サブスクビジネスは、数年前の登場後より大きな話題となり、あらゆる分野に広く普及しています。
現在では、既存の企業までもが、サブスクビジネスへの関心を高め、ビジネスを転換させる企業が後を絶たない状況となっているのです。
しかし、それらの企業の多くは、成果を上げるどころか苦戦しているケースが多いのです。
その理由はいくつかありますが、最も大きいのが、サブスクのメリットを活かしきれていないことなのです。
そこで今回の記事では、サブスク導入後にすべきことについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
近年、サブスクビジネスの普及が進んでおり、新しく立ち上げられた企業だけではなく、既存の企業においても、サブスクビジネスへの転換が増えています。
しかし、サブスクビジネスがいくら注目されるビジネスであるからと言って、必ずしも良い結果が出るわけではありません。
特に、既存の企業の場合、サブスクビジネスとこれまでのビジネスでは、あらゆる面で異なる点が多いため、切り替えがうまく進んでいないケースが多いのです。
その中でも、多くの企業が問題としているのがデータの取り扱いです。
デジタルを活用するため、顧客データを容易に収集できると言うのが、サブスクビジネスの大きなメリットではありますが、そのメリットを活かしきれていないケースが多いのです。
この顧客データの取り扱いの問題は、サブスク市場全体の課題でもあります。
サブスクは導入すればすぐに効果があると言うわけではなく、導入した後に、うまくデータを活用できるかどうかが成否を分けるポイントであるのです。
例えば、サブスクの中でも成功するのが難しいとされているモノを取り扱うサービスでも、導入後に的確にデータを活用することにより、多く顧客の支持を得ているサービスもあります。
具体的な例として、既存の花屋がサブスクを導入した事例では、顧客の来店回数、解約率、原価率、クロスセルなどをデータ化し、一元管理したうえで活用しています。
この花屋のサービスは、花を提供するものですから、当然原価がかかります。
そのため、顧客の来店回数を数値化し、どこまで原価をかけることができるのかを、データを活用して算出しているのです。
花だけでなく、モノを取り扱うサービスの場合、原価率を数値化することは非常に重要なことです。
利益を出すためには原価率を下げる必要があり、そのためには仕入れを下げるか、価格を上げるかしなければなりません。
その判断に必要となるのが、原価率の数値化なのです。
また、この花屋のような既存の店舗型小売業であれば、利益を上げるために、サブスクの利用だけでなく、クロスセルを上げることも必要です。
店舗があるということは、顧客が店舗を訪れてくれる機会も多く、その際に、クロスセルに成功すれば収益性も向上させることができるのです。
そのため、このサービスではデータを活用し、より収益性の高い商品の開発を行い、クロスセルを向上させているのです。
さらに、このサービスが重要視しているのが解約率の数値化です。
このサービスに限らず、継続して利用してもらうことが重要となるサブスクでは、解約率を下げることが大きな課題となっています。
このサービスも、解約率を数値化することで、常にそれを意識しているのです。
このサービスに限らず、サブスクサービスにおいて、顧客の解約を防ぐためには、顧客がサービスに満足していることが必要です。
いくら便利でお得なサービスであっても、満足できないサービスを継続して利用してくれる顧客はいないのです。
そして、そのために必要となるのが、ここでも顧客データなのです。
この花屋のケースでは、店舗があると言うメリットがあるため、顧客と密なコミュニケーションをとることが可能となります。
その際に、その顧客の名前や来店回数、利用履歴などのデータを活用し、サービスの質を上げることに注力しているのです。
これまでのビジネスでは、店舗に来店してもらっても、利用履歴どころか、その顧客の名前すら分からないこともありました。
しかし、データを利用することができれば、名前や住所だけではなく、どんな花が好みなのか、どんな時に利用するのかと言った顧客に関する詳細な情報が把握でき、それをもとに質の高いサービスを提供することができるのです。
これは、店舗型のサブスクでなくても同じです。
その顧客の詳細な情報が分かれば、どのようなサービスであっても、サービスの質を向上させることができ、さらに、顧客が継続して利用してくれるほどに、そのデータの精度は上がっていくのです。
このデータを活用しない、もしくはうまく活用できていないと言うのは、サブスクサービスにとって、致命的とも言える状況であるのです。
サブスクビジネスの成功には、サブスクを導入するだけではなく、その後、サブスクによって得られたデータをどのように活用していくかが鍵となります。
サブスクは、単にビジネスの仕組みにすぎません。
導入しただけでは、成功できるわけはなく、大切なのは、導入した後なのです。
サブスクのメリットである、顧客データを最大限に活用し、それを基に、日々サービスを改善し続けることがサブスクの成功のためには欠かせないことなのです。