サブスクリプションビジネスで知っておくべき「NPS」とは

ここ数年でサブスクリプションという言葉を耳する機会がおおくなってきました。

サブスクリプションは、消費者が従来まで売り切りで提供していた商品やサービスを、定額料金で利用することができる「権利」を得ることができる仕組みです。

今、音楽や動画などのデジタル商材をはじめ、さまざまな業種がサブスクリプションビジネスの導入を始めています。

サブスクリプション市場がどんどん拡大する中、競合となる企業も多くなりますが、サブスクリプションをより長く続けるためには「顧客満足」を最重要視し、高い顧客満足を保たなければ顧客が他社に流れてしまう場合があるのです。

顧客が企業の商品やサービスの評価を測る代表的な指標として、「NPS」と「CSAT」があります。

サブスクリプションビジネスでは特に「NPS」の理解が必要だと言われているので、しっかり知識を持っておかなければなりません。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスで知っておくべき「NPS」について、詳しくお話しさせていただきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスをより成長させたい、と思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

NPSとは

NPSとは、顧客ロイヤルティを測るための指標で、Net Promoter Scoreの頭文字を取った略称です。

顧客ロイヤルティとは、企業やブランドに対する信頼や愛着を示しています。

ロイヤルティには、忠誠心という意味があり、ロイヤルティが高い顧客、つまりロイヤルカスタマーは、そのブランドや企業を信頼し、愛着を持っている熱狂的なファンなのです。

この顧客ロイヤルティはどのようにして分かるのか、それこそNPSでしょう。

友人や家族などの親しい人に対し、その企業やブランドを推奨したい度合いを聞き、それを数値化し、評価や改善に活用していきます。

NPSはビジネスの成長率と非常に関連性が高いと言われていますので、重要な業績指標になるのです。

NPSの特徴

・ビジネスの成長率と関連性が高い

NPSでは、あなたが家族や友人にこの商品やサービスを薦める可能性はどれくらいありますか?という質問を投げかけます。

そして、自社商品やサービスを支持する顧客層、そして不満はないが競合を選ぶ顧客層、不満を持っている顧客層を特定していきます。

NPSで第一に注目すべきことは、「他者に薦めるか」という顧客の将来行動を尋ねていることです。

顧客の将来行動を決定するうえでは、商品やサービスに不随する購入手続き、企業のサポート体制などもすべて含めて、総合的に判断されますので、顧客にとっての商品やサービスとのタッチポイントでの満足度とは性質が大きく異なります。

熱狂的なファンであれば、リピーターになってもらうことができますし、他者に薦めてもらう可能性がタカイのですが、もし不満を抱いている場合は再購入には繋がりませんし、他者に薦めることもないでしょう。

また、他者に薦めるか、という質問は、自身が購入して良いと思った商品やサービスであるか、ということよりもさらに重みのある回答を引き出すことができます。

もし自分だけが利用するのであれば、少しの問題があっても我慢するかもしれませんが、自分にとって大切な人に薦めることには、責任が伴いますので、熱狂的なファンであれば他者に良い口コミを広げ、商品やサービスを薦めてくれる可能性が非常に高いのです。

・KPIとして実用性が高い

NPSの数値の差は非常に明確であり、算出方法も標準化されていますので、継続的に定点観測をするには最適な指標なのです。

また、前述したとおり顧客の将来的な購買行動にも影響を与えますので、業績にも直結する指標であり、KPIとしても非常に実用性が高いのです。

・企業同士での比較がしやすい

NPSは、単純に「友人や家族に薦めますか?」というたった一つの質問で成り立っていますので、同じ条件で他社との数値を比較することができますし、他社との差を明確に把握することができる、という点においても大きなメリットであると考えられるでしょう。

NPSとCSATの違い

サブスクリプションビジネスでは、顧客満足度であるCSATを意識することは非常に重要だと考えられているのですが、NPSとCSATでは何が違うのでしょうか。

CSATでは基本的に、商品やサービスと接点を持った時点での満足度でありますので、ロイヤルカスタマーになるかどうかは見ることができません。

NPSは、購買に関する満足度ではなく、長期にわたる総合満足度の指標でありますので、ビジネスの売上成長率との相関性が期待される指標であることが大きな違うです。

ですが、CSATにも大きなメリットがありますので、互いに補い合う関係性を考えて良いでしょう。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスで知っておくべき「NPS」についてお話させていただきました。

サブスクリプションビジネスにおいては、満足度が高く長期で利用してもらうことが見込めるロイヤルカスタマーの存在が非常に重要です。

NPSを有効活用することで、ロイヤルカスタマーを増やすために繋がりますので、ぜひNPSの知識を十分に得て、サブスクリプションビジネスに役立ててくださいね。