サブスクリプションビジネスにおけるオンボーディング

近年、「サブスクリプション」というキーワードに注目されている企業も多いのではないでしょうか。

サブスクリプションとはもともと、新聞や雑誌などの定期購読を意味する言葉であり、そこから転じて、消費者が商品やサービスを利用するための権利を一定期間利用する、という継続定額課金型のビジネスモデルを意味するようになっています。

代表的なサブスクリプションビジネスモデルと言えば、動画や音楽の配信サービスやソフトウェアサービスが挙げられますが、最近では食品やアパレル、車などさまざまな分野のサービスでこのビジネスモデルが採用されています。

既存ビジネスをサブスクリプション化することで、安定収益化する可能性がありますので、サブスクリプションビジネスにシフトする企業がどんどん多くなっているのです。

顧客の継続利用が重要となるサブスクリプションビジネスを行う上では、「オンボーディング」の知識を欠かすことができません。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおけるオンボーディングについて、詳しくお話させていただきたいと思います。

サブスクリプションビジネスにご興味を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

オンボーディングとは

オンボーディングは、船や飛行機などに乗り込むことを意味する「on board」から派生した言葉であり、ビジネスに置き換えると、人材育成を目的とする人材領域と、顧客へのサービス利用継続を目的とするSaaSビジネスの、二つの異なる目的を持っています。

サブスクリプションビジネスは、SaaSビジネスにおけるオンボーディングの意味を理解しなければなりません。

SaaSビジネスにおけるオンボーディングは、顧客に商品やサービスの操作方法や使用を案内し、継続利用を促すための導入支援の取り組みを意味します。

このオンボーディングをカスタマーサクセスの一部として着目する企業も多くなっていることでしょう。

サブスクリプションビジネスにおけるオンボーディングのメリット

・安定した収益を確保する

まず1つ目のメリットは、解約を回避し、安定した収益を確保する、ということでしょう。

サブスクリプションビジネスでは、顧客数が増え、定着することで安定した収益を継続的に見込むことができるのですが、その一方で、機能や使い方をしっかり理解することができず、顧客が使いこなせていない場合や、顧客に対するサポートが整っていないことで、企業やサービスに対し、不信感を抱く場合があります。

この状態になると、解約されるリスクが非常に高くなりますので、初期段階においてはいかに顧客の不明点を解消し、顧客のストレスを取り除くことができるか、ということが重要なポイントになるでしょう。

だからこそ、オンボーディングにて、その商品やサービスを継続して利用したいと思えるような体験を提供し、顧客満足度を高めることが重要なのです。

・売上が拡大する

2つ目のメリットは、アップセルやクロスセルにより、顧客単価を上げることができ、売上の拡大に貢献することです。

アップセルとは、顧客の前回購入単価よりも高い商品やサービスを購入することであり、クロスセルは顧客が利用している商品やサービスに関連性の高い商品を購入することを意味します。

サブスクリプションビジネスを行っている多くの企業は、機能を増やした複数のプランや、関連サービスを用意していますので、アップセルやクロスセルを実現させることは、今現在利用している商品やサービスを、顧客が満足しているかどうかということがポイントになります。

オンボーディングによって今現在利用している商品やサービスの魅力を伝えるだけでなく、さらに顧客に合ったサービスを提供し、顧客ニーズとマッチすることで、アップセルやクロスセルに繋がる可能性が高まるでしょう。

オンボーディングを成功に導くポイント

オンボーディングを成功に導くためには、オンボーディング担当者は、商品やサービスの基礎知識を身に付けることはもちろんですが、顧客の課題やニーズに寄り添った柔軟性と応用力を発揮したアプローチを行うべきでしょう。

また、顧客のゴールを把握することも重要です。

顧客のゴールを把握することができなければ、顧客ニーズに合っていないサポートを提供してしまい、解約のリスクも高まってしまいます。

オンボーディングはカスタマーサクセスの一環であるからこそ、いかに顧客を成功へと導くことができるか、ということが重要なのです。

また、継続的に顧客に対してフォローすることができる体制を構築することも必要不可欠です。

自社顧客に合わせたフォロー体制をしっかり整えましょう。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスにおけるオンボーディングについてお話させていただきました。

今のサブスクリプションビジネスに、オンボーディングが重要視されている理由をお分かり頂けたでしょうか。

顧客により長く自社商品やサービスを利用し続けてもらうためにも、ぜひこの機会にオンボーディングに関する知識を深めてくださいね。