サスティナビリティを重要視するD2Cブランド

近年トレンドワードにもなっている「D2C」は、消費者形態が大きく変化している中で登場したビジネスモデルでしょう。

D2Cは、Direct to Consumerの略称であり、ブランドやメーカー自らが企画、製造した商品を、広告代理店や小売店を介すことなく、消費者と直接取引を行うビジネスモデルのことを言い、特にアパレルブランドや美容化粧品ブランドが多く採用しています。

ECサイトやSNSを用いて、顧客と直接コミュニケーションを取りますので、従来までのビジネスモデルよりも顧客ロイヤルティが高まりやすく、ブランドのファンになってもらいやすいことが特徴でしょう。

このD2Cビジネスを学ぶ上で、「サスティナブル」「サスティナビリティ」という言葉を耳にすることも多いでしょう。

サスティナブル(sustainable)のsustainは、持続・維持するという意味を持っており、ableは、~できるという意味があり、この2つの言葉からsustainableが成り立ち、持続可能な~と訳されています。

D2Cビジネスにおいても、このサスティナブルが重要として考えられ、プリダクトやマーケティング施策にはもちろん、D2Cブランドにダイレクトに影響を与えていることが多いのです。

そこで今回は、サスティナビリティを重要視するD2Cブランドをご紹介していきたいと思います。

D2Cビジネスにご興味を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cブランドがサスティナビリティを重視する理由

D2Cブランドがサスティナビリティを重視する理由は、D2Cブランドの顧客の多くは、ミレニアル世代、もしくはZ世代であることが関係しているでしょう。

ミレニアル世代は、環境問題や社会問題に対する関心が高く、自身の欲求を満たすだけでなく、課題に対するブランドの姿勢によって、その商品を購入するかしないかを決めることが多いのです。

そしてZ世代はミレニアル世代よりもさらに若い世代で、「消費から体験へ」変化していることがポイントです。

顧客自身の興味関心、そしてブランドの意向に共感できるブランドから購入したい、という体験を重視する傾向があるでしょう。

また、もう一つの理由としては、D2Cブランドはモノの機能性のみに重視するのではなく、意味レベルの価値を作ることに尽力していることも挙げられます。

D2Cブランドが実際にサスティナビリティに関する行動を起こすことで、さらに新たなブランドストーリーが作られます。

世界を良くしようと思う顧客と行動を共にすることで、顧客にさらにより良い体験を提供することができるのです。

これらの理由により今、D2Cブランドがサスティナビリティを重視していると考えられるでしょう。

サスティナブルD2Cブランド

「Everlane(エバーレーン)」

Everlaneは、「透明性」をキーワードとしアパレル業界に新風を巻き起こすD2Cブランドです。

原価をオープンに公表しするという、今までのアパレル業界では考えられなかったアプローチ方法が話題となり、すぐさまブランド知名度が向上したのです。

オーガニックコットンに変える宣言をし、持続可能なブランドであろうと努力を続けているのです。

「Allbirds(オールバーズ)」

Allbirdsは、元サッカーニュージーランド代選手としてW杯への出場経験を持つ、ティム・ブラウン氏により作られた、スニーカーのD2Cスタートアップブランドです。

サスティナブルな取り組みとしては、

「ユーカリの木から生成された素材でアッパーを作る」
「環境への負荷が低いと言われるサトウキビから生成した素材でソールを作る」
「炭素排出量を抑えるためインソールに石油ではなくヒマシ油を使用する」
「製造や販売の全行程でカーボンニュートラルを達成する」
「靴箱は90パーセント再利用」
「使用済みソールはSoles4Soulsを通じて世界中で再活用している」

ということでしょう。

靴のアッパーやソールだけでなく、靴箱までもサスティナブルであろうとする姿勢が注目を集めました。

「Cotopaxi(コトパクシ)」

Cotopaxiは、2013年に誕生した新しいアウトドアブランドであり、今急激に人気が伸びているのです。

大手アウトドアメーカーに対抗しうる新ブランドとまでも言われており、創業者のデイビス・スミス氏により「Gear for Good」というミッションが掲げられています。

これは、ハイクオリティなアウトドアギアを通じて貧困に苦しむ人々を救うという意味が込められています。

この創業者の想いこそ、Cotopaxiのブランド思想の形を作り上げているのでしょう。

具体的なサスティナブルな取り組みとしては、

「社会貢献目的で採用した働き手が多くいる国内工場にこだわること」
「売上高の1パーセントを貧困の撲滅や教育支援などに関わる非営利組織に寄付すること」
「ソルトレイクシティで暮らす難民が書いた手書きの感謝状を添えて発送すること」です。

ただひたすらに商品を大量生産するのではなく、環境や労働者、発展途上国を優先的に考え、自社の成長と同時に社会に貢献することを目的としているD2Cブランドなのです。

しっかりとしたビジネスシーンでありながらも、ビジネスとして一過性の利益を追求するのではなく、そのブランドやビジネスに関わる人すべての人が幸せになれる持続可能な取り組みが心がけられていることがよく分かるでしょう。

まとめ

以上、サスティナビリティを重要視するD2Cブランドをご紹介させていただきました。

サステナビリティを重視するD2Cブランドの理念は「より良い世界を作る」ということが共通点です。

体裁ばかりだけでなく、本当の意味でサスティナブルなD2Cブランドこそ、注目を集め成功しているのでしょう。

D2Cブランドの展開を検討されている方は、ぜひこのような事例も参考にしてみてくださいね。