ユーザーの記憶に残るためのサブスクリプション新戦略

今まで主流であった、買い取り型とは異なり、月単位や年単位で定額の料金を支払い、モノではなくサービスとして利用する、サブスクリプションが多くの注目を集めています。

動画配信サービスや音楽配信サービスをはじめ、最近では洋服や家具、車、サプリメントや食品などの非デジタル商材までもサブスクリプションとして提供され始めており、サブスクリプション市場は今後も更に拡大することが予想されています。

サブスクリプションビジネスでは、ブランド管理を行うことが非常に重要なのですが、このブランド管理に課題を持たれている企業の方は多いのではないでしょうか。

ブランドは、商品やサービス、デザイン、シンボルマーク、ロゴ、商標、名称、キャッチフレーズなど、さまざまな要素が組み合わさって形を作ります。

今、サブスクリプションの需要は年々高まってきており、市場がどんどん拡大するからこそ、このようなブランドを、消費者に認知させ、そして市場でのニーズを作り、自社の強みやポジションを明確化する、ブランディングを行わなければなりません。

そこで今回は、ユーザーの記憶に残るためのサブスクリプション新戦略について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスで新しい戦略を実行していきたい、と思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

想起集合

人々に自社ブランドを浸透させるための施策で要な指標となるものは、「想起集合」です。

想起集合とは、消費者がモノやサービスを購入する際、選択肢として思い出されるブランドのことです。

ブランドとして認知度がある程度高くても、いざ商品を購入する際に、消費者の選択肢にそのブランドが入っていなければ、まったく意味がありません。

そのためにまずは、「呼び起す」ということが重要なのです。

よく言われていることは、どのようなジャンルであっても、消費者がモノやサービスを購入する際に頭の中に思い浮かぶブランドは「2個以下」ということです。

多くの人は、何かの商品を思い浮かべた際、そこに自社ブランドが入らなければ、購入される確率は格段に下がってしまいます。

エントリーポイントをずらす

上記の通り、消費者の上位2位まででなければ購入される可能性は大きく下がってしまうのですが、この場合、3位や4位のブランドはどうすれば良いのでしょうか。

そうなると、マーケティングをより強化して1位や2位になることができるブランドになるよう育成する、という考えになりやすいのですが、これはあまりおすすめの戦略ではありません。

一度人の脳内に記憶されたものを切り替えさせることは非常に困難であり、マーケティングに注力したとしても、1位のブランドもどんどんプロモーションを展開していくでしょう。

もちろん、多少は差が縮まるかもしれませんが、1位を取るほどの圧倒的なものがなければ、時間とコストばかりを費やしてしまいます。

市場での浸透率が高いブランドに関しては、リピート率も高く、1位のブランドが高いロイヤリティを掴んでいるので、2位と3位はどうしてもリピート率と市場浸透率が低くなってしまうのです。

そこで、新たな戦略として「カテゴリーエントリーポイント」を構築していきましょう。

カテゴリーエントリーポイントとは、消費者の記憶からブランドを呼び起すための「ヒント」です。

たとえば、スポーツドリンクのブランドと聞くと「アクエリアス」や「ポカリスエット」が思い浮かびますよね。

このように、スポーツ時の飲料水ではアクエリアスやポカリスエットが人々の記憶に強く残されているのです。

ですが、体調不良、脱水症状の時の飲み物と聞くと、「経口補水液OS-1」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

このように、エントリーポイントを少しだけずらすことで、記憶から呼び起されるブランドは変わってくるのです。

新しいカテゴリーエントリーポイントで1位をとる、という戦略こそ、サブスクリプションマーケティングでは非常に重要なのです。

1位を狙うカテゴリーの作り方

3位以下であるブランドが、1位を狙うためのカテゴリーエントリーポイントを探すには、まずその商品の利用目的と、もうすでにあるブランドイメージを紐づけていきます。

消費者は、その商品に付帯する言葉を記憶していますので、そのキーワードを注視し、そこに注力したマーケティングを行うように考えていきましょう。

ターゲットの属性や商品の内容、サービスからも見つけることができますので、雰囲気や場所、利用シーンなどのシチュエーションでも、選ばれるブランドへと育てることができるのです。

1位を狙うためには、選ばれる機会をさらに広げていくことが重要なのです。

まとめ

以上、ユーザーの記憶に残るためのサブスクリプション新戦略についてお話させていただきました。

もうすでに1位であるモノを取るための戦略よりも、カテゴリーエントリーポイントを変更し、別のところで1位を狙う方が、より効率的になるでしょう。

特にサブスクリプションブランドは、消費者の体験や評判、利用した際の記憶したモノやサービスのイメージをどれほど強く持っているか、ということに関わってきます。

この戦略は、サブスクリプションブランドを管理する上でも、非常に重要な指標になりますので、ぜひ覚えておいてくださいね。