現在サブスクリプションサービスは、あらゆる業界に広く普及し、各業界が様々な形でサ導入を開始しています。
その中で、最近注目を集めているのが、鉄道業界のサブスクサービスです。
しかし、鉄道業界の定期券の仕組みは、サブスクの仕組みと変わりがなく、これだけでは消費者を集めることができません。
そこで鉄道業界では、他の業種のサービスと組み合わせることで新しいサービスを打ち出しているのです。
そこで今回の記事では、鉄道業界のサブスクサービスについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションは、ここ数年の間に急速に市場を拡大し、現在ではあらゆる業種からサービスが提供されるようになっています。
このビジネスの特徴は、従来のように、商品やサービスの対価として料金を支払うのではなく、一定の期間、商品やサービスを利用する権利を得るために料金を支払うと言うものです。
しかし、この仕組み自体は、従来から存在しており、日常的に利用している消費者も多いのです。
その代表的な例が、新聞や牛乳など、自宅まで配達されるサービスです。
新聞や牛乳は、販売店と契約を交わし、月額の料金を支払うことで、毎日配達されます。
また、ガスや水道料金など、使用した分の料金を支払うと言うのも、現在のサブスクサービスと同じ仕組みなのです。
このように、サブスクサービスは、名前さえ新しいものではありますが、古くから日常的に行われていた仕組みであり、そのため、消費者の生活に馴染みがあり、浸透しやすかったと考えられるのです。
サブスクサービスは、目新しいサービスでありながら、仕組みは馴染みのあるサービスと言うことで広く普及しているのです。
その中で、現在注目されているのが、鉄道系のサブスクサービスです。
しかし、鉄道は、先ほど挙げた例と同じように、そもそもがサブスクと同じ定額制の仕組みです。
多くの人が昔から、定期券を購入して、通勤や通学に毎日電車を利用しており、既に今で言うサブスク化されてしまっているのです。
それにもかかわらず、既にサブスクの仕組みを実践している鉄道業界が、続々とサブスクを導入し始めているのには大きな理由があります。
その理由と言うのが、昨年より続く、新型コロナウイルスの感染拡大です。この不測の事態によって、国民には、不要不急の外出の自粛が求められ、テレワークが推奨されるようになりました。
これによって、鉄道の利用客が減少し、多くの鉄道会社が打撃を受けることとなったのです。
そして、この状況をどうにか打開するために、注目されたのがサブスクサービスの導入なのです。
この事態を受けて、鉄道業界が打ち出しているのが、飲食や映画など他の業種と組み合わせるサブスクサービスです。
既に一部がサブスク化されている鉄道業界の仕組みでは、電車に乗り放題と言うサービスだけでは、多くの消費者の関心を引くことはできません。
そのため、様々なプラスアルファのサービスをセットにして、お得感を打ち出しているのです。
分かりやすい例として、西武鉄道では、1.200円のチケットを購入すると、駅ナカのコンビニにおいて、4種類のお茶の中から、1日一本引き換えることができると言うサブスクサービスを提供しました。
このサービスでは、1か月間、毎日利用すれば、1.800円得をする計算となります。
このように、鉄道を利用してもらうために、他の業種を組み合わせて、付加価値を与えるのが鉄道系サブスクサービスなのです。
現在では、多くの鉄道会社が様々な工夫を凝らしたサブスクサービスを展開しています。
そして、その中で注目すべきであるのが、東急グループが提供するサブスクサービスです。
このサービスは、東急グループの電車とバスが1か月乗り放題と言うサービスにプラスして、電動自転車の貸し出し、渋谷にある系列の映画館の見放題パス、駅構内のそば店の定額パスの中から、いずれかのサービスを選択することができる仕組みです。
このサービスが高い注目を集めるのは、この仕組みではなく、このサービスのターゲットが誰なのかという点です。
そもそも、定期券を持っている層は、このようなサービスを利用することはありません。
それ故に、このサービスでは、通勤の必要がないシニア層をターゲットとしているのです。
会社を退職したシニア層は、電車に乗る機会が激減してしまいます。
そういった層を取り込むために、交通手段とそれにプラスしたサービスを提供し、外出の動機を与えようと言うのが、このサービスの目的なのです。
これは、シニア層の健康維持のためにも非常に有効なサービスであり、社会的にも意義のあるサービスと言えるのです。
鉄道業界は、既に定期券と言うサブスクに似た仕組みがあるため、電車に乗り放題と言うだけでは、なかなか利用者を集めることが難しいのです。
そのため、鉄道会社はそれぞれ工夫を凝らしたサービスを提供し、利用者にアピールしています。
この鉄道業界のサブスク導入の流れは、今後も続いていくとみられ、さらに様々なサービスが提供されていくと予想されています。