サブスクリプションビジネスに「eKYC」を導入するメリット

近年、さまざまなビジネスが生まれているサブスクリプションは、月額や年額など、料金形態で継続利用する方式のサービスを意味しています。

サブスクリプション市場は確実に拡大しており、今後もサブスクリプションサービスの需要はどんどん増していくことが考えられています。

顧客の商品やサービスに対する価値観が、従来までのモノの価値を保有することから、モノの価値を気軽に利用することができるコトにシフトしていることが、サブスクリプションビジネスの追い風になっていることでしょう。

さまざまな業界で、「eKYC」の活用が進んでいますが、サブスクリプションビジネスにおいてもeKYCを活用するべきであることをご存知でしょうか。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスに「eKYC」を導入するメリットについてお話させていただきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスをより効率よく進めようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

eKYCとは

eKYCとは、electronic Know Your Customerの略称であり、オンラインでの本人確認を意味します。

従来まではKYCという電子的に本人確認が行われていたのですが、今は金融とIT技術を融合させたフィンテック分野の取り組みのひとつとしてeKYCが注目されているのです。

eKYCは本人確認の審査が必要となる幅広いシーンで活用されており、特にその中でも金融サービス申し込みで活用される場合が多いでしょう。

口座申し込み以外にも、電子マネーやQR決済などの決済サービスの登録、フリマアプリやオークションの登録、通信会社との契約、そして最近では車サブスクリプションサービス利用時の免許証の真贋判定にも活用されています。

eKYCが注目されるようになったのは、犯罪収益移転防止法がきっかけのひとつでしょう。

また、コロナ禍においてオンライン完結への需要拡大により、サブスクリプションビジネスなどのオンライン完結サービスを提供することに注力する企業が増えていることも、eKYCが注目されている理由のひとつです。

eKYCを導入するメリット

・顧客の手間と工数を削減する

一つ目のメリットは、顧客の手間と工数を削減することでしょう。

従来までの本人確認では、顧客が本人確認のための書類をコピーし、顧客自身がポストへ投函するという手間と工数があったのですが、eKYCではスマートフォンで顧客自身が本人確認の書類を撮影し、オンラインで申請が完了するという手軽さが大きなメリットです。

・スピーディなサービス利用開始を実現する

オンラインで本人確認の審査を完結させることができますので、郵送でやり取りをしていた申請から利用開始までのタイムラグを大きく短縮することができ、スピーディにサービス利用を開始することができます。

・サービス利用ハードルが下がり利用を促進する

顧客のサービスの利用ハードルが下がることで、利用促進や売り上げ拡大への寄与に期待することができます。

eKYCでは、顧客の本人確認の手間や工数が減りますので、本人確認の審査がスピーディに行われ、顧客のスムーズなサービス利用をサポートしますので、利用に対するハードルが下がる可能性があるのです。

そして顧客のサービス利用が増えることで、企業の売上拡大に繋がり、よりサービスの拡大に繋げることができるでしょう。

・ペーパーレス化により業務効率化に繋がる

今まで書類などの紙ベースでやり取りをしていた場合は、費用を削減することができます。

郵送費や、書類を保管するために必要なスペース費用や維持費用などが必要になっていたかと思いますが、eKYCでは本人確認が電子化されており、ペーパーレス化が進んでいますので、それらの費用を削減することができる可能性があります。

また、リスク管理の観点から見ても、思いもよらないトラブルが発生した際のデータ紛失や、書類の劣化などのリスクも避けることができるでしょう。

eKYC導入時の課題

eKYCを導入する際の課題としては、まずスピーディな審査を実現するために、いかに効率的な業務フローを設計することができるか、ということにあるでしょう。

スピーディな審査を実現するためには、明確な判断基準やルールが必要ですので、本人確認不備立を低減させるためにも柔軟な対応が求められるでしょう。

また、いかに申し込み時の不備を最小限にとどめ、審査の停滞を防ぐことができるか、ということも重要なポイントになります。

二つ目の課題としては、繁閑差に応じた柔軟な稼働体制です。

スピーディな本人審査が求められる顧客ニーズがありながら、柔軟に人員体制を増やすことが難しい場合、通常よりも審査完了までの待ち時間が長くなってしまいますので、この稼働体制のあり方に悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスに「eKYC」を導入するメリットについてお話させていただきました。

サブスクリプションビジネスにeKYCを導入することで、より効率よくビジネスを進めることができることをお分かり頂けたでしょうか。

まだまだ課題はあるものの、eKYCのメリットを十分に活かすことで、今後のサブスクリプションビジネスに非常に良い影響を与えますので、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。