サブスクリプション導入企業はなぜ株価が好調なのか

今、サブスクリプションサービスを導入する企業が非常に多くなってきています。

安定した収益を得ることで注目を集めており、今流行のビジネスモデルと言えるでしょう。

定額制のデジタルサービスが、国内サブスクリプションの火付けとなり、音楽や動画を定額制で見放題、聴き放題のサービスに利便性を感じたユーザーが、さまざまな分野に対してサブスクリプションサービスを求めるようになりました。

そしてその需要に応えるように、さまざまな業種でもサブスクリプションの導入が始まって来ており、今後はサブスクリプションを提供していない企業はないのではないか、とまでも言われているのです。

もちろん、サブスクリプションとの相性が悪く、導入したとしても撤退してしまう企業があるのですが、サブスクリプションを導入し成功している企業の多くは、順調に株価を上げていることをご存知でしょうか。

株価が上がるからこそ、自社もサブスクリプションの導入を検討しようと思われる方もきっと多いことでしょう。

そこで今回は、サブスクリプション導入企業はなぜ株価が好調なのか、ということについてお話ししていきたいと思います。

サブスクリプションの導入を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

株価が上がる理由

収益基盤が安定するから

なぜサブスクリプションを導入することで、その企業の株価は向上するのでしょうか。

それには二つの理由があります。

まず第一の理由としては、サブスクリプションを導入することで、経営の収益基盤が安定するため、たとえ高い株価であったとしても株主が買いたいと思うことです。

もちろん株主は、安定した収益を得る企業の株を購入したいと考えますので、好調か不調か定かではない企業の株は好まれません。

たとえばサブスクリプションで大きな成功を納めたアップル社を考えてみましょう。

アップル社は2018年までiPhoneの売り上げ頼みのビジネスであり、iPhoneをスピーディーに販売できるか、ということが業績のカギを握っていましたが、2019年からアップル社はサブスクリプションとして「雑誌」「ゲーム」「動画」の定額制サービスを提供しています。

このサブスクリプションに移行したことで、がユーザーのニーズと合致し、業績が好調になってきたのです。

そうなると、安定した収益基盤が出来上がりますので、株主は少々株が高くなっていたとしても購入したいと考えるようになるため、株高を引き起こしているのです。

このようにビジネス変革を起こした後に、株主が高くてもその株を買いたいと思うPERが上昇し、株価が上がる現象を、「マルティプル・エクスパンション」と言い、これが起こると株価は上がります。

売り逃がしがなく収益性が改善するから

第二の理由としては、従来の販売方式であれば、新商品が出るたびに商品を購入してもらっていたのですが、サブスクリプションを導入することで本来売り逃がしてしまっていた分の取りこぼしがなくなりますので、収益性が改善しますよね。

これもサブスクリプション企業の株が上がる理由のひとつなのです。

たとえば、マイクロソフトの「Office」を例に挙げてみると、Officeは数年に一度新商品を出すのですが、既に利用しているものから買い換えるとなると、値段が高額になってしまいますので、古いソフトをそのまま利用し続ける、というユーザーが多かったのです。

ですが、サブスクリプションを同にゅすい、安価な月額料金のみで常に最新の「Ofiice」を利用することができるようになりましたので、ユーザーが買い換えする必要もありませんし、企業としても販売機会のロスを防ぐことができるのです。

このことから、サブスクリプションビジネスを行うことによって、収益性を改善させることが分かるでしょう。

サブスクリプションを導入するだけでは株価は上がらない

サブスクリプションの導入と株価の向上をメインにお話ししていると、サブスクリプションを導入するだけで株価は上がる、と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、もちろん導入するだけで株価が上がることはありません。

たとえば動画配信サービスのNetflix社では、サブスクリプションを導入して成功しているにも関わらず、2019年の株価は低迷しています。

この理由には、アップル社やディズニー社が次々と定額制動画配信サービスを開始し、競合他社が増えてしまったので、離脱ユーザーが増え売り上げが下がってしまったということが挙げられます。

ですので、サブスクリプションビジネスを導入すれば株価が上がるのではなく、競合他社が増えてしまっても、他には無い自社だけの強さがある企業であることが、サブスクリプション導入後に株価を上げることができる企業なのです。

まとめ

以上、サブスクリプション導入企業はなぜ株価が好調なのか、ということについてお話しさせていただきました。

お読みいただいたとおり、サブスクリプションビジネスは株価が上がりやすいビジネスではありますが、必ずしも株価が上がるとは限りません。

やはり顧客目線に立ったサブスクリプションビジネスを進めることが重要ですし、顧客に選ばれる理由を持ち続け、自社に明確な強みを持っている企業こそ、サブスクリプションに成功する企業なのです。

サブスクリプションの導入を検討されている方は、これらのことを念頭に置きビジネスを始めてくださいね。