に反映させていくことで、顧客とのコミュニケーションを大切にし、ブランドそのものを顧客と作り上げることができるのです。
SNSでは、ブランドからの一方的な情報発信だけでなく、顧客とのコミュニケーションをいかに活性化させ、自社ブランドが伝えたい世界観を伝える努力が重要なのです。
D2Cビジネスは、従来までのECビジネスとは大きく異なり、ブランドの立ち上げから商品製造、販売、CRMまでもすべて自社内でデジタルで完結させるビジネスモデルです。
だからこそ、得た顧客データをいかに活用し、データドリブンによってビジネスを成功させることができるか、ということが重要なポイントになるのです。
自社で行う施策をひとつずつしっかり分析し、その分析結果を次の施策に活かすため、そしてPDCAを回し、顧客の体験価値を上げることが重要です。
以上、ECビジネスとD2Cビジネスの違いを知り、D2Cビジネスを成功させるポイントについて詳しくお話させていただきました。
両者ともに、類似する点は多いものの、ビジネスの視点から見ると大きな違いがあることをお分かりいただけたでしょう。
ですが、大きな違いがあるものの、顧客をしっかり理解し、個々の顧客体験価値を高める、という点においては共通しています。
顧客は何を求めているのか、どうすれば顧客体験価値を向上させることができるのか、ということをしっかり考え、D2Cビジネスを行ってくださいね。