今までのように、企業は商品を作れば売れる、というビジネスの流れは下降傾向にあり、顧客目線に立って考えるサブスクリプションビジネスへの注目度が高まって来ています。
消費者は所有することの価値よりも、利用することに価値を感じるよう変化しており、このような背景から、サブスクリプションの需要も急上昇しているのです。
企業がサブスクリプションビジネスを導入すると、売り上げや販促の予測を立てやすくなること、継続的な売り上げを見込むことができること、低価格での提供だからこそ新規顧客の増加に期待することができること、細かな顧客データを収集することができることがメリットとなるでしょう。
サブスクリプションビジネスを成功させるためには、顧客満足度を向上させることが重要なのですが、そのためのマーケティングとして「マーケティング心理学」が非常に有効であることをご存知でしょうか。
もちろん、消費者が認識していないところで心理を操作することは論理上タブーではありますが、マーケティング心理学は有効に活用することで、自社の商品やサービスの魅力を伝えることができるのです。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスに役に立つ、顧客心理を動かすマーケティングについてお話ししていきたいと思います。
顧客の心を掴みサブスクリプションビジネスを成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
スノップ効果とは「希少性」を刺激するマーケティング心理学です。
「厳選された〇〇だけを使用」「日本で唯一」といったキーワードがポイントであり、比較的高額商品をアピールするために用いられます。
「人と同じ意見を持ちたい」「人と同じものを持ちたくない」という人の感情を刺激します。
「人気ですよ」「みんな持ってますよ」というアピール方法ではなく、「それに目を付けたのはあなただけです」「日本にまだ3つしか入って来ていません」というアピール方法の方が効果的です。
上記のスノップ効果とは逆の意味を持つものが、バンドワゴン効果です。
高価なものの販売より、低価格や日常的に利用するもののプロモーションに効果的です。
「行列のできる〇〇」「全米が泣いた〇〇」「1分間に200本売れた」などがバンドワゴンの分かりやすい例でしょう。
スノップ効果とバンドワゴン効果は、他社の行動や決断により人の行動や決断が決まりますので、「あなただけです」ということをアピールするのか、「みんなもやってます」ということをアピールするのかによって、売れるターゲット層や売れ行きも大きく変わります。
ハロー効果のハローは「後光」という言葉を意味し、その人や商品ではなくその後ろにある権威性が人を行動させるというマーケティング心理です。
「タレントの〇〇が愛用」「楽天ショッピング3部門で1位獲得」「東大教授推奨」というキーワードがハロー効果です。
人は物事を判断する際、その一面だけで判断するのではなく、それに付帯する付加価値や情報を元に判断します。
ザイオンス効果とは、そのものに接触する機会が多くなるごとに、そのものに抵抗感が無くなり好意を持つ効果のことであり、今非常に重要性が高まっている心理学です。
なぜ重要性が高まっているのかというと「SNS」が大きく影響しています。
SNSはザイオンス効果と非常に相性が良いので、SNS担当者はこのザイオンス効果を意識した運用が必要なのです。
SNSを有効活用している企業は、お得な情報や最新情報の配信はもちろんですが、一見価値が無いような投稿でも定期的に行っていることが良くありますよね。
これは、たとえ直接的に商品やサービスに関する情報じゃなくても、顧客との接触機会を増やし、好意を増やすことを目的としているからなのです。
一定回数を越えると嫌悪感に変わるという場合もありますので、適切な回数の投稿を心がけましょう。
コンコルド効果とは、人は損失であると認識していてもそこに至るまでの投資を惜しんで投資を辞めることができない状態の心理です。
分かりやすい例で言うと、UFOキャッチャーで1000円使ってしまったとすると、実際のところその商品に1000円以上の価値が無いと分かっていても、今辞めてしまえば今までの1000円が無駄になってしまうという心理です。
埋没費用効果、サンクコスト効果とも呼ばれており、マーケティングとしては「あと〇〇円で送料無料」「今月失効予定のポイント〇〇ポイント」として利用されます。
以上、サブスクリプションビジネスに役に立つ、顧客心理を動かすマーケティングについてお話しさせていただきました。
さまざまなマーケティング心理学がありますが、今回ご紹介したマーケティングはサブスクリプションビジネスにおいても活用方法によっては非常に有効的な効果を出すものばかりです。
消費者に自社商品やサービスの魅力をもっと伝えたい、と思われている方はぜひこれらの方法を参考にしてみてくださいね。