サブスクリプションビジネスでの「メール問い合わせ」の改善策

サブスクリプションビジネスとは、商品を購入して所有することから、一定期間利用することができる権利に対して料金を支払うビジネスモデルです。

サブスクリプションビジネスが拡大し始めた当初は、動画や音楽、電子書籍などのデジタル商材が主流であったのですが、今では自動車やファッション、家具家電などもサブスクリプションサービスとして提供され始めており、サブスクリプション市場は確実に拡大しているのです。

サブスクリプションビジネスでは、従来までのビジネスモデルとは取得することができるデータが大きく違うことが挙げられます。

従来までであれば、購入後の顧客行動や、傾向データを取得することは難しかったのですが、サブスクリプションビジネスではそれらのデータを、容易に得ることができ、活用することで、戦略の幅や精度が大きく向上させることができるのです。

サブスクリプションビジネスを行っていると、顧客からの問い合わせにいかに素早く的確に対応するか、ということが重要になってきます。

特に多い問い合わせが「メール」であり、このメール問い合わせに課題を持たれている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスでの「メール問い合わせ」の改善策について、詳しくお話させて頂きたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスを効率よく行っていきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

メール問い合わせの返信速度

企業によって、顧客からの問い合わせメールをいつまでに返すか、というKPIを設定していることでしょう。

顧客満足度の視点から見ると、顧客からの問い合わせに対し、待たせてしまうということは、顧客満足度に悪い影響があると考えられますので、基本的にはメール問い合わせの返信は早ければ早いほど良いと考えられる場合が多く、この考えのもとKPIを設定している場合が多いのではないでしょうか。

ですがたとえば、感覚的に「返信は1時間以内」というKPIが設定されていても、その目標を達成することができる場合はほとんどなく、さらに「早くさばかなけれなならない」という心理が先行してしまい、品質の低下に繋がってしまう、という悪循環が続くことがあるのです。

ですので、膨大な顧客対応データとVOCを収集し、NPSに効果があり、現実的に達成可能なKPIは何なのか、NPSはどこで向上し、どこで低下しているのか、ということをしっかり探らなければなりません。

NPSの向上を目的とするなら解決率を追求する

基本的に考えられていることは、「4時間以内の返信」を行うことができていれば、ポジティブな効果が現れます。

顧客が問い合わせたタイミングから、メールの返信が4時間以内であれば、NPSは高いスコアで維持されていることがわかりました。

言い方を変えると、メールの返信のKPIを4時間以内に設定すれば、NPSにポジティブな効果が期待することができるのです。

そして、コメントマイニング分析により、ネガティブな反応に繋がるポイントを探すと、メールの返信が46時間経過したところから、圧倒的に「遅い」というコメントが多くなっています。

つまり、NPS向上を狙うならメール返信時間を4時間以内とし、通常時のKPIを設定し、NPS低下を防ぐならメール返信時間を46時間以内とし、繁忙期のKPIを設定すべきなのです。

メールの返信は、早ければ早いほど顧客満足度が上がると思われていたのですが、実は4時間以内であれば、高いNPSを期待することができますし、もし顧客を待たせてしまったとしても、46時間以内であれば顕著なNPSの低下には繋がらないことが分かります。

また、当然のことながら課題解決率とNPSは相関することは忘れてはいけません。

顧客の問題を解決することが最重要

何よりも大切なことは、顧客の問題を解決することであり、そのための対策を行わなければなりません。

従来までであれば、届いたメールを順に「さばく」という運用を行っていたのであれば、「すぐに回答できる内容」と「回答までに時間がかかる内容」を仕分けすると良いでしょう。

すぐに回答することができる内容は、4時間以内に返信し、回答に時間がかかる内容は、じっくり調査をして46時間以内に返信するという運用フローを整えましょう。

また、時間の余裕を活かして、顧客が問い合わせまで-に至った真意を想定した「回答の先回り」を実施することで、さらなるプラスαの回答により、顧客の満足度がより高くなります。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスでの「メール問い合わせ」の改善策についてお話させて頂きました。

いかに顧客にストレスなく、課題を解決してもらうことができるか、ということは、サブスクリプションビジネスを続ける上では非常に重要です。

また、自己解決を速やかに行うことができる環境を顧客に提供し、そもそもの問い合わせをなくす取り組み、そして問い合わせに至った顧客を絶対に解決まで導く運用が必要です。

このような課題はよくある課題の1つですので、ぜひこれらの改善策を参考にしてくださいね。