顧客が企業に対し、定額の利用料金を支払うことで、一定期間サービスを受けることができる、サブスクリプションビジネスが今急成長しています。
サブスクリプションサービスは、利用者にとってもサービスを提供する事業者にとっても非常にメリットが大きいビジネスモデルであり、消費者のインターネット環境が整い、モノを所有することよりもそれをサービスとして利用するコトへ、価値観が変化していることが、サブスクリプションビジネスの後押しをしていることでしょう。
サブスクリプションビジネスとして商材を取り扱う際、まずはそれに対する「価格」を選定していきます。
商品の価格は、根拠や戦略を入念に考慮した上で選定しなければ、今後の利益に直接影響してきま。
ですが、商品の需要を予測し、どのように価格設定をすれば良いのか、消費者が考える適正価格は正しいのか、と考えることがあるでしょう。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスでのプライジングの考え方について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後サブスクリプション市場へ参入される方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
商品の価格は、顧客に認識される商品価値を大きく左右し、プライジングとは、商品やサービスの価格を決定することです。
基本的な消費者の考えとしては、価格に見合った価値のある商品やサービスを選び、価格が商品やサービスの印象を決める場合もあります。
価格が相対的に安過ぎてしまうと、消費者に不信感や不安感を与えてしまいますし、同等の商品やサービスがある場合、それらと比較すると価格が高く、そしてそのブランドが提供している以上の価値がない場合は購入に至ることはないでしょう。
商品やサービスの価格を決定する際、事業者は「顧客は誰か」ということを把握しなければなりません。
ターゲットが顧客の場合と企業の場合がありますが、一般消費者の中でも、ターゲットとする年齢層や職業により、適切な価格が異なりますので、まずは対象者を明確にし、どれくらいの価格帯が受け入れられやすいのか、ということを考えていきましょう。
その次は商品を生み出すために、自社コストを確認していきましょう。
当然のことながら、必要なコストよりも安価で販売すれば、赤字になってしまいますので、様々な状況を仮定し、どれくらいのコストが必要になってくるのか、ということをはっきりさせなければなりません。
そして、競合他社の商品価格を確認しましょう。
この確認は、自社商品と同じ程度の価格に設定するためではなく、自社商品そのものの価値を把握するためです。
競合商品と差別化することができるような、クオリティやサービスを提供することができるのであれば、価格を高く設定し、競合商品と比較した際に劣っているところがあるのであれば、低めの価格を設定しましょう。
プライジングの代表的な考え方は3つあります。
まず1つ目が「スキミングプライス」です。
スキミングプライスは、商品の市場投入期や導入期の価格を高めに設定し、その商品の価格を少しずつ下げる価格戦略です。
市場のイノベーターやアーリーアダプターをターゲットとして、高価格でもその価値を認識してもらい、購入してもらうことで、より早く商品開発コストの回収を狙います。
2つ目が「ペネトレーションプライス」です。
商品を低価格で市場に導入し、商品投入期や導入期から、市場シェアを早期獲得することを狙います。
特に商品価格によって需要の変化が大きくなる商品やサービスの場合は、手価格でい市場に参入し、シェアを拡大し、限界コストを下げることができますので、非常に有効な価格戦略になるでしょう。
市場獲得後は、商品価格を少しずつ上げ、利益率を上げるのか、それとも低コストを維持するか、企業によってことなりますので、その際もしっかり需要の価格弾力性を考えながら進めていきましょう。
3つ目が「コストプラス」です。
コストプラスは、最もシンプルな価格戦略と言え、原価に利益を加えて価格を設定する方法です。
シンプルではあるのですが、市場要因を除外して価格決定を行うことはデメリットになるでしょう。
以上、サブスクリプションビジネスでのプライジングの考え方について、詳しくお話させていただきました。
特に新商品の場合、商品価格設定は非常に難しい分野の一つになるかと思いますし、プライジングの考え方もあくまでも概念論でありますので、実務への落とし込みに関しては、企業によって異なる場合があるでしょう。
ですがしっかりアンケート調査を行い、適切に有効活用することによって、最適なプライジングで顧客満足度を上げることができますので、ぜひこの考え方をサブスクリプションビジネスの役に立ててくださいね。