サブスクリプション商品開発時に役に立つ、デプスインタビュー

ここ数年で、商品やサービスを購入するのではなく、利用期間に応じて利用料金を支払う、サブスクリプションビジネスが大きな広がりを見せています。

サブスクリプションとして思いつくのは、NetflixやHuluなどの動画配信サービスや、マイクロソフトなどがありますが、最近では車やアパレル、美容品などのサブスクリプションビジネス展開が始まっており、サブスクリプション市場はどんどん広がっているのです。

サブスクリプションビジネスを行う上では、マーケティングを行うことが多いかと思いますが、このマーケティングリサーチの手法として、デプスインタビューというものがあります。

デプスインタビューはさまざまなビジネスで活用されているマーケティング手法であり、サブスクリプションビジネスでも特に商品開発時には非常に有効だと考えられているのです。

そこで今回は、サブスクリプション商品開発に役に立つ、デプスインタビューについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

これからサブスクリプションビジネスの商品開発を行おうと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

デプスインタビューとは

デプスインタビューとは定性調査の代表的な手法と考えられている深層面接法です。

1対1の対話形式で行われますので、表面的な情報だけでなく、顧客のライフスタイルをしっかり理解した上で、顧客の思想や行動、背景を掘り下げて調査していきます。

デプスインタビューを行うことで、顧客が自分でも意識していない無意識の行動や、潜在的なニーズを引き出し、それらをしっかり把握していきます。

デプスインタビューのメリットとデメリット

メリット

デプスインタビューを行うことで得ることが出来るメリットは、まず詳細な情報を収集することで、意思決定のプロセスに繋がることでしょう。

1人あたり、1時間~1時間半ほどをかけてインタビューを実施しますので、顧客の考えや自社を選んだ理由などを詳細に確認することができますので、どのようにして意思決定を行うことができたのか、解明することができるでしょう。

購買行動に至るまでは顧客個人のライフスタイルや、その背景などがありますので、潜在的なニーズを知るためには、デプスインタビューが非常に適しているのです。

また、プライベートに踏み込んだ質問を行うことができることもメリットのひとつでしょう。

複数名いる場合では話し辛い話でも、デプスインタビューでは本人の了承を得ることで、深く踏み込んで話を聞くことができ、さらに本音を確認することができるのです。

複数名でのインタビューでは、他の人の意見に影響されてしまうこともあるのですが、デプスインタビューの場合は、周囲の意見に左右されずに自由に意見を述べることができます。

デメリット

デプスインタビューのデメリットも予め理解しておかなければなりません。

まずはコスト面にあります。

前述した通り、デプスインタビューは1名に対し1時間~1時間半の時間を費やさなければなりませんので、他の調査と比較すると、1人あたりの単価が高くなってしまいますので、どうしてもコストがかかってしまいます。

たとえば10名を調査しようと思えば、最低でも10時間必要になってしまいますので、調査結果の分析時間も含め、スケジュールに余裕を持たせなければなりません。

また、議論の発展性も期待できないこともデメリットです。

他の参加者と意見交換を行う場合であれば、その会話内でどんどん考えが膨らんでいき、共感を生むことがあるのですが、デプスインタビューの場合は個人でのインタビューでありますので、あくまで個人の思考や行動を掘り下げて、その個人の深層心理を探っていきます。

デプスインタビューの流れ

デプスインタビューの流れとしては、まず事前にWebアンケートなどを行い、スクリーニングをかけ、調査に相応しい対象者を決定します。

そして調査協力者に対する謝礼を準備し、インセンティブの決定を行います。

一般的には60分5,000円~10,000円の範囲内で設定されますが、専門的な調査や企業の上級管理職などの場合は、もう少し高い金額が適しています。

その後は、質問内容を洗い出していきます。

限られた時間内で行わなければなりませんので、その中でも重要なポイントを押さえるためにも質問に優先順位を付けることがポイントです。

その優先順位により、順序に沿ってインタビューのシナリオを作成していきます。

この際、質問にかかる時間を設定することもデプスインタビューを成功させるポイントです。

これらの準備がしっかり整えたら、デプスインタビューを実施していきます。

調査対象者の総数は、案件のテーマや目的などによって異なりますが、平均的には10名程度のサンプル数を確保しましょう。

まとめ

以上、サブスクリプション商品開発時に役に立つ、デプスインタビューについて、詳しくお話させていただきました。

デプスインタビューは、顧客の潜在的な意識を迫ることに非常に適した調査手段ですので、顧客の購買行動や意思決定のプロセスを可視化することができるよう、事前準備と質問設計をしっかり行うことが重要です。

商品開発にも非常に役に経ちますので、ぜひサブスクリプションビジネスにデプスインタビューを取り入れてくださいね。