サブスクビジネスを定着させるための課題

サブスクリプションは、一般にも広く普及し、現在ではあらゆる業界から様々なサービスが提供されています。

今後も多くの企業がサブスクビジネスに参入することが予想されますが、従来のビジネスとの違いに苦戦するケースも増えているようです。

そしてこの違いと言うのは、今後どこまでサブスクビジネスを定着させることができるかということに関わる大きな問題となっているのです。

そこで今回の記事では、サブスクビジネスを定着させるための課題について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクビジネスと従来のビジネスの違い

サブスクリプションは、もはや誰もが知っているサービスとなり、消費者の日常に浸透しつつあります。

これは、サービスを提供する企業側でも同様ではありますが、このサブスクビジネスと従来のビジネスでは、販売体制や管理方法などあらゆる点において大きな違いがあるため、それに対応していかなくてはならないと言う難しい状況になっているのです。

例えば、これまでのビジネスでは、億単位の規模の商談を数か月単位でまとめ納品すると言ったレベルであったものが、サブスクビジネスでは、毎月売り上げを計上し、顧客のニーズに合わせたサービスを継続して提供していくことになるのです。

これは、ビジネスの大小の問題ではなく、根本的にビジネスを変えていかなくてはならない問題なのです。

サブスクビジネスの課題

サブスクビジネスは、売り上げの一つ一つの規模が従来よりも小さいため、短期的な見立てがしづらく、長期的に売り上げや予測を立てていかなくてはなりません。

そのため、ビジネスに関わるあらゆる数字の管理が従来よりも重要となるのです。

また、一人の顧客に対し、将来的にどの程度の売り上げが立つのか、継続して利用する可能性はどの程度なのか、毎月の解約率なども数値化し、総合的に判断していく必要があるのです。

さらに問題となるのは、従来の企業が主体となるビジネスとは異なり、サブスクビジネスが徹底した顧客視点のビジネスであることです。

顧客に利便性の高いサービスを提供し、継続利用を促すためには、サービスの内容やルールに柔軟性が必要です。

具体的には、お試し価格で利用できるキャンペーンを実施する、コースを複数用意するなどの工夫であり、これは顧客視点のサブスクビジネスにとって必要不可欠とも言えることです。

しかし、これにより、顧客ごとに契約の内容が異なり、しかも設定したコースがいくつもある場合、その内容はさらに複雑となるわけです。

そのため、正確な収益を出すための計算も複雑となり、単なる収益の計算が難しくなってしまうのです。

そして、顧客ごとにどのような契約をしているかを把握することが必要であり、契約期間や契約内容、割引サービスの有無など契約管理を徹底することが求められるのです。

また、サブスクビジネスでは、KPIの設定にも変更が必要です。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略称で、重要業績評価目標、もしくは重要達成度指標などと訳されます。

ビジネスにおいて、設定した最終目的を達成するために、その過程を計測し評価する指標となります。

これは、従来では、商品を売るということが最終目的となりましたが、サブスクビジネスでは、収益に繋げるためには、継続して利用してもらうことが必要であり、これが最終目的となります。

よって、従来とは計測すべき指標も異なるのです。

具体的には、年間の継続的な収入を計測する年次経常利益、月間の継続的な収入を計測する月間経常利益を指標とするケースが多いですが、最も重要とされるのが顧客数に対する解約数を計測する指標です。

これは、すべての顧客の中で、解約した顧客の数を表すものですが、継続利用が前提となるサブスクビジネスにおいては、最も重要な指標となります。

サブスクビジネスに大切なのは、継続して利用してもらうこと、つまり、解約する顧客を減らすことです。

そのために、多くの企業が、カスタマーサクセスに注力し、顧客との繋がりを重要視しています。

サブスクビジネスでは、この繋がりが重要であり、顧客との繋がりが強固なものになればなるほど、継続率を高め、解約率を下げることができるのです。

従来のビジネスからサブスクビジネスに切り替えていくには、まずこの顧客視点を徹底する必要があります。

そして、それに伴い、管理のシステムも切り替えていかなくてはならないのです。

まとめ

近年、サブスクリプション市場は急激に拡大し、一般の消費者の認知度も高くなっています。

この成長は現在も続いており、多くの企業が従来のビジネスからサブスクビジネスへの切り替えを行っています。

しかし、サブスクビジネスは従来のビジネスと大きく異なる点が多いため、今回説明したように、簡単に切り替えられるものではなく、今だ課題も多くあるのです。

サブスクビジネスを成功させるためには、根本的な考え方から改革を行い、これらの課題を一つ一つ解決していくことが重要となるのです。