サブスクリプションは、従来よりもお得感がある、消費者にメリットの多いサービスとして認識されています。
しかし、消費者側にメリットが多いと言うだけでは、これほど急速に成長することは考えられません。
このビジネスは、サービスを提供する側にも多くのメリットがあり、それ故に、参入する企業が後を絶たないのです。
そこで今回の記事では、サブスク導入で得られる企業のメリットについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションは、これまでのビジネスとは異なり、商品やサービスを定められた期間利用できる権利を得るために、定められた料金を支払う形態のビジネスモデルです。
一般的には、定額制のビジネスモデルとして認識されていますが、従来のとは重視するポイントが大きく異なります。
双方とも、顧客と企業が契約を交わし利用するという点では変わりありません。
しかし、従来の定額制モデルが、あらかじめ決められている商品やサービスを顧客に提供するのに対し、サブスクは、顧客を起点として、そのニーズに合わせて商品やサービス、価格を決定するのです。
分かりやすく言うと、従来では単に決められたサービスを提供するに過ぎないのに対し、サブスクは、顧客の視点で考えられた、顧客のニーズに合わせたサービスを提供する、顧客重視のビジネスモデルなのです。
そして、サブスクでは、顧客それぞれに最適なサービスを提供するために、顧客のデータを活用します。
このデータは、顧客が継続してサービスを利用するほど蓄積されていき、よりその顧客に適したサービスが提供することが可能となるのです。
この顧客のデータを収集、蓄積し、分析したうえで、サービスに還元していくことが本質であり、この点において、サブスクは、従来の定額制モデルとは大きく異なるのです。
サブスクは、上記のように、顧客の視点で、顧客それぞれに最適なサービスを提供していくビジネスであるため、顧客にメリットが多いように思われますが、実はサービスを提供する企業にとってもメリットの多いビジネスなのです。
そして、この企業側のメリットとして、まず挙げられるのが、安定した収益を上げることができるという点です。
従来のビジネスは、あらかじめ決められた商品やサービスが提供され、それをその都度購入する仕組みであり、どの程度売れるかを予測することしかできませんでした。
一方、サブスクビジネスは、商品やサービスを定められた期間利用する為に、契約を交わし、毎月、もしくは毎年料金を支払う仕組みです。
これにより、毎月、もしくは毎年、ある程度計算ができる収入を見込めるのです。
例えば、サブスクの毎月の利用料が5000円のサービスに、1000人の利用者が契約をしていた場合、毎月の売り上げが500万円見込めることになります。
ここから様々なコストが引かれるため、全てが利益となるわけではないですが、ある程度計算することは可能となるのです。
この収益を見込めると言うメリットは、これまで従来型のビジネスを行ってきた企業にとっては、非常に魅力的に映ります。
それ故に、このメリットだけに着目し、サブスク事業に参入する企業も多いのです。
次に挙げられるのが、顧客との関係性を構築できると言う点です。
これは、今後のビジネスにおいて、先ほど述べた収益の安定よりも重要となることです。
現在は、どのビジネスにおいても顧客との関係性の構築が重要視されています。
しかし、従来型のビジネスは、これまで顧客と繋がることを疎かにしていたため、顧客との接点が少なく、この関係性を構築するのは難しいことなのです。
一方、サブスクは、そもそもが顧客が起点となるビジネスです。
顧客に長く継続して利用してもらうために、顧客との関係性を構築し、顧客との繋がりを強固なものとしていくことが求められるのです。
例えば、音楽や動画配信などのサービスでは、顧客の利用履歴や行動履歴などのデータから、その顧客に最適なコンテンツをお勧めする機能があります。
これにより、顧客は自身の好みのコンテンツをすぐに利用することができるのです。
毎回、好みのコンテンツを探すと言うのは、意外と面倒なことですし、また、データを活用することで自身では選ばないようなコンテンツが発見できることもあるのです。
このような体験により、顧客はサービスに満足し、継続して利用してくれる可能性が高くなるのです。
サブスクビジネスが、これほどまでに成長することができたのは、サービスを利用する側だけでなく、サービスを提供する企業側にも多くのメリットがあるからなのです。
しかし、メリットがあるということは、もちろんデメリットも存在しています。
サブスクビジネスを成功させるためには、今回説明したメリットばかりではなく、デメリットも理解することが重要なのです。