サブスクリプションビジネスの役に立つ「エスノグラフィー」とは

顧客が企業に対し、料金を支払うことで、一定期間商品やモノ、サービスを利用することができる「サブスクリプション」が多くの注目を集めています。

新規顧客を獲得しにくい今の時代、顧客に継続して商品やサービスを利用し続けてもらうことが、非常に重要な課題とされていますので、多くの企業がサブスクリプションビジネスの導入を進めているのです。

サブスクリプションビジネスを確実に成功させるためには、顧客ニーズを的確に把握し、それに合った商品やサービスを提供しなければなりませんので、マーケティング活動は欠かすことができません。

マーケティングリサーチにおいて、定性調査として行動観察調査である「エスノグラフィー」を行おうと考える方も多いでしょう。

エスノグラフィーは、顧客のことをより深く知ることができますので、正しく行うことでより効率良くビジネスを進めることができるのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスの役に立つ「エスノグラフィー」とは何か、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスで、より顧客満足度の向上を目指したいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

エスノグラフィーとは

定性調査の一種であり、調査する人物がターゲットとなる対象と同じ生活環境で、同じような行動を行い、顧客のことをより深く知るための調査方法です。

もともとは、文化人類学や民俗学などの分野において用いられてきた研究方法であり、調査対象となる民族の文化を解き明かすことが目的とされています。

ですが近年では、このエスノグラフィーはマーケティングだけでなく、人材育成やマネジメントなどのビジネスの分野でも取り入れられるようになっているのです。

顧客の購買行動は潜在意識に基づいて実行されることが多いので、顧客本人であってもなかなか言語化が難しいと考えられているので、エスノグラフィーを活用し、顧客の本来の行動や言動をしっかり観察し、そこから生まれる潜在ニーズや課題を探っていくのです。

エスノグラフィーの使い方

大前提としては、比較的実施する難易度が高いと言われえていますので、誰でも気軽に調査できる、というわけではありません。

それでもなぜエスノグラフィーを活用すべきだと考えられるのか、それは、生活者と行動を共にすることで、生活者を深く理解することができるからなのです。

エスノグラフィーを行い、ターゲットと行動を共にするからこそ知ることができることが確かにあるのです。

エスノグラフィーのメリット

エスノグラフィーを実施する上で得ることができるまず1つ目のメリットは、リアリティある情報に多く出会えることでしょう。

たとえば、消費者が日常的に使用し、密接に関わり合っている商品の場合、実際にどのような利用方法で活用されているのか、ということは社内で考えていても、リアリティを持って理解することは難しいでしょう。

だからこそエスノグラフィーによって、商品の課題や強みを確認することは、非常に大きなメリットなのです。

2つ目のメリットは、潜在ニーズや新しい仮説を発見することができることでしょう。

固定概念に捉われることなく、新しい視点から潜在ニーズや仮説を発見することができます。

たとえば、飲食ブランド「HEINZ(ハインツ)」のケチャップを思い出してみてください。

HEINZのケチャップのボトルキャップは下にあり、上下逆さになって売られていますが、このボトルキャップの開発のきっかけは、エスノグラフィーを行った結果、残り少なくなっているケチャップを逆さにして保管していることがわかり、消費者の潜在的なニーズを見つけることができ、それを商品開発に活かしたのです。

これは、中身がたっぷり入っているケチャップを見ているだけでは見つけられなかった発見と言えるでしょう。

そして3つ目のメリットは、消費行動に至る背景を理解することができる、ということでしょう。

商品やサービスの評価というものは「売り上げ」に数値として表れますが、もし売り上げが良かったり悪かったりしても、それがなぜ購買に至ったのか、もしくは至らなかったのか、という背景は、顧客心理を調査する側がしっかり読み取り、想像しなければなりません。

エスノグラフィーを行うことで、消費者がその商品をどのように使用し、なぜ使用しているのか、消費者の行動や生活環境から、より具体的に想像し、理解することができるでしょう。

エスノグラフィーでは、消費行動に至る背景を探る材料が非常に豊富に揃うのです。

まとめ

サブスクリプションビジネスの役に立つ「エスノグラフィー」について、詳しくお話させていただきました。

調査で得た情報をいかに活用するか、ということが重要であり、より顧客の潜在ニーズに迫ることができるので、より的確なサブスクリプションサービスを提供することができます。

ぜひエスノグラフィーの知識を深め、サブスクリプションビジネスに役立ててくださいね。