近年、多くの企業から「サブスクリプションビジネス」が注目されています。
「サブスク」とも呼ばれ、私たちの生活にも馴染みあるものになりました。
サブスクリプションとは、定期購読や継続購入、会費などの意味があり、そこから転じてコンピュータ用ソフトウェアの年間契約使用料という意味でも用いられるようになりました。
サブスクリプションサービスが注目され始めた当初は、動画や音楽コンテンツなどのデジタル領域で発達していたのですが、最近では家具家電や服、車、サプリメントなどのデジタル領域外でもサブスクリプションサービスの提供が始まっています。
なぜここまでサブスクリプションが急速に普及しているのか、それは消費者の意識変化が大きく影響しています。
一昔前までであれば、商品そのものが持つ価値と、商品を所有する価値こそが、商品の価値だと考えられていたのですが、モノが溢れている環境で育った今の世代の若者は、モノを所有することの憧れや満足感を感じにくくなっており、さらにミニマリストの流行もあり、結果的にモノを購入しなくても利用することができるサブスクリプションモデルが広がったのです。
サブスクリプションビジネスを行う上で、コールセンターのアウトバウンドに課題を持たれている企業は多いのではないでしょうか。
新規顧客獲得の効率が低下してしまっている今、いかに既存顧客を活性化しながら売上を維持し、向上させるか、ということが重要になっています。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスに活用すべき、ターゲティング型アウトバウンドケアについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。
より効率よくサブスクリプションビジネスを行いたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
アウトバウンドとは、目的を新規顧客獲得とし、顧客にアプローチする手段として活用されますが、コストを考えると効率的な方法ではないことが分かります。
ですがその一方で、電話によるアウトバウンドは、顧客に直接企業の言葉や想いを伝えることができますし、さらにそれに対する反応を得ることができますので、対面での顧客対応に次ぐ優位性を持っているのです。
この優位性を踏まえた、アウトバウンドの有効な活用方法のひとつが、ターゲティング型アウトバウンドケアなのです。
ターゲティング型アウトバウンドケアは、顧客に対し、商品やサービスの継続的な利用や購買を促進し、LTVを最大化させるための顧客ケアを合わせたアウトバウンドです。
今までLTVという指標は、主に通販事業者で重視されていたのですが、サブスクリプションビジネスの普及に伴い、企業問わずに意識されるようになってきました。
まずは、誰をターゲットにすれば良いかを考えていきます。
そのためには効率よく成果を生むことができる顧客リストを抽出していきましょう。
従来までは、性別や年代を使ってセグメントすることが一般的だったのですが、顧客の価値観の多様化が進む今は、これらだけでは不十分です。
顧客の購買履歴やアンケートの回答結果、Webサイトへのアクセスログ、メールマガジンの開封率など、顧客の行動系データや心理系データを出来る限り活用することが、成功への近道なのです。
行動系データや心理系データを収集するためには、コールセンター部門だけでなく、マーケティング部門やシステム部門ともしっかり連携し、情報を引き出して活用していかなければなりません。
何をどのように伝えれば良いのか、ということを考えた場合、情報をただ伝える、という考え方から、顧客ケアに重点をおいた「対話をする」という考えに変えることが、アウトバウンドケアの特徴です。
コンタクトセンターにて、離脱する傾向にある顧客をしっかり分析し、その結果をもとに抽出した顧客に対し、アウトバウンドコールにてコンタクトを取り、商品への感想や困りごと、不満を聞き出し、その話の中で商品の使い方のアイデアや工夫、商品にまつわるエピソードなどを交えて、会話を進めていきます。
あまり形式ばかりを気にするのではなく、気軽な距離感で顧客と対話することがポイントです。
以上、サブスクリプションビジネスに活用すべき、ターゲティング型アウトバウンドケアについてお話させて頂きました。
アウトバウンド業務は、ただコールスクリプトに沿って進めていけばよいのですが、アウトバウンドケアはそう簡単ではありません。
ですが、コールセンターにて十分な商品知識を持ち、実際に商品を使用し、一定数以上の好感や愛着を持っている人がいますので、オペレータが体験した商品価値と、顧客データが上手く組み合わさることで、自然な対話をすることができ、顧客満足度が高まり、そしてLTV向上に貢献するアウトバウンドケアが成立します。
サブスクリプションビジネスでは非常に役に立ちますので、ぜひさっそく取り組んでみてはいかがでしょうか