サブスクリクションは、今やその名を知らない人はいないと言うほど広く認知されたビジネスモデルです。
その成長は著しく、現在でも多くの企業がビジネスのサブスク化を進めています。
サブスク化がこれほど加速している理由は、従来のモノを売るビジネスでは、この先生き残っていくことができないと言う危機感を多くの企業が感じているからなのです。
そこで今回の記事では、サブスク化が加速する理由について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
近年サブスクビジネスの成長が著しく、大手企業やメーカーもサブスクビジネスへの転換を進めています。
その背景には、消費者のニーズがモノを所有することから、利用することへ変化している現状があります。
少子化などの理由により、市場は縮小を続けており、従来のように、企業が消費者にモノを売ることにより成長していくことはできなくなっているのです。
この従来のビジネスと、サブスクビジネスの大きな違いは、消費者のニーズの捉え方です。
従来では、まず商品を作り出し、その商品の消費者ニーズは、関東在住40代女性と言うようにカテゴライズして、その商品のターゲットを設定してきました。
しかし、考えればわかるように、関東在住の40代女性が求めるものは、個人によってそれぞれ異なりますし、同じカテゴリーであってもニーズは大きく異なるのです。
サブスクビジネスでは、この多様化した消費者のニーズを、カテゴリーに分けることなく、それぞれに合わせていくビジネスなのです。
消費者それぞれに合った商品やサービスを提供し続けることで、できる限り長く利用を継続してもらうのです。
この徹底して消費者に寄り添う姿勢がサブスクビジネスの特徴であり、従来のビジネスと大きく異なる点なのです。
そして、このサブスクビジネスは、デジタルが進化した現代に最も適したビジネスであり、現代の消費者が求めているビジネスなのです。
このような現状から、多くの企業が従来型のビジネスに危機感を持ち、サブスク化を加速しています。
その代表的なケースが世界的な大企業であるApple社です。
Apple社は、iphoneの販売台数を毎年公表してきましたが、2019年からその公表を取りやめています。
これは、販売台数が減ったからと言った理由からではなく、販売台数が重要な指標ではなくなったと判断したからだと考えられるのです。
つまり、大切なのは端末自体の売り上げではなく、それに付帯するコンテンツの配信サービスでユーザーをどれだけ取り込むことができるかと言うことであり、それにユーザーがどれだけお金を払ってくれるのかということなのです。
日本でも、自動車メーカーTOYOTAのサブスク化を皮切りに、大手自動車メーカーが続々とサブスクに乗り出しています。
これは、販売台数が減っていることが背景にはありますが、サブスク化することによって事業を拡大させることが目的であると考えられます。
このようにサブスクビジネスは、世界的に名の知れた大企業まで乗り出す程、広く普及し始めています。
しかし、増え続けているサブスクサービスの中には、サブスクと言うビジネスを正しく理解していないケースも多く見受けられるのです。
サブスクビジネスは、消費者に商品やサービスを提供し、その対価を継続的に支払ってもらう仕組みのビジネスです。
そして、多くのサブスクサービスがこの仕組みだけを導入し、単なる月額課金、分割払いのサービスになってしまっているのです。
つまり、従来のビジネスの課金の方法だけを変えて、サブスクサービスとして提供しているのです。
これは、現在のサブスク市場における重大な問題ではありますが、このようなサービスが消費者に支持され続けることはなく、遅かれ早かれ撤退していくと予想されます。
サブスクビジネスが、これほど注目され、現代の消費者に求められているビジネスであるからと言っても、簡単に成功できるわけではないのです。
従来のモノを売るビジネスが通用しなくなったからと言って、その考えのまま仕組みだけを変えても上手くいくわけがないのです。
従来のビジネスからサブスクビジネスに上手く移行するには、自社の商品やサービスにどのような価値があるのかということを、改めて見極める必要があります。
従来は、スポーツ用品を販売するメーカーであったとしても、突き詰めて考えることで、新たな価値を見出すことができるのです。
テニス用品であれば、それを使用するためには、相手が必要であり、人と人とのコミュニケーションが生まれるはずです。
つまり、単なるテニス用品と言うだけでなく、コミュニケーションツールとして新たな価値を見出すことも可能なのです。
そして、そこに新たな市場を生み出すこともできるのです。
サブスクでは、このように新たに自社の商品やサービスの価値を見極めることが重要となるのです。
サブスクビジネスが、広く普及し、あらゆる分野において、サブスクサービスが展開されています。
この流れに乗り遅れまいとサブスク化を推し進める企業も増加していますが、ただ流れに乗るだけでは、サブスクビジネスを成功させることはできません。
生き残っていくためには、サブスクビジネスへの転換は必須ではありますが、その前にまず、自社の商品やサービスの価値を見つめなおし、新たな価値を見出すことが必要なのです。