サブスクにカスタマーサクセスが必要とされる理由

従来のビジネスでは、顧客と企業の関わりはほとんどなく、一度取引が終われば、そこで関係も終了となっていました。

しかし、現在では、そのような関わり方では、顧客を集めることが困難となっており、反対に積極的に顧客と関わることが求められるようになっています。

その中で、多くの企業が取り入れ始めているのがカスタマーサクセスの概念です。

そして、この概念は、継続的に顧客と繋がりを持つことが求められるサブスクビジネスでは、最も重要な要素となっているのです。

そこで今回の記事では、サブスクにカスタマーサクセスが必要とされる理由について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

カスタマーサクセスとは何か?

カスタマーサクセスとは、直訳すると顧客の成功と言う意味であり、言葉の通り、商品やサービスを売るだけでなく、それらを利用してもらう中で、顧客を成功へと導いていく概念を指しています。

この概念は、近年あらゆるビジネスにおいて重要視され始めており、特に、サブスクビジネスにおいては、最も重要な要素として捉えられています。

しかし、まだまだ浸透しているとは言い切れず、従来のビジネスの中には、カスタマーサポートと混同しているケースも多く見受けられます。

この両者は、どちらも顧客の手助けをする概念であり、似ている点もありますが、根本的には大きく異なるものです。

両者の最も異なる点であるのが、顧客に対する向き合い方です。

カスタマーサポートは、商品やサービスを利用した顧客から、問い合わせやクレームを受け、そこから初めて顧客への対応が開始されます。

問い合わせにしろ、クレームであるにしろ、顧客側からのアクションがなければ、顧客と繋がりを持つことはなく、あくまでも、顧客から提出された問題を解決するだけの役割でしかありません。

一方、カスタマーサクセスは、商品やサービスを利用した顧客に対し、企業側からアクションを起こし、その後のフォローを行います。

商品やサービスに関する問題の有る無しは関係なく、全ての顧客に対し行われるため、顧客側からアクションを起こす必要はありません。

つまり、カスタマーサポートは、顧客に対し、あくまでも受け身の姿勢であり、一方のカスタマーサクセスは、積極的に顧客と関わっていく姿勢であるのです。

サブスクにカスタマーサクセスが必要な理由

従来では、顧客との関わりは、カスタマーサポートのように、あくまでも受け身の姿勢が一般的でありました。

しかし、現代は、ビジネスにおいて顧客との繋がりが重要視されるようになっており、従来のような顧客との関わり方では、顧客を維持することが難しくなってきています。

特に、サブスクビジネスのような、継続して利用してもらうことが求められるビジネスにおいては、顧客と積極的に繋がることで、関係性を構築していくことが欠かせない要素となるのです。

その中で、求められるようになったのが、顧客に対し受動的なカスタマーサポートの概念ではなく、能動的なカスタマーサクセスの概念なのです。

サブスクビジネスは、月々決められた額を支払う定額課金が一般的な仕組みです。

この仕組みの場合、顧客と契約を交わす、初めの取引はスタートとなります。

従来のビジネスビジネスでは、顧客との取引はゴールであり、そこでその顧客との取引は終わりとなりましたが、サブスクは、そこからが始まりであり、ゴールは顧客との契約が終わるときとなるのです。

そのため、このゴールまでの期間をどれだけ長く維持することができるかが、サブスクのような仕組みのビジネスでは最も重要となるのです。

そして、そのために必要となるのが、顧客に積極的に関わり、顧客に寄り添うことで、成功へと導くカスタマーサクセスです。

この場合の成功とは、所謂、金銭的な問題や社会的な地位の問題のことではありません。

分かりやすく言えば、顧客が望んでいる成果、結果のことを指しており、日常の些細なことであっても、顧客がそれを望んでいるのであれば、それが顧客の成功であるのです。

そして、その顧客が望んでいる成果を得るために、具体的に何をすれば良いのかを考え、それを実践、もしくは顧客に提案するのが、カスタマーサクセスで具体的に行うべきことであるのです。

しかし、現在のサブスク市場では、お得さや利便性の高さばかりを売りにするサービスが多くを占め、カスタマーサクセスを実践しているサービスはほとんどありません。

このようなサービスは、一時的に顧客を集めることは可能かもしれませんが、継続して利用してもらえる可能性は低いのです。

どんなにお得なサービスであっても、どんなに利便性の高いサービスであっても、そのサービスが期待していた成果に繋がらなければ、顧客はそのサービスを使い続けてはくれません。

サブスクサービスを成功させたいのであれば、顧客を集めることばかりに気を取られるのではなく、カスタマーサクセスを実践し、顧客を成功に導くことが大切なことなのです。

まとめ

現代は消費者のニーズが大きく変化し、これまでのビジネスの流儀が通用しなくなってきています。

その中で、近年最も重要視されるようになったのが、今回説明した顧客と積極的に関わり、成功へと導いていくカスタマーサクセスの概念なのです。

そして、この概念は、サブスクのように継続的に利用してもらうことが必要なビジネスにおいては、欠かせないモノであり、この概念なくしては、サブスクビジネスにおいて成功することはできないのです。