サブスクリプションビジネスは、近年急成長し、日本国内のビジネス界を席巻している感があります。
しかし、実際に人気を集めているのは、国内の企業が提供するサービスではなく、海外からきたサービスなのです。
国内企業のサブスクすべてが上手くいっていないわけではありませんが、海外企業に大きく水をあけられていると言うのが現状なのです。
そこで今回の記事では、日本企業のサブスクが上手くいかない理由について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションビジネスは、数年の間に急速に成長し、今や消費者の日常に定着しているように見えます。
しかし、海外のように大きく成功しているサブスクビジネスは、日本国内では案外少ないのです。
そして、その日本で大きく成功しているサブスクビジネスは、ほとんどが海外から入ってきたものなのです。
もちろん、国内の企業によるサブスクビジネスの中にも成功事例はありますが、海外初のものほど大きく成功してはいないのです。
この海外からのサブスクビジネスとは、
動画配信大手の「Netfilix」、音楽配信大手の「Spotify」、ソフトウェア配信大手のアドビが提供する「AdobeCreativeCloud」、マイクロソフトが提供する「Office365」など、サブスクに関心のないユーザーでも知っているようなサービスばかりです。
これらのサービスに対し、日本の国内企業のサブスクサービスは利用者が少ないだけでなく、認知もされていないのです。
サブスクと言うビジネスが、これほど広く認知されているにもかかわらず、日本の企業のサブスクサービスが認知されていないのは、もともとのビジネスモデルからの転換が上手くいっていないことが理由の一つとして挙げられます。
そもそも従来の日本のビジネスは、製造業を軸としており、商品を製造し、それを市場に流通させ、小売店で販売すると言う仕組みが一般的でした。
サブスクサービスを提供している多くの企業が、このビジネスから抜けきることができていないために、サブスクビジネスとして成功することができずにいるのです。
また、日本人の国民性も影響していると考えられます。
日本人は、何事に対しても慎重な気質を持っています。
それ故に、新しい物やサービスに対しても用心深く警戒する傾向が高いのです。
いくら利便性の高いサービスが登場したからと言って、すぐに飛びつくようなことはなく、しばらくの間は様子を見て、安全だと判断できてから利用する消費者が多く、サブスクと言う新しいビジネスに関しても慎重になっていると考えられるのです。
さらに、最も問題となる理由が、サブスクビジネスを正しく理解していない企業が多いということです。
これは、前述の従来のビジネスモデルからの転換ができていないということにも通じますが、サブスクビジネスの本質を理解していないため、従来のサービスとの差別化が図れていないのです。
いくらサブスクを名乗っていても、内容が従来と変わらないのでは、支持を得ることはできません。
そのようなサービスでは、利用者はわざわざサブスクサービスを選択するメリットがないのです。
日本の企業のサブスクサービスが苦戦しているのには、上記のような理由があり、この状況を変えるには、これを解決していかなければなりません。
その解決のために重要となるのが、企業全体が意識を変えるということです。
ここ数年の間に消費者の意識は大きく変化しており、従来のビジネスでは対応できない為に、新しいビジネスが求められるようになったのです。
そして、その代表的なビジネスがサブスクなのです。
消費者の意識がこれほど大きく変わっているのにも関わらず、企業側が従来と変わらなければ、受け入れてもらえるわけはありません。
現代の消費者は、従来のように物を購入し、それを所有する事を求めなくなっています。
消費者の嗜好や関心は多様化しており、個人がそれぞれ納得できるサービスを求めているのです。
その多様化する消費者のニーズに応えるためには、企業側も意識を変えていかなくてはなりません。
そして、さらに重要となるのが、企業側にも、消費者側にも、サブスクと言うビジネスの概念を浸透させていくことです。
サブスクと言う名前は知られていても、どのようなビジネスなのかを正しく理解していないケースは多く、消費者にメリットが多いことも意外と知られていないのです。
サブスクは、消費者それぞれのニーズに応えることのできるビジネスであることを、消費者に強く訴求し、実際に、消費者のニーズに即したサービスを提供していくことが重要なのです。
前述のように、日本の消費者は知らないものに対し警戒する傾向があるのですから、その警戒を解くためには、どのようなビジネスであるのかを伝える必要があるのです。
自身にメリットがあり、安全なビジネスであるのであれば、消費者は関心を持ちますし、利用してみようと思う消費者も増えていくのです。
現在のサブスク市場は、海外発のサービスに席巻され、日本企業のサブスクは存在感を示すことができずにいます。
この状況を変えるためには、今回説明したようにサブスクと言うビジネスを、まずサービスを提供する側の企業が正しく理解することが必要です。
そしてその正しく理解したビジネスを、分かりやすく消費者に伝えていくことが重要なのです。