サブスクリプションプロダクト開発での差別化と価値

近年、消費者は商品やサービスを購入するのではなく、期間に応じて料金を支払う、サブスクリプションビジネスが拡大しつつあります。

サブスクリプションと聞いて思い浮かぶことは、NetflixやHuluなどの動画配信サービス、Office365などのマイクロソフトでしょう。

上記のようなデジタルのサービスのように、一定期間において内容や品質、価格が保証されたサービスをほぼ無制限に利用することができますので、消費者からの需要がどんどん高まっているのです。

新規事業としてサブスクリプションビジネスを行う場合、まずはどのようなプロダクトをメインとして取り扱うか、ということを考えるでしょう。

自社商品と他社商品との明確な差別化を図ることは、優位に立つことができますし、価値を創造することで、顧客ニーズを満たすこともできるでしょう。

ですが実際にこれらを考えたとしても、差別化と価値を混同してしまっていることは多いのではないでしょうか。

そこで今回は、サブスクリプションプロダクト開発での差別化と価値について、詳しくお話させていただきたいと思います。

サブスクリプションプロダクト開発に課題を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

プロダクトの差別化と価値の違い

差別化戦略は、他の商品にはない特徴や長所を打ち出すためのものであり、競合他社に打ち勝つための定番の手法です。

ですがサブスクリプション市場が拡大している今は、差別化に関しては、顧客に提供する価値は1つでしかありませんので、それだけでは非常に弱い戦略なのです。

価値と差別化の関係性が分かりやすい商品と言えば、家電ブランド「BALMUDA」が挙げられるでしょう。

BALMUDAと言えば、トースターで一躍その名を広げ、そして今では炊飯器や掃除機、空気清浄機、ワイヤレススピーカーなども展開しています。

BALMUDAを見ると、一見デザイン性能や機能そのものが他社と差別化されている、と思うかもしれませんが、実際にBALMUDAを使用しているユーザーは、「他のブランドのトースターよりも美味しく焼くことができる」「デザインがおしゃれ」という理由だけで選んでいるわけではないでしょう。

BALMUDAだから使いたい」という、BALMUDAを使うこと生活こそ価値だと考えるユーザーが多く、結果的に差別化を図ることが出来ているのです

今の機能にさらに機能が付いた、大きさが変わったなどを差別化として求めても、それは一体誰が求めているものでしょうか。

価値観が多様化している中でこそ、ユーザーは本当は何を求めているのか、サブスクリプションサービスにて、誰の何を解決したいのか、ということがプロダクト開発の起点なのです。

誰の何を解決したいのか

もし新商品のアイデアを出す際、どこから手を付ければ良いのか分からない、という時は、身近なところから考えることをおすすめします。

たとえば自分の夫や妻、彼氏や彼女が喜ぶものは何か、どんなことに困っていたのか、それを解決するためにはどのようなものが必要なのか、ということを考えていきましょう。

「誰」の悩みを解決したいのか、という部分が具体的になればなるほど、イメージしやすくなるでしょう

主婦が開発した便利グッズが大ヒット商品になった、という事例も多いですが、これも実際に自分を含め、他の誰かの具体的な悩みを解決するために作ったものだからなのです。

このように聞くと、たった一人の悩みや、個人的な意見で良いのか、と思うかもしれませんが、実際市場には同じように悩みを抱えている人は多くいますので、それを求められている人に熱を持って受け入れられる場合が多いのです。

もちろん、多くの人に認知してもらい、購入へと至るには、プロモーション力は必須でしょう。

ですが、プロダクト開発のまず第一段階からプロモーションに悩みを持つ必要は全くないのです。

どれだけ多くの人から意見を聞いたとしても、その全員に購入してもらう商品を作ることは不可能だからこそ、まずは一人の悩みやこだわりにしっかり寄り添って、価値を創造していくべきなのです。

見るべき相手は競合他社でなく顧客

企業によっては、ある程度のものを作ることができるからこそ、ニーズがあるものを作りたい、と考えることもあるかと思いますが、この考えではあまり上手くはいきません。

もしこの考えでプロダクトを開発したとしても、消費者がその商品を購入する明確な理由がなければ、購入されることはないのです。

その商品を開発するまでの物語こそ、消費者の価値を満足させることができる可能性を秘めているのです。

今現在、顧客に求められている商品は、消費者の要望や欲望と悩みを解決し、そしてそれが価値となっているものがほとんどなのです。

だからこそ、商品やサービスを提供するのであれば、顧客に向き合ったプロダクト開発が重要なのです。

まとめ

以上、サブスクリプションプロダクト開発での差別化と価値についてお話させていただきました。

サブスクリプションビジネスでの、プロダクト開発のスタートは、誰の何を解決したいのか、ということにあります。

日本の企業は長い間差別化で戦ってきたからこそ、他社よりも魅力的で安く、早く、良いものを、というような意識を持っているのですが、競合企業ばかりを見ているだけでは勝てない時代です。

ぜひこれらのことをしっかり意識したプロダクト開発を行い、サブスクリプションビジネスでのをスムーズに進めてくださいね。