誰かの「こだわり」から生まれる、サブスクリプションプロダクト開発

企業が顧客に対し、商品やサービスを一定期間提供し、月単位、もしくは年単位で利用料金を回収する、サブスクリプションビジネスが今多くの企業から注目を集めていることでしょう。

IT業界では特にデジタル商材を取り扱っているので、大きな拡大が見られたのですが、今では製造業や小売業においても、サブスクリプションビジネスが新しいビジネス形態の1つとして考えられ、多くのサブスクリプションサービスが生まれているのです。

消費者の商品やサービスに対する価値観が、モノの価値を保有することから、モノの価値を気軽に利用することができること、に変わっていることが大きな特徴でしょう。

日本でのサブスクリプションビジネスにおいて、プロダクトを開発する際に「デザイン思考」が注目を集めたのですが、実際には多くの企業が実践までには至ることはありませんでした。

ですが、一人の人間だけに注目し、そこから発展させるデザイン思考は、プロダクト開発に関しては最適なアプローチ方法なのです。

そこで今回は、誰かの「こだわり」から生まれる、サブスクリプションプロダクト開発について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今まさにプロダクト開発に関する課題を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

なぜデザイン思考が求められているのか

数年前と比較すると、マスでのマーケティングは縮小しており、広告量は激減しています。

それと共にネット社会が成熟し、マスマーケット戦略が難しくなっており、社会そのものに変化が見られているのです。

だからこそ、一つの商品を数百件や数千件を販売する、ということが現実的ではなくなってきており、メガヒットを狙うよりも、スモールマスでの小ヒットをいかに多く作ることができるか、ということが、これからのビジネスには非常に重要になるのです。

個人のこだわりを追求し、いかに共感できる部分が多い商品を作ることができるか、ということを考えることが、スモールマスには届きやすいのです。

「一人の人に共感し、顧客中心に考える」「使っている人を想像してデザインする」という考え方のデザイン思考は、まさに新しい価値を見出すためのアプローチなのです。

「インサイト・ドリブン」「エクストリームユーザー」

デザイン思考を起点に自社独自でカスタマイズし、インサイト・ドリブンを行うことで、一つの商品に対して強いこだわりを持つ顧客から、無意識のニーズであるインサイトを作り出し、新しいプロダクト開発のステップにする、ということができます。

プロダクト開発ジ、顧客調査を行うことも多いのですが、インサイト・ドリブンでの対象顧客は、エクストリームユーザーなのです。

エクストリーム(extreme)とは、異質や異端という意味で、その顧客はつまり「変わった顧客」という意味になります。

ビジネス開始当初からのファンであったり、予想外の利用方法をしていたり、かなりの量を利用していたりする顧客です。

その商品やサービスを使うための確固たる理由を持っており、製造者すらも気付かない価値を見出すことができるのです。

誰かの「こだわり」から生まれる価値

もし自社のエクストリームユーザーを見つけることができた場合は、インタビューをすべきなのですが、この際に「観察調査」が非常に重要になるでしょう。

上記でも述べた通り、デザイン思考は「共感」からスタートするものなのですが、人をしっかり見て、観察する、ということも、デザイン思考は重要視しています。

なぜこの部分を重要視するのか、それは人間の行動というものは、9割以上は「無意識」だと言われているからです。

人は自分では自らの意思で物事を選択し、行動していると思ってても、実際には意識的に行動していることはほとんどないのです。

そしてまた、エクストリームユーザー自身も、自分が「変わっている顧客」だということを意識していないのです。

その理由は、ただその利用方法が「好きだから」「心地良いから」「楽しいから」であり、エクストリームユーザーにとっては「当たり前」だからです。

実際にそんなエクストリームユーザーを観察することで、本人も気付いていないような独特な行動やこだわりを発見することができますので、それが「なぜなのか」ということを掘り下げていきましょう。

これこそ、スモールマスを確実に取るためのプロダクト開発のための戦略なのです。

まとめ

以上、誰かの「こだわり」から生まれる、サブスクリプションプロダクト開発についてお話させていただきました。

特に新商品に関しては、誰かの「こだわり」から生まれることが多いことを理解しておいてください。

一人のこだわりを追求することは、偏ってしまう、という決めつけこそ、発想を不自由にさせてしまいます。

デザイン思考を取り入れたプロダクト開発は、今後のヒット商品を生み出す戦略として広がりますので、たった一人の「こだわり」に対する共感が、商品を生むことをしっかり理解してくださいね。