サブスクリプションは、近年急速に成長しており、他のビジネスが苦境に立たされたコロナ禍においても、さらに成長を続けているビジネスモデルです。
しかし、急激に成長したためにトラブルも増えてきています。
そして、その中でも、現在大きな問題となっているのが解約に関するトラブルの増加なのです。
そこで今回の記事では、サブスクの解約トラブルについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションサービスは、インターネット上で申し込みを行うのが一般的であり、スマホなどを利用し、どこでも手軽に契約をすることができる利便性の高いサービスとして知られています。
自宅に居ながらにして利用することができるため、コロナ禍においてさらに需要が拡大し、現在では、ありとあらゆるジャンルのサービスが提供されています。
このサブスクサービスは、従来のサービスとは異なる点が多くあります。
その最もたる点が、顧客視点を徹底している事です。
これは、サブスクと言うビジネスが、顧客が長く利用し続けてくれることで、収益を上げることができるビジネスであるからです。
顧客に長く利用してもらうためには、サービスを提供する側は、常に顧客が満足するサービスを提供し続けなければなりません。
そのために、デジタルを最大限に活用し、顧客のデータを利用して、顧客それぞれに最適なサービスを提供し続けているのです。
しかし、中には、この顧客視点のサービスを提供していないサブスクサービスも多くあるのです。
その中で、特に問題となっているのが、解約に関するトラブルの増加です。
先ほども述べたように、サブスクは手軽に利用できる利便性の高さが売りのサービスです。
それにもかかわらず、多くのサービスでは、顧客が解約を望んだ時には、簡単に解約することができない仕組みになっていることがあるのです。
特に多くみられるのが、サービスに加入する際は、インターネット上で簡単に契約が可能であるのに、解約する際には、電話で無ければならないという手法です。
これは、サブスクに限らず、インターネットサービスでは、従来より行われている手法です。
インターネットサービスを利用している消費者の中には、電話で直接やり取りすることを嫌がる人も多くいます。
しかも、それが解約となれば尚更嫌がる人が多いのです。
この消費者の心理を悪用して、解約を阻止しようと言うのがこの手法なのです。
また、インターネット上で解約が可能な場合であっても、あえて解約の画面を分かりづらく設計しているサービスや解約方法をあえて詳しく説明していないサービスもあります。
これは、先程のケースと同様に、解約を防ぐために意図的に行っている行動です。
このような敢えてユーザーに分かりづらい、ユーザーを意図的にかく乱するような設計はダークパターンと呼ばれており、世界的に問題となっているのです。
サブスクサービスにも、このダークパターンを採用しているサービスは多くあります。
日本よりもサブスクビジネスが進化しているアメリカの調査では、インターネット上で簡単にサービスを解約できる仕組みを提供しているサブスクサービスは4割しかないと言う結果も出ているのです。
つまり、半数以上のサブスクがダークパターンを採用し、悪意を持って解約を阻止しようとしていることになるのです。
アメリカでは、このような状況を重く見た政府が、違法なダークパターンを提供している企業に対し警告を行っています。
日本のサブスクにおいても、このダークパターンを提供する企業と顧客との解約トラブルが増加しており、サブスクビジネスの成長に影を落としているのです。
しかし、このようなやり方で解約を阻止したところで、トラブルが起こるだけであり、そのサービスがそれによって成長するとは考えられません。
そのように解約を阻止された顧客は、そのサービスを利用することは二度とないですし、悪評は広まっていくものです。
そのサービスが、一時的に新規の顧客を集めることができたとしても、その顧客が継続して長く利用してくれる可能性は低く、単にトラブルが増えるだけです。
サブスクビジネスは、新規の顧客を集めるだけでは成り立たないビジネスです。
継続して利用してもらうことで、収益を上げていく仕組みであるため、そのようなやり方では遅かれ早かれ行き詰るのは目に見えているのです。
それにもかかわらず、多くのサービスがこのダークパターンを採用しています。この状況を何とかしなければ、サブスクビジネス全体のイメージが悪くなり、サブスク離れが加速してしまうと考えられるのです。
現在は、サブスクに限らず、インターネットサービスの利用者が増え、それに伴いトラブルも増加しています。
利用者が大幅に増えている中でトラブルが増えるのは仕方のない面もありますが、今回説明したように、中には、悪意を持って利用者の解約を阻止するサービスも多くあるのです。
本来サブスクサービスは、顧客を第一に考え、利便性の高いサービスを提供していかなければならないビジネスです。
それにもかかわらず、このような悪質なサービスは増えており、これによって利用者のサブスク離れも起きています。
そして、この問題を早急に解決しなければ、さらにこのサブスク離れが加速することも考えられることなのです。