近年、多くの業界でサブスクリプションビジネスの展開が広がっています。
サブスクリプションビジネスと言えば、動画や音楽の配信サービスはもう既に一般化されていますが、今ではデジタル業界だけでなく、飲食やアパレル、家具家電などの業界にも浸透しており、今までにはない価値が生み出されています。
設定された定額料金を支払ったユーザーが、一定期間、契約範囲内で商品やサービスを利用することができるという仕組みであり、近年所有ではなく、利用を望むという価値観の広がりにより、顧客ニーズに合致する仕組みとして認知されてきました。
今後さらに拡大すると予想され、勢いがあるサブスクリプションビジネスですが、当然のことながら、参入すれば誰しもが成功する、というわけではありません。
サブスクリプションビジネスを行う企業をはじめ、多くの企業でCX向上のための戦略が取り組まれています。
もうすでに、CX向上の取り組みが一巡し、次の段階に進もうとしている企業も多いのではないでしょうか。
この場合は特に重要なことが、その一巡目を「振り返る」ということなのです。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスでCX推進を成功させるための振り返りについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。
今後より効率よくサブスクリプションビジネスを行おうと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
CXの推進を既に行った企業は、実際にその実績を振り返り、課題を認識できていたのか、具体的な解決策はあったのか、ということを確認していきましょう。
数年前と比較すると、今は商品やサービスだけでなく、コミュニケーションもデジタル化が進んでいますので、自社のCX活動はどのステージにあるのか、ということをしっかり把握しておかなければなりません。
たとえば、1周目と2周目というステージに大きく分けるとしましょう。
CXを実践している現状を正しく把握することで、振り返りの精度が向上し、さらなる打ち手が有効になります。
1周目の特徴は、CX戦略の実践活動における仕組みや環境構築に注力していることです。
具体的には、FAQやチャットボットなど、顧客のセルフサポートを実現するチャネルの導入を促進したり、SNSを活用してNPSなどの顧客接点の評価を得る仕組みを構築したり、VOCの網羅性の担保や、オペレーション率を向上させるための、音声認識技術を導入したりと、これらの手法は、プロセスをデジタルに置き換えることで、より効率を高めることを目的としているデジタライゼーションとも言えるでしょう。
そしてもうすでに2周目に突入している企業もあるかと思いますが、2周目の特徴は、エンドユーザーに対するベネフィットの向上に、より注力しているということでしょう。
チャネルの果たす役割を再構築している、VOCから見える顧客の行動データや属性データの統合を図ろうとしている、CXの推進に必要な複数の機能を統合する部門が組まれていることなど、ビジネスモデルの変革を視野に入れたデジタライゼーションに着手している状態であると言えるでしょう。
1周目から次のステージに移行するためには、現状を「目的」「効果」「手段」の3つの観点で振り返る必要があります。
正しく振り返るためには、CXを実践した1周目で発生してしまいやすい典型的な失敗を考えてみましょう。
新しい技術を先行し、その施策を評価する上で、どのような課題を解決しようとしているのか、という目的が、そもそも組織や担当者間での認識が異なっていたり、目的自体が明確に共有されていないことに気付いたりという状況もあります。
目的の共有が徹底されていなければ、効果の検証の基準が揃わずに、評価や手段の妥当性にも差が出てしまいます。
たとえば最新のチャネルを導入したにも関わらず、入電が削減されない、という場合においては、正しい観点での振り返りが実施されていない可能性があるのです。
このような状態から2周目へと移行するためには、目的を明確にし、その目的を実践するための手段を再確認することが重要です。
この場合、部門や機能を横断してCX施策が実行されることが必須となるでしょう。
その上で、効果を検証するために、定量や定性、時間軸の基準を定め、改善サイクルを構築しなければなりません。
CX推進の重要性が高まってきている今だからこそ、組織や機能の枠組みを超えた「振り返り」が重要視されているのです。
異常、サブスクリプションビジネスでCX推進を成功させるための振り返りについてお話させて頂きました。
ビジネス規模の大小を問わず、多くの企業がCXを重視している今の時代、企業内の全従業員が正しい理解と共通認識を持って推進することが成功のポイントなのです。
今後更に拡大するであろうサブスクリプション市場で、CXを成功させるためには、まず実践1周目での成功が重要なカギになりますので、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。