近年、定額料金でサービスを提供する、サブスクリプションビジネスモデルを活用したサービスがどんどん生まれています。
サブスクリプションビジネスは、利用期間ごとに利用料金が発生しますので、従来までのような都度課金ではなく、月額制や年払いなどの定期課金が該当します。
そしてサブスクリプションビジネスの本質は、顧客ニーズを常に把握し、より良くサービスをアップデートし続けることが求められます。
サブスクリプションビジネスを行う上で知っておくべきことは「商品ライフサイクル」です。
最適なマーケティング戦略を見出すためにも、商品ライフサイクルを知っておくことは非常に重要です。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスで知っておくべき、商品ライフサイクルについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。
これからサブスクリプションビジネスをスタートさせ、確実に成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
商品ライフサイクルは、ひとつの商品が販売され、市場に現れてから、完全に消えてしまうまでの一連の流れを表す理論です。
市場に導入される「導入期」、需要を大きく拡大する「成長期」、徐々に新規で利用する人が減少する「成熟期」、やがては利用者自体が減少する「衰退期」という、4つのフェーズを順番に通ると言われています。
それぞれのフェーズによって、得ることができる売上高や利益が変わってくるということが非常に重要です。
商品ライフサイクルを活用するメリットは、現時点での最適なマーケティング戦略の方向性を明確にすることができるということでしょう。
自社商品やサービスは、今後さらなる需要拡大を見込むことができるのか、それともどれだけ頑張ったとしても、需要拡大に期待することは難しいのか、ということを判断できると、商品やサービスによってコストや労力をかける必要があるのか、否かということを判断することができます。
そうすると、無駄なコストを無くすことができますし、注力すべき商品を明確にし、確実に利益を得ることができます。
また、どのような顧客がどのような商品やサービスを求めているのか、ということを把握することで、より一層的確なマーケティング戦略を打ち出すことができるでしょう。
導入期は商品やサービス開発後、市場で販売開始したフェーズであり、商品の開発や改良、設備導入のため多くの先行投資が必要なのですが、認知度が低いので売上にはあまり期待できません。
イノベーター層からの購入に限定され、基本的には多額の赤字を抱えることが一般的です。
業界に特化した展示会などに参加し、商品やサービスを宣伝する施策、もしくはサンプルの提供に注力し、1人でも多くのイノベーター層に認知してもらうための施策が効果的でしょう。
成長期は、消費者に自社商品やサービスが認知され、はじめて急速に市場が拡大するフェーズです。
売上高も大幅に増加しますが、その一方で競合他社も多くなりますので、市場内での競争が激化し、その競争に勝つための流通経路の確保や商品改良、宣伝広告に多くのコストが必要になります。
このような成長期では、市場のシェアや売上高を最大化することを目的としたマーケティング戦略が有効でしょう。
販売チャネルの増加、広告などを活用した大衆に向けた販促活動を行いましょう。
また、成長期では流行や安心感を求める消費者がターゲットになるので、インフルエンサーを起用し、徹底的に商品の安全性をアピールしましょう。
そして利用しやすい価格設定をし、アフタサービスを充実させることなども非常に効果的です。
成熟期は、消費者の間で自社商品やサービスが十分に知られている状態で、市場の成長率が純化するフェーズです。
市場の成長の純化に伴い、売上も徐々に安定してきます。
また、新規参入の減少により、商品開発や生産、販促活動も不要になってきますので、売上は高い水準で推移するものの、費用は減少していきますので、最も利益率が高い状態と言えるでしょう。
このような成熟期では、同じような商品やサービスが溢れているため、価格競争というリスクに直面することが多いでしょう。
そのため、機能面のアピールや認知度向上ではなく、競争回避とファン獲得を目的としたマーケティングが重要です。
ブランディングやデザイン性向上などの価格や、他社と異なる価値を提供すると良いでしょう。
衰退期は、商品やサービスの需要が減少し、市場が縮小するフェーズです。
代替品の出現により相対的に今現在の商品の魅力が低下したり、技術の進化や生活様式の変化によりその商品やサービスの存在意義が薄くなるなどにより、発生する傾向があります。
この衰退期では、ビジネス規模の縮小や市場からの撤退を目的とすることが望ましいです。
少しずつ売上が減少していく可能性が高いので、できるだけ赤字になる前に別のビジネスや別の商品やサービスに注力することが望ましいでしょう。
ですが市場が縮小したとしても、ファンを獲得している場合には、コスト削減により最低限の利益は得られることができますので、必要最低限のみ提供するように切り替えていきましょう。
以上、サブスクリプションビジネスで知っておくべき、商品ライフサイクルについてお話させて頂きました。
商品ライフサイクルは、自社のサブスクリプションビジネスに適したマーケティング戦略を特定する上では、非常に役に立つ理論です。
サブスクリプションビジネスをより効率よく成長させたいと思われている方は、ぜひ商品ライフサイクルの理論を参考にしてみてくださいね。