継続課金や定期購入、シェアリングという分野において、今「サブスクリプションビジネス」が注目を集めています。
サブスクリプションサービスをビジネス視点から見ると、商品やサービスを定額で一定期間利用することができ、それに対して継続的な課金が発生する仕組みになっています。
サブスクリプションビジネスが拡大し始めた当初は、音楽や動画、電子書籍などのデジタル商材が中心であったのですが、今では家具家電やファッションアイテムなど、さまざまな分野でのサブスクリプションサービスの提供が始まっています。
サブスクリプションビジネスを成功させる上では、「顧客分析」を欠かすことはできません。
自社顧客の構成はどうなっているのか、顧客基盤は強いのか、それとも弱いのかという売り上げに直結する顧客属性や、消費行動を把握するためには、顧客分析は非常に重要です。
サブスクリプションビジネスの成長を伸ばすために、効率的な施策を測るためにも、顧客分析の知識は必要不可欠になってくるのです。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスでの「顧客分析」3つのプロセスについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
サブスクリプションビジネスを成功させたい、と思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
1:ワークショップ
人それぞれ抱く「顧客」に対するイメージは、大きく異なっています。
たとえば「20代女性」とだけ言うと、どのような顧客像を思い浮かべるでしょうか。
おそらくビジネスに携わるすべての人が異なるイメージを持つことでしょう。
ですので、サブスクリプションビジネスに携わるスタッフで、ワークショップを行い、「仮の顧客像」を定めることが重要です。
ブランドに携わる全てのスタッフによって顧客像を作り上げることで、今後の施策やプロジェクトに関する納得度が大きく変わってくるでしょう。
ワークショップは「スタッフが思っていることをいう場」でありますので、分け隔てない発言が重要です。
主に、行動分析を重視し、特に自社の優良顧客はどのような人なのか、どのような価値観をもっているのか、ということを探していきましょう。
2:定量的な顧客分類
ワークショップで定められた「仮の顧客像」は実際にどれくらい存在するのか、ということを定量的に把握するために、アンケート調査を行っていきましょう。
アンケート調査は競合他社のデータと合わせて取ることができますので、自社内での顧客特性と他社と比較することもできるでしょう。
たとえば、自社顧客属性が、競合他社よりも優良顧客が少ない場合や、非認知者の割合が多い場合、離反顧客が多い場合など、自社の課題を見つけることができます。
3:定性調査
自社の課題が明らかになった後は、その課題を深堀するためにインタビュー調査を行っていきましょう。
非優良顧客はどのようにすれば優良顧客に変わるのか、どのようにすれば購入者が多くなるのか、などのポイントと理由を見つけ、有効なアプローチ方法を導いていきましょう。
この3つのステップを経て施策を実施し、そこから半年から1年の間で再度顧客分析を行い、構成比の変化を見ていきましょう。
当初の目的が達成できているのか、狙いは成功しているのか、ということを確認し、目標に対しての到達度を測りましょう。
優良顧客と非優良顧客には自社商品の特性や独自性などがしっかり届き、その顧客に期待通りの商品を提供することができていましたので、継続購入がされています。
ですが、非購入者に関しては、自社のメッセージが全く届いてなかったり、誤認されている場合もあるでしょう。
なぜこのような差が出てしまうのか、それを細かく見ていくと、公式Webサイトや広告、商品パッケージなどにおける、顧客とのタッチポイントでのメッセージが微妙に違っていることが分かりました。
メッセージに一貫性がないので、顧客が見たメッセージによって大きな差が生まれてしまったのです。
特に新規事業としてサブスクリプションビジネスを始める場合は、新規顧客獲得のための施策に注力しますので、クリエイティブに問題が発生しやすいことが多いので、自社クリエイティブを統一するように注意しなければなりません。
以上、サブスクリプションビジネスでの「顧客分析」3つのプロセスについてお話させていただきました。
企業によって、顧客分析を行う理由はことなってきますが、自社顧客はこのような人だということを明確にすることで、さまざまな気付きを得ることができるのです。
顧客分析は、自社の足元を見直し、今後の施策の道筋を立てるには非常に有効なプロセスですので、もし今現状市場の変化についていくことができるか、今までの施策では売り上げが上がらなくなった、という課題を持たれている場合は、ぜひこの機会に顧客分析を行ってみてくださいね。