サブスクリプションビジネスにおける価格改定の知識

サブスクリプションとは、顧客に定額の利用料金を支払ってもらうことで、モノやサービスを一定期間提供するビジネスモデルです。

消費者の価値観が、所有から利用へと変わっている今の時代だからこそ、需要がどんどん高まってきており、さまざまな企業がサブスクリプションビジネスの導入を始めています。

サブスクリプションビジネスを成功させるためには、顧客に満足してもらいながら継続利用してもらうことが重要ですので、顧客としっかりコミュニケーションをとり、解約率を下げることを意識しなければなりません。

サブスクリプションビジネスをスタートさせ、ビジネスを始めた際に、どうしても躊躇してしまうことは「料金改定」でしょう。

特に値上げをせざるを得ない場合、顧客が一気に離れてしまうのではないか、顧客からの不満の声が多くなってしまうのではないか、という不安を感じる人も多いかと思います。

ですが、サブスクリプションビジネスを持続的に成長させるためには、戦略的に料金改定を行わなければなりません。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおける価格改定の知識について、詳しくお話させて頂きたいと思います。

サブスクリプションビジネスを確実に成長させるためにも、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクリプションビジネス料金改定

サブスクリプションビジネスの中でも特にグローバルにサブスクリプションビジネスを展開している外資系企業の場合、頻繁に料金改定が行われます。

それ以外であっても、基本的にサブスクリプションビジネスでの料金改定はまれに行われます。

そもそも、国によっては料金体系が異なるサブスクリプションサービスを提供していることも多く、値上げも異なります。

たとえば、購入品の配送料が無料、動画見放題、音楽聞き放題、などの多彩なサービスを提供している大手サブスクリプション企業は、日本国内での年会費を1,000円程値上げしたのですが、他国と比較するとかなり割安です。

そしてその一方で、サブスクリプションとして家庭ゲーム機を提供している大手サブスクリプション企業は、戦略的にシンプルな値下げを導入し、激化する市場の中で優位性を維持することを狙いとしています。

国ごとに法律や購買力、文化、競合他社などを総合的に判断し、抜け目ないビジネス戦略を持って料金改定を行っていかなければなりません。

サブスクリプションビジネススタート時は、新規顧客獲得が最優先ですので、可能な限り価格ハードルを下げなければならないのですが、次第に生活に欠かせないサービスとして成長した後は、料金を引き上げると良いでしょう。

戦略的価格改定の工夫

日本の企業のよくある料金改定の懸念は、「値上げをすると顧客が大量に解約してしまうのではないか」「他社サービスに乗り換えられてしまうのではないか」ということから、非常に慎重に構える傾向にあります。

ですが、そのサービスの価値に見合った料金であれば、顧客はかならず納得してくれるものです。

価格競争を回避し、安定な収益を確実に確保することこそ、サブスクリプションビジネスの成長に繋がるのです。

ですが顧客にとって、今まで利用していたサブスクリプションサービスが何の機能の強化や改善もされていないのに、価格だけ値上がりしてしまえば、顧客の反発を招いてしまい、一気に満足度が低下してしまいます。

これはLTVを追求しなければならないサブスクリプションビジネスには非常に大きなマイナスになってしまいますので、価格改定の際には「工夫」が重要です。

たとえば、一斉に値上がりするのではなく、顧客に応じて十分な予告期間を設け、契約更新のタイミングで値上げを行うと、顧客に「契約を更新しない」という選択肢を与えることができ、顧客にとっても受け止め方が大きく変わりますので、冷静に判断してもらうことができます。

また、このタイミングで豊富な料金プランの選択肢を提示することができると、より良いでしょう。

「契約更新」「退会」の二択ではなく、顧客自身が自分にぴったり合っていると感じることができる料金プランを選択し、切り替えることができれば、多くの顧客は契約更新をお選択するでしょう。

バックオフィス業務の混乱回避

値上げをしたとしても、それ以上の価値を顧客に提供することができるサービス、もしくは料金プランの改良が伴っていれば、顧客にとってもその料金改定は非常に魅力的です。

サブスクリプションビジネスとして、顧客と継続的に良好な関係を築くためにも、提供するサービスの大幅な機能の強化、更新に合わせ、その都度料金プランを改良し、顧客に提供する価値を常に最適化すると良いでしょう。

ですが、このように細かくコントロールを行うと、必然的にバックオフィス業務が複雑化してしまいます。

そしてこの複雑な管理や計算を手作業で行っていた場合には、業務現場は大混乱になってしまうことでしょう。

そしてもし、この混乱の中で誤請求などが起きてしまうと、企業の信用は一気に落ちてしまい、トラブルへと発展するリスクがありますので、タイミングをしっかり見計らって料金改定を行わなければなりません。

バックオフィス業務が混乱してしまわないためにも、業務効率化や自動化のプラットフォームを導入し、バックオフィス業務の負担を減らすことが重要です。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスにおける価格改定の知識についてお話させて頂きました。

サブスクリプションビジネスを行う上では、価格改定は必ず行わなければならないものですが、しっかり知識を持っていなければ、戦略ミスをしてしまい、失敗に終わってしまいます。

ぜひこの機会にしっかり価格改定を理解して、今後のサブスクリプションビジネスの役に立ててくださいね。