D2Cビジネスは、ここ数年と言う短期間の間に、急速に成長し市場を拡げています。
それに伴い、ブランド間の競争も激しくなっており、顧客の支持を得ることが難しくなっているのです。
その中で、多くのD2Cブランドが注目しているのが、新たなターゲットであり、それがX世代と呼ばれる世代なのです。
そこで今回の記事では、D2CにおけるX世代の重要性について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
D2Cビジネスは、SNSを中心としてデジタルを最大限に活用するため、ターゲットとなるのは、デジタルに精通したミレニアル世代やZ世代と言った若い世代となります。
これらの世代は、成長段階、もしくは誕生した時点で、インターネット環境が整備され、スマートフォンが普及しているため、デジタルに対し全く抵抗がなく、SNSを日常的に利用するのです。
これらの世代を取り込むため、D2Cでは、SNSを巧みに利用しブランドを構築していくのです。
D2Cビジネスは、このようにSNSを利用して成長を遂げてきましたが、急速に市場が拡がるにつれて、その形態に変化が見え始めています。
これまでD2Cブランドは、自社ECサイトでの販売を軸とするため、基本的に実店舗を持つことはなく、SNSを中心としたマーケティングに注力してきました。
しかし、競合が増えたことやオフラインの重要度が増したこともあり、最近になり実店舗を出店するブランドが増加しているのです。
現在では、多くのD2Cブランドがオンラインだけでなく、オフラインでのマーケティングにも注力し、両者の融合を目指しています。
今のD2Cの状況では、もはやSNSだけではブランドを構築することができなくなってきているのです。
さらに、問題となっているのは、対象となるターゲットの選定です。
先ほども述べたように、これまでD2Cでは、主にミレニアル世代、Z世代をターゲットとしていました。
ミレニアル世代の多くは、現段階で社会に出ている人が多く、購買力もあるため、ターゲットとして問題はありません。
しかし、Z世代は、購買力がない人もまだ多く、ターゲットとするには頼りない面もあるのです。
そして、これらの世代だけでは対象となる人数が狭まりすぎてしまうのです。
現在のように、D2Cブランドが急激に増えている中で存在感を示し大きく成長していくためには、これらの世代に限定しないターゲット層の選定が必要となり、そこで重要となるのがX世代と呼ばれる世代なのです。
X世代とは、1965年頃から1980年頃に誕生し、2021年現在40歳から54歳位の人のことを指しています。
現在日本経済を支えている働き盛りの世代であり、団塊の世代を親に持つことが多いことから、団塊ジュニア世代と呼ばれることもあります。
親世代である、団塊の世代は、戦争後の高度経済成長を経験しているため、消費に対しても積極的な傾向がありますが、団塊ジュニアは、誕生したころから経済が傾き始めたため、それほど消費に熱心ではありません。
また、インターネットが普及し始めたのが、社会に出てからであるため、下の世代ほどデジタルに依存していませんが、デジタルを利用することに対し抵抗はなく、日常的にインターネットを利用しています。
そして、この世代は人数が多いことで知られる団塊の世代のジュニアであるため、ミレニアルやZなどの下の世代と比べ人数が多いのです。
先ほども述べたように、D2Cブランドの多くがターゲットとしていたのは、このX世代ではなく、その次の世代となるミレニアル世代、さらに次の世代となるZ世代です。
しかし、若い世代ほどではないとしても、デジタルを日常的に利用し、購買力のあるX世代を全く無視すると言うのはビジネスとして問題があります。
実際に、D2Cブランドの中には、X世代を主なターゲットとしているブランドもありますし、D2Cの先進国であるアメリカでは、既にX世代をターゲットしているブランドが増えてきているのです。
ただし、X世代をターゲットとする場合、これまでのようなSNSを軸とするマーケティングでは効果的とは言えません。
X世代もSNSを利用しますが、ミレニアルやZ世代のように日常的に利用しているわけではありません。
X世代の多くは、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、e-mailを重用していたため、SNSよりもe-mailでのやり取りのほうが効果が得やすいのです。
また、X世代は、オンラインで買い物をすることに抵抗はありませんが、実際に商品を見ることも重要と考えます。
そのため、実店舗を設けることも、X世代を取り込むためには重要となるのです。
現在のD2Cビジネスでは、これまで基本とされてきたマーケティングが通用しなくなってきています。
その背景には、D2C市場が急速に成長し、競合が激増していることがあるのです。
そのために、これまでターゲットとしていたミレニアルやZ世代だけでは、支持を得ることが困難となり、さらにターゲットの幅を拡げる必要が生じているのです。
そして、そこで重要となるのが、今回説明したX世代なのです。
X世代は、ミレニアルやZ世代とは異なる特徴を持っていますが、その特徴を理解し、それに適したアプローチを行うことができれば、十分に取り込むことが可能であるターゲットと言えるのです。