サブスクリプションビジネスでの顧客満足度調査では「高得点者」を重視すべき理由

ここ数年、サブスクリプションビジネスモデルが脚光を浴びています。

なぜサブスクリプションが多くの利用者から支持を得ているのか、それは商品を所有しなくても、その商品の利便性を受けることができる、ということにあるでしょう。

サブスクリプションビジネスは、消費者が商品やサービスを一定期間利用するための権利を得る仕組みであり、その権利に対して料金を支払うビジネスモデルのことを言います。

ですので、定額制サービスと同様に捉えられることもあるのですが、定額サービスとの大きな違いは、サブスクリプションは「顧客満足度」を最重視したサービスを提供する、ということを念頭においたビジネスモデルであるということでしょう。

サブスクリプションビジネスが大きな注目を集めている背景には、ユーザーニーズと価値観が大きく変化していることが挙げられ、インターネットやスマートフォンの普及があるでしょう。

サブスクリプションビジネスで、顧客に選ばれ続けるサービスを行うには、常に顧客満足度を向上させ、高い位置で保たなければなりません。

そのためには、顧客満足度調査を行い、高得点者に注視しなければならないのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスでの顧客満足度調査では「高得点者」を重視すべき理由について、詳しくお話させていただきたいと思います。

自社サブスクリプションビジネスを、確実に成功に近づけたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

顧客満足度を十分に活かす

実際に今、自社商品やサービスはどのように評価されているのか、その現状を把握するために顧客満足度調査を行っている企業は多いかと思います。

企業によっては、独自で行うことがあれば、調査会社を通じてインターネットによる定量調査や数人を集めてインタビューを行う企業もあり、顧客ロイヤルティを測るために「NPS」という指標が用いられることもあるでしょう。

このような顧客満足度調査による結果は、十分に活用されているでしょうか。

顧客満足度調査を最大限に活かすためには、「高評価者を重要視すること」「NPSをKPIにしない」ということに注意しなければなりません。

なぜこれらを注意しなければならないのかを考えてみましょう。

推奨してもらうことが重要

消費者の購買行動は、商品やサービスを認知し、それを良いと訴求し、さまざまな情報を調査した上で、購入行動に至り、そして他の人に推奨する、という5つのステップが重要です。

従来までであれば、商品やサービスは、そもそも認知していなければ購入に至りませんし、それを他の人に奨めることもありませんでした。

ですが、SNSが普及している今、SNSが消費者行動に強く働きかけているため、購入したことはないが、なんだか良い印象がある、と感じる人や、SNSで高評価だったから、という理由で人に奨めることが当たり前になったのです。

その推奨する人は、必ずしもユーザーであるとは限らず、上記の5つのステップの上で、その商品やサービスを知っている人が100人いるとすると、その100人全員が誰かに推奨している状態こそ、最高のブランドなのです。

また、BtoBの場合では特に、紹介案件こそ受注率が高いので、推奨や紹介は非常に重要であることがわかります。

では、どのようにすれば紹介してもらえるのか、ということを考えた際、すでに紹介してくれている人に「なぜ?」と聞くことが一番早いでしょう。

つまり、顧客満足度調査によって高評価を付けてくれている人や、NPSで高得点を付け推奨者になってくれている人に、その理由を聞くべきなのです。

高評価を付けてくれたユーザーは、当然のことながら最初から高評価ではなかったはずでしょう。

どこかのタイミングや何かのきっかけで、「良いな」と思ったはずですので、それを深堀りしていくと、顧客が自社のファンになってくれた道筋を知ることができるのです。

NPSをKPIにしない

顧客満足度調査を行う際、NPSをKPIにしない、ということも注意点の1つでしょう。

たとえば、NPSをスタッフの評価軸として活用している企業がありますが、これはあまり行うべきではありません。

なぜならば、9点の人を10点にすることは難しいのですが、3~4点の人を5~6点にすることは明らかな不満や問題を解消すれば点数は上がるので、簡単ですよね。

もしこれをスタッフの評価軸としてしまうと、自分の評価として置き換えてしまうため、低得点の人の問題を解決することに重視してしまうので、高評価者に注目する、という見方ができなくなってしまうのです。

ですが、9点以上を目標としてNPSを設定するのであれば、自然と高評価に目が行きますので、価値があると考えられるでしょう。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスでの顧客満足度調査では「高得点者」を重視すべき理由について、詳しくお話させていただきました。

SNSの普及に伴い、ユーザーの声をより身近に聞くことができるようになったからこそ、同時に否定的な声も広がるようになっていますので、低評価が気になるという傾向も強くなっています。

顧客の声に耳を傾けすぎると、そのブランドの軸そのものをブレさせてしまうことがありますが、傾けるべき意見にはしっかり耳を傾けるようにし、聞くべき意見と無視して良い意見をしっかり切り分けることが重要です。

着眼点を変えることで、顧客満足度調査の活かし方も施策も大きく変わってきますので、ぜひこの機会に改めて考え直してみてくださいね。