サブスクサービスは、今やあらゆる業種に広まり、様々な種類のサービスが提供されています。
その中で、最近特に増えているのが食品を取り扱うサブスクです。
しかし、食品は、消費者の人気も高く、顧客を集めやすい商材ではありますが、その一方で、ECにおいては取り扱いが難しい商材でもあるのです。
そのため、多くの食品サブスクが、この問題に頭を悩ませているのです。
そこで今回の記事では、食品サブスクの問題点について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションサービスは、近年急速に市場を拡げ、現在においても、順調に成長を続けています。
このサービスが注目されるようになったのは、ソフトウェア配信サービスや動画、音楽配信サービスなどのデジタル配信サービスがきっかけです。
これにより、サブスクリプションサービスは、一躍人気のサービスとなり、消費者からの高い支持を得ることに成功したのです。
これらの配信サービスは、現在も多くの利用者を集めていますが、最近注目を集めているのが、モノを取り扱うサブスクサービスです。
そして、その中でも、特に人気が集まっているのが、食品を取り扱うサブスクサービスなのです。
サブスクサービスは、収益を上げるためには、顧客に継続して利用してもらうことが必要であり、モノを扱う場合、不向きな商材もあります。
その点、食品は定期的に購入するケースが多く継続性が高いため、、サブスクサービスに比較的適していると言えます。
そのため、多くの企業がこの食のサブスクに関心を持ち、参入する企業も増えているのです。
しかし、食品をサブスクで扱う場合には、食品の管理や物流において問題が多く、難易度が高いと言われているのです。
食品のサブスクサービスの問題点として、まず挙げられるのは、在庫の管理や保管が難しいと言う点です。
サブスクサービスは、顧客と企業が契約を交わす仕組みです。
そのため、従来のビジネスよりも顧客数が把握しやすいと言う利点があるのですが、新規契約も多く、解約率も高いため、顧客の数は常に一定ではないのです。
つまり、途中から契約する新規の顧客もいれば、中途で解約する顧客も多いのです。
それでも、企業側は欠品を防ぐために、多めの在庫をストックしておかなくてはなりません。
しかし、その月の解約数が多ければ、多めに見積もった在庫にプラスして、さらに余剰在庫が発生してしまうのです。
これが、常温保存が可能な日持ちのする食品であれば、まだ良いですが、冷蔵食品や冷凍食品で日持ちがしない場合には、結果的に廃棄になる可能性が高くなってしまうのです。
また、これらの在庫を保管しておく場所も問題となります。
冷蔵や冷凍の食品を取り扱う場合、その鮮度を維持するためには、それなりの規模の施設が必要なのです。
さらに、冷蔵、冷凍食品は、冷蔵冷凍便(クール便)で発送する必要があり、配送コストが高額になってしまうのです。
もちろん、配送料を顧客に負担してもらうこともできますが、これだけ競合が増えている中では、少しでも安い配送料のところに顧客を奪われてしまう可能性が高くなります。
自社で物流の拠点を持つような大きな企業であれば、配送にかかるコストを下げることも可能ですが、小規模な企業では、自社で負担するしか方法がないのです。
また、これには、食品の商品単価が比較的低いことも関わってきます。
単価が低い商品は、大量に購入してもらわなければ、企業側は利益を上げることができません。
そのため、企業としては、利益を上げるためには、送料を無料とするラインを高めに設定しなければならないのです。
しかし、送料無料とするためには、それだけ大量の食品を購入しなければならず、日持ちのしない商品を大量に購入する顧客は少ないため、結果として、顧客を逃がしてしまうことになるのです。
これらの問題点は、小規模な企業が自社で解決することは困難です。
食品を取り扱う場合でなくても、サブスクビジネスは、行わなければならない業務が膨大であり、自社だけで行うのは限界があると言われているのです。
そして、食品サブスクの場合は、さらに上記の問題が加わり、やらなければならない業務が大幅に増えるのです。
現在では、サブスクサービスが増えたことにより、様々な種類の商材が取り扱われるようになりました。
消費者から見れば、サービスの種類が増えることは歓迎すべきことですが、企業側から見ると、問題が増えることもあるのです。
それが、今回説明した食品サブスクの問題です。この食品の問題点は、自社で物流拠点を設けることができるような、資金に余裕のある大企業であれば、容易に解決できる事です。
しかし、サブスクサービスの多くは小規模な事業者であり、すべての工程を自社で賄っているケースもあるのです。
これらのサービスにとっては、この問題点を解決するのは難しく、自社だけで食品サブスクを運営することに限界を感じている企業も増えているのです。