これからのサブスクに必要なのはお得さではない!

日常生活の中で目にする機会が増えたサブスクリプションサービスは、今や消費者の生活に定着した感があります。

しかし、名前は広く知られていても、利用したことがないと言う消費者も意外と多いのです。

それらの消費者は、サブスクがお得なサービスであると言う程度のことは理解していますが、詳しい仕組みなどは理解していないのです。

サブスクが今後さらに成長するためには、今現在利用しているユーザーだけでなく、このような消費者も取り込んでいかなくてはなりません。

しかし、このような消費者はお得だからと言って簡単に利用してはくれません。

それらの消費者が求めているのは、お得さだけではないのです

そこで今回の記事では、これからのサブスクに必要なものについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクで支持されるのは配信サービスだけ?!

サブスクリプションは、商品やサービスを一定の期間利用できる権利を得ることに対して、定められた対価を支払う仕組みのビジネスモデルです。

最も良く知られているのが、動画や音楽などの配信サービスであり、毎月定められた料金を支払うことで、動画が見放題、音楽が聞き放題となります。

このサブスクビジネスの配信サービスは、スマートフォンの普及とともに成長し、広く認知されるようになりました。

そして、この配信サービスの人気によりサブスクと言うビジネスが広まると、あらゆる業種からサービスが登場するようになったのです。

その種類は、家具やインテリア、アパレル、車など、実物がある物のサービスや、飲食店において、食べ放題、飲み放題となるサービスなどに及び、あらゆる業種、ジャンルに広まっているのです。

このように、現在のサブスクサービスは、多くの業種からサービスが提供されるようになっています。

しかし、現在においても、消費者の支持を集めているのは配信サービスなのです。

そもそも、サブスクはデジタルネイティブ世代をターゲットとした、デジタルに親和性の高いビジネスであり、最もサブスクの特性を活かせる相性の良いサービスはデジタル配信サービスなのです。

それ故に、他のサービスよりも支持を集めることができるのは当然とも言えますが、サブスクと言うビジネスがこれほど広まっている以上、配信サービス以外でも消費者からの支持を集めなくてはならないのです。

サブスクには得さだけではない価値が必要!

しかし、配信サービス以外で、高い支持を集めているサブスクサービスは多くありません。

飲食店のサブスクなどは、一時的に注目を集め、消費者を集めることができたサービスもありますが、なかなかその消費者を定着させることができないのです。

例えば、コーヒー専門店が提供するサブスクサービスの場合、月額利用料を払うことでコーヒーが飲み放題になると言うサービスを提供しましたが、一月は利用してくれても、その後継続する消費者が少なく、サービス自体も話題を集めることがなくなってしまいました。

この利用者の多くは、初めはサービスの物珍しさと、お得さにひかれ契約をしたものの、
実際に利用するのが面倒になったり利用料を払っているのだから利用しなくてはいけないと言う義務感が生じ、それがストレスとなってしまうと言った理由から、利用しなくなってしまうのです。

このサービスは、この店舗で毎日のようにコーヒーを購入していると言う消費者にとってはお得なサービスではありますが、それ以外の消費者にとっては価格的にはお得であっても、実際にはそのお得さが負担となり、お得ではなくなってしまったのです。

これは、食べ放題サービスや、お酒の飲み放題サービスなどでも同様です。

これらのサービスがお得なのは、月に何度も利用する常連客だけであり、それ以外にとっては負担の大きいいサービスとなってしまうのです。

これでは、新たな顧客を定着させることはできません。

そもそも、飲食店を月に何度も利用してくれている常連客は、サブスクサービスでなくても利用してくれます。

常連客がサブスクサービスを利用するのが悪いわけではありませんが、利用するのがこれらの客だけでは、わざわざサブスクを導入する意味がないのです。

飲食店がサブスクを導入するのは、新たな顧客を開拓することも大きな目的ですから、お得さだけでない価値も必要なのです。

その店舗を訪れることで、コーヒーをお得に飲めるだけでなく、他にも何か得るものがあると言う状況でなければ、常連客でもない客がそのお店に継続して通って来てくれることはありません。

そして、その価値と言うのが、その客がワクワクするような体験をさせることです。

ここでなければできないと言うような素晴らしい体験を与えることが必要なのです。

この体験を与えることができれば、顧客はそのサービスを継続して利用してくれるようになるのです。

価格のお得さと言うのは、どのサービスでも提供できることです。

サブスクを成功させたいのであれば、お得さではなく、他にはない価値を提供することが大切なのです。

まとめ

サブスク市場は、ここ数年の間に急速に成長し、新たなサービスが続々と誕生しています。

しかし、成功しているのは音楽や動画配信など一握りのサービスであり、それ以外のサービスは集客に苦戦していることがほとんどです。

それらのサービスの多くはお得さを売りとしていますが、同じようなお得なサービスがいくつもある中では、消費者から選ばれるのは困難なのです。

そのような状況の中で成功するためには、今回説明したように、価格だけでない価値を提供することが必要なのです。